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CHAPTER9 境界のないものをテクノロジーで再現したい(猪子寿之×宇野常寛『人類を前に進めたい』より)

PLANETSの新刊 猪子寿之×宇野常寛『人類を前に進めたい チームラボと境界のない世界』が先行予約を受付中です。
発売に先駆け、毎日、各章へ猪子さんがよせたステートメントを無料公開しています!CHAPTER9のテーマは、テクノロジーを使っていかに境界の「ないもの」を再現するか、です。

▼書籍の内容紹介
2015年からの4年間、チームラボ代表の猪子寿之氏は、評論家・宇野常寛を聞き手に、展覧会や作品のコンセプト、その制作背景を語り続けてきました。ニューヨーク、シリコンバレー、パリ、シンガポール、上海、九州、お台場……。共に多くの地を訪れた二人の対話を通じて、アートコレクティブ・チームラボの軌跡を追う1冊。猪子氏による語りおろし「チームラボのアートはこうして生まれた」も収録です。(フルカラー)

CHAPTER9 境界のないものをテクノロジーで再現したい

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▲左 ロンドン『憑依する滝、Transcending Boundaries』 右 北京『花の森、埋もれ失いそして生まれる』©teamLab

 2017年に、海外で大きな展示を二つ開催しました。ひとつはロンドン、もうひとつは北京です。いずれも、以前からチームラボが掲げてきた「境界のない世界」というテーマをより強く押し出したものになっています。ロンドンでは、まったく違うコンセプトの作品たちを同じ空間に展示しました。それぞれの作品の独立性は担保され続け、同時に境界が曖昧です。北京では、会場全体をまるで覆うように花が咲いていて、展覧会全体の空間そのものがひとつの作品になるようにしました。まるで自分が大きな世界の一部であるかのような感覚をつくりたかった。花に覆われた作品の間を彷徨って、自分と作品の境界すら失っていきながら、いろいろな作品を見たり体験したりしてほしいと考えていました。(猪子寿之)


CHAPTER9では、ロンドンと北京の展覧会をテーマに二人の対話が進んでいきます。
Brexit後のロンドンで、「境界のない世界」を主題とした展覧会を開催する意義とは? また、宇野も現地を訪れた北京での展覧会における、「彷徨って、そして自分すら見失う」鑑賞体験とはどんなものなのでしょうか。

明日は、CHAPTER10「『自然』の本当の美しさを可視化したい」によせられたステートメントを公開します。


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