見出し画像

21年前の自分が聴いていた音楽

この記事は成人の日あたりに下書きしていた記事なのですが、寝かせているうちに1月が終わっちゃいました。早すぎません?

成人の日は以前は1月15日で固定だったのですが、2000年から1月の第二月曜日になりました。そして現在、成人の年齢が18歳からということになりました。そうは言っても二十歳を祝う会として成人式をする自治体がほとんどのようですね。なんやかんやで制限がある中途半端な成人扱いよりも、20歳固定でいいのでは?というのが外野の意見です。

さて、今年成人式の対象者が生まれた2003年に自分は何を聴いていたのか、ちょっと思い出してみることにしました。

この年に私がよく聴いた音楽の筆頭はアリス・イン・チェインズです。当時彼らは活動休止中なのに何故?ですよね。きっかけは、前年に亡くなったヴォーカリストのレイン・ステイリーの一周忌を前に、改めて彼の死を意識したせいかもしれません。

2002年に彼が亡くなったのを知った時はショックでした。しかしその直後、それを悲しむ間もなく仕事のストレス等で自分が体調を崩してしまいました。帯状疱疹のほか、耳鳴りや耳管開放症など音楽を聴くのに大切な耳に不具合が出てしまったので、普段の何倍も不安になりました。早めに病院に行くなど努力はしてみたけれど、逆に早すぎて空回り。耳鳴りは十分な休養と睡眠と栄養を取れば治ると薬は出されず、かといって自分も生活習慣を変えられず、結果的に耳鳴りは鳴り止まず、耳管開放の症状が出てしまいました。音楽を聴くと耳鳴りを意識して悲観的になるので、むしろそれを避けるようになっていきました。そのせいでレインの追悼どころか同年リリースのジェリー・カントレルのソロアルバムを聴くこともほとんどできなかったのです。音楽を聴くことが楽しくなくなってしまった年でした。

今考えても残念な2002年だったのですが、この負の連鎖を断ち切るために、ストレス源だった会社を2003年2月で辞めました。それだけで気持ちに余裕ができて、耳は元には戻らなかったけれどもまた以前のように音楽を聴きたい気持ちが戻ってきました。

レインは2002年の4月19日に自宅で遺体で発見されました。検死の結果、スピードボールの過剰摂取が原因で2週間前の4月5日に亡くなっていたと結論づけられました。まだ34歳でした。彼が薬物依存症だったのはファンも知っていたので、やりきれない気持ちになりました。アリス・イン・チェインズのヴォーカルは彼の声でないと成り立たない、そうでなければ彼らではないと思っていたので、受け入れ難いニュースに現実逃避する毎日でした。

だけど、彼ら(AIC)が度々バンド活動を休止しなくてはいけない原因になっていたのも彼でした。彼の死によりこのバンドはどうなるのか、このまま解散するのだろうか、その時ですら閉店休業中のような状態だったけれど、生きていたらいつかまたライヴを観られる日もあるだろうと信じて待っていたのに…と複雑な思いを抱いていた一年前を思い出しながら彼らのアルバムを再び聴き始めたら、その時欲していた音楽だったのか、しばらく聴くことをやめられなくなりました。仕事中も脳内再生していました(笑)。1995年リリースのセルフタイトルアルバムはリリース年よりも2003年のほうがよく聴いていたと思います。再びあの暗闇にどっぷりはまってしまいました。

それだけでは飽き足らず、彼らについてネットサーフィン(死語ですねw)しているうちに、彼らのファンサイトを発見し入り浸るようになりました。この時代はまだブログが流行る前で、個人が作るホームページ、いわゆる私設のWebサイトが多く存在しました。今のようにWikipediaが充実していない頃ですので、コアなファンの知識や手持ちのライブラリ情報に頼る事が多かったのです。私設サイトにはBBSがあって、管理人やファン仲間と情報交換するのが楽しくてすごく充実した毎日を過ごしていました。ネット上で公開されてるからオープンなんだけど、知る人ぞ知る閉鎖的な環境はなんだか大好きでした。

そのサイトで、1999年に発売された1枚物のベストアルバム「Nothing Safe: Best of the Box」の同年にもっと豪華な「MUSIC BANK」というボックスセットが発売されていたことを今更のように知り、Amazonで入手可能だったので慌てて購入しました。購入履歴を調べてみたら2003年4月14日に購入していました。そんなこのアルバムは、この年一番再生回数が多かったアルバムになりました。
ボックスセットが今は配信サービスで聴けてしまうんですね。

レインがいる頃のアリス・イン・チェインズの代表曲です。選曲は悩んじゃいましたけど。
"Jar of Flies" はEPで全米1位を取ったことでも有名。今年30周年です。


そしてこの年、アリス・イン・チェインズ繋がりで聴くようになったのがニッケルバック。ファンサイトでジェリー・カントレル(アリス・イン・チェインズのギタリスト)がニッケルバックのライヴにゲスト出演していて、それがライヴDVDとして発売されていることを知りすぐに購入しました。
ニッケルバックの曲をほとんど知らなかったのに買ってしまう自分もなんですが、このライヴを観て彼らが好きになりました。後追いでアルバムを買って聴き、ライヴを観たいと思うようになりました。その念願がようやくかなったのは2019年。だいぶかかりましたね(笑)

そしてこのDVDがきっかけの別の出会いがありました。
DVD "LIVE AT HOME" でのアンコール1曲目の "Mistake"。最初は彼らの曲だと信じて疑わなかったこの曲は、ディスコグラフィーを見ても出てこない。調べていくうちに、別のバンドの曲のカヴァーだということがわかりました。それがBig Wreck(ビッグ・レック)で、"Mistake" はアルバム ”The Pleasure and the Greed” の6曲目でした。

Live DVD「LIVE AT HOME」の "Mistake"

会場のライターの灯、今の時代ならスマホでしょうね。

こちらがオリジナルのBig Wreckバージョン。
アルバムは2001年6月リリースです。

気になって購入してみたら、プロデューサーがアリス・イン・チェインズでもお馴染みのデイヴ・ジャーデンでした。オリジナル ”Mistake”はニッケルバックバージョンとはタイプが違いますが、Ian Thornleyの渋いヴォーカルも良くてこのアルバムも気に入って聴いていました。

そしてBig Wreckのこのアルバムでまた別の出会いがありました。10曲めの ”Breakthrough” から聞こえるIanではない方の高い声がやたら気になり、クレジットを調べたらMyles Kennedyと書いてありました。高い声だけじゃなくて低い声も魅力的で、名前を調べて (当時)The Mayfield Fourのヴォーカリストだとわかりました。The Mayfield FourがBig Wreckの前座で一緒にツアーを回っていたことがあるので、おそらくその時の縁だと思います。

マイルス・ケネディは映画「ロック・スター」にも出演していました。スティール・ドラゴン最後のステージで、客席でイジーと同じくらいの声量で歌っているファン・ソールを演じています。マーク・ウォールバーグ演じるイジーの声はマイク・マティアビッチだけど、ソールの歌声はマイルスの声です。

Big Wreck ”Breakthrough”

その後別のバンドで活躍する彼の大ファンになるとその時は思っていませんでしたが、これが私とマイルス・ケネディとの最初の出会いでした。彼は2004年からAlter Bridge(アルター・ブリッジ)に加入し、その後Slash featuring Myles Kennedy & The Conspiratorsのヴォーカリストとしても有名になります。

これは2003年の出来事のほんの一部ですが、何を聴いていたか思い出せるのはたぶんいい年だったから。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?