御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第2回 社会が中央政府に蝕まれた今、わたしたちはいまだに何を恐れるのか【毎月第3水曜配信】

今朝のメルマガは、香港の社会運動家・周庭(アグネス・チョウ)さんの連載「御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記」です。香港の国会である立法府へ議員を送り込むことに成功した周庭さんたちですが、議会では親中派による、香港独立を唱える議員たちの排除が行われていました。香港の政治状況と、周庭さんの戦いの“今”を語ります。

▼プロフィール
周庭(アグネス・チョウ)
1996年香港生まれ。社会活動家。17歳のときに学生運動組織「学民思潮」の中心メンバーの一員として雨傘運動に参加し、スポークスウーマンを担当。現在は香港浸会大学で国際政治学を学びながら、政党「香港衆志」の副秘書長を務める。

◎翻訳:伯川星矢

『御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記』これまでの連載はこちらのリンクから。
前回:御宅女生的政治日常――香港で民主化運動をしている女子大生の日記 第1回 社会運動から見た香港の変化、そしてわたしの変化

わたしは今、「香港衆志」の選挙終了合宿に参加しています。この合宿の目的は、これまでの香港衆志の活動の反省とこれから備えることです。ここ数ヶ月の選挙戦から何を改善するべきか、そこで得られた反省を今後の活動にどのように役立ていくかが、重要なアジェンダとなります。

今年の9月4日に行われた、香港の国会にあたる「立法会」の選挙で、香港衆志の代表、ネイサン・ロー(羅冠聡)は当選を果たしました。しかし、これはゴールではありません。むしろ、過酷な道行きの始まりです。香港市民たちが自らの一票を、「民主自決」を掲げる香港衆志のネイサン・ローに入れたということは、わたしたちが香港の議会と社会に、新たな変化をもたらすことを期待しているということです。

みなさんは国会の政治家や政党について、どのようなイメージを持っているでしょうか。二枚舌とか? 表側は穏やかだけど裏側で権力闘争しているとか? 自分たちの利益のために動いているとか? 言うことばかり大きいとか? 選挙の前にだけ現れるとか? 多くの香港人はそのように思っています。
アメリカの人気ドラマ「ハウス・オブ・カード」は、まさにこういった政治家たちが、自らの利益を最大化するために、いかに政治権力や人間関係を利用しているかを描いた作品です。政治に興味ある方はぜひ見てみてください。おすすめです。

▲ハロウィン街宣のときの様子

しかし、わたしたちが考えるべきなのは、こういった一般市民の政治家に対するネガティブな印象や、「政治家はこうあるべきだ」という先入観を、どうやって変えるのか、ということです。

わたしたちが政治に参加した目的は、わたしたちの望む社会の実現だったはずです。思い起こせば4年前、わたしたちは洗脳教育(愛国教育)に反対するために、街頭に宣伝スポットを設置したり、官僚の出待ちをしたり、デモを組織したり、できることは全てやりました。それに対して当時、多くの大人たちはこんな風に批判しました。

「中高生のあなたたちが、強大な中国共産党に歯向かっても、いいことは何もないよ。それよりも、家に帰って頑張って勉強して、いい仕事を見つける方が自分のためになるよ」

いいえ、違います。そんなのは間違っています。もし、この社会がより公平かつ公正で民主的であるべきだと思うなら。もし、政府の責任が市民の声を聞くことだと思うなら。もし、市民こそが社会の主体だと思うのなら。わたしたちはその信念を貫き通し、正しいことを求めるべきだと思います。
そして最終的に、わたしたちは政府に民意を示して、愛国教育を撤回させたのです。

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