配信狂宴 ストリーム・ホリック! No.4 「未来のライブストリーミング」(後編)

VRのホットコンテンツVR Chat

最近VR界隈で人気のVR Chatというソフトがある。これは仮想空間に入り込んでボイスチャットでおしゃべりをしたり、VR機器を用いて仮想空間で体を自由に動かせるというものだが、ユーザーが作成したアバターやワールド—VR Chat内のマップ、ステージ、のようなもの—をアップロードして利用できるという点で注目を集めている。

VR Chatでは、多少の知識と技術は必要になるが、大好きなアニメのキャラクターや、理想を追い求めたオリジナルキャラクターの姿になって仮想空間に飛び込み、他のユーザー達とおしゃべりしたり、様々な景色が広がるワールドを観光したり、お酒を飲んだり、一緒に寝たりすることができる。言葉ではなかなかピンとこないかもしれないが、実際に体験してみると夢のような世界であり、筆者は始めてVR Chatを体験した日、気がつけば6時間もぶっ続けでこの世界に入り浸っていた。

VR世界に配信スタジオを構築!VR世界から現実へライブストリーミング

VR ChatのアバターやワールドはユーザーがUnityを使って作成することができ、日々パワーユーザー達によって様々なコンテンツが作られている。そんな中で、メディアアーティストの坪倉輝明氏が制作したのが、映像配信スタジオだ。

彼はVR Chatのワールドに複数台のカメラを設置し、それらを操作するビデオミキサーまで作り上げてしまった。現実で用意するとなれば機材費だけでも相当な額になる設備を、VR空間で再現することでいつでも好きなだけ利用できるようにしてしまったのだ。当然VR空間であるから、背景の変更や大道具の配置も(素材やモデルさえ用意しておけば)自由自在だ。

VRの力でライブストリーミングをもっと手軽に

もはやVR機材さえもっていれば、誰もが素晴らしいスタジオ環境でライブストリーミングを行える時代も目の前かもしれない。VR機材を用意するハードルがまだまだ高いとはいえ、撮影機材やセットを用意する際にネックとなる金銭的な制約を、VR空間内で完結させることでクリアするというアプローチは非常に興味深い。

現状、思い通りのVR空間を作るにはそれ相応の知識や3Dモデリングの技術が必要になるが、利用者側の敷居を下げるサービスが充実するのも時間の問題だろう。例えば、先日発表されたスマートフォンアプリ「Make avatar」は、スマートフォンで簡単に3DCGのアバターが作成できるアプリだ。専門的な3Dモデリングの知識がなくても、スマートフォンで3DCGを作成し、VR Chatを始めとするソフトウェア上で使用することができるという。

最近のVR界隈の盛り上がりを見るに、この手のサービスは今後次々と生まれてくることが予想される。日に日に敷居は下がり、いずれはVRを利用したライブストリーミングが気軽に利用できるようになるのではないかと考えている。

VR技術の発展でライブストリーミングに新たなアプローチが生まれている。近い未来には今まで想像もつかなかった新しい形態のライブストリーミングが一般的になっているはずだ。

Walker gaming映像担当 オカノ -大地- ダイチ

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