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男とペット4 | 井上敏樹

今朝のメルマガは平成仮面ライダーシリーズの脚本家・井上敏樹先生のエッセイ『男と×××』第22回です。今回は前回に引き続きペットのエピソードです。ヘビ、カメ、ザリガニと様々な動物を飼ってきた井上家ですが、ある日、飼い猫が5匹の子猫を出産します。母親に捨ててくるように命じられた敏樹少年が、悩んだ末にとった行動とは……?
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脚本家・井上敏樹エッセイ『男と×××』第22回
男 と ペ ッ ト  4 井上敏樹

 我が家のペットは大体が不幸な末路を辿った。私が飼育した数々のペットを思い出す度に涙が溢れる。そうして彼らの魂が安らかであるように祈るのだ。ヘビも飼った。十五センチぐらいの子供の蛇だ。名前はニョロと言った。いかにも頭の悪い子供がつけそうな名前だが私がつけたのだ。さすがに母はいい顔をしなかったので、私はニョロを虫籠に入れてこっそり裏庭で飼育した。ヘビの子供に餌をやるにはまず私が生卵を口に含み、それをストローで蛇の口に流し込んでやるのである。ある意味、口移しだ。それがある日、いつものように餌をやっていると、ストローがニョロの喉の奥の奥まで入ってしまい抜けなくなってしまった。引いても押してもびくともしない。そうしてニョロはストローに串刺しになって絶命した。

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