わらしべ刑事とは・・・・・・

吉祥寺署の新人女性刑事北村綾子には、子供のころから特徴的なクセがあった。

それは『ひろい癖』。

気になるものがあると

それが石だろうが

ゴミだろうが

エロ本だろうが

拾って帰って来ては押し入れにため込んでいた。

実家暮らしの頃は定期的に母親にガサ入れをかけられて

毎回大量のゴミ袋を出す始末。

やがて警察官になったが、いまだにその癖は治らず。
独身寮の部屋はゴミ屋敷の様相を呈す。

ある日、管内公園で傷害事件が発生。
刑事として前のめりな綾子は現場へ急行するが、新人ということでなかなか前線には入らせてもらえない。

付近をうろうろ歩いていると、一枚の血の付いたハンカチを拾う。

本来なら鑑識に提出すべきところだが、普段ノケ者にされている恨みからハンカチは申告せずに独自捜査をすすめ始める。

ハンカチの血液を署内でちょうどすれ違った科捜研の知り合いに鑑定依頼をすると、天然記念物のトキの血液と分る。

なぜ東京にトキの血痕があるのか？

たまたま昨日見たトキの特集番組を覚えていて。綾子は溜まっていた有給をとって一路、佐渡島へ飛ぶ！

佐渡島署で最初に応対に出た職員が偶然トキ保護会のメンバーで

いきなり最近トキのつがいが１匹行方不明になっていた事を知る。

その職員からさっそく紹介されたトキ保護センターの職員が言うには

全てのトキには発信機が付けられており半径５０キロ以内なら居場所が分るはずと即座に教えてくれる。
しかし行方不明のトキからの発信機反応はない。
途方に暮れて帰りのバス停で待っていたら

ちょうど一緒になった地元の人からの情報で、近くのヘリポートで１週間前の朝方ヘリの離着陸があった記録にたどり着く。
その日からトキが１匹消えているという。
それ以上の収穫はなく新幹線で東京に戻り休憩で入った喫茶店でたまたま隣りに「第一回ヘリコプタークイズ日本一決定戦」の１位と２位が座っておりヘリの形状を説明するとただちに種類と所在を教えてくれた。

早速、該当する日本で１台のヘリを格納している調布飛行場に行くと、丁度その日の操縦士が機体整備に来ていた。

飛行場の職員からは頑固で無口な男と聞いていたが、担当直入に質問すると、たまたまその日キリスト教の洗礼を受けたばかりで

素直に佐渡島に不法入国した北の工作員の移動と武器運搬に関与していた事を告白する。

佐渡島離陸の際に前を横切ったトキに怪我をさせたが

北ではトキは神の使いと言われており

工作員たちは怪我したトキに責任を感じ、アジトへ連れて行ったとのことだった。

アジトの場所まではさすがにすぐには分らなかった。

しかしラッキーなことにヘリに工作員の忘れ物があり

しかも荷物に極秘書類が入っていた。

分らない暗号文で書かれていたが

偶然アルバイトとして居合わせた学生が

たまたま東大暗号同好会の会長ですぐに解読してくれた。

暗号文によると、ちょうど明日ホテルで行われる『先進国代表食事会』でテロを起こす計画だったことが判明する。

事態の大きさに綾子はなすすべなく立ちすくむが

ちょうどそんな時に警察学校の同期で公安部のアジア担当の友達から電話が入り、協力を依頼する。

その後これまた偶然、調布空港から帰るタクシーの運転手が「佐渡島トキ保護会」が使用している発信機メーカーの元担当者であることが判明。

その足で明大前にある会社から受信機ピックアップしてくれる。

その頃、北の工作員たちは八王子山中のアジトで大量の爆破物を準備しながら、傷ついたトキの治療にあたっていた。綾子が公園で拾ったハンカチは薬を吉祥寺に取りに行った時にたまたま落としたものだった。

ようやく健康を取り戻したトキを工作員たちが喜んで建物の外に出したまさにその時！

その八王子のアジトからちょうど４９キロ圏内の警視庁公安部立川支局で、綾子が電波受信機のスイッチを入れたところだった。

トキの電波からたちどころにアジトの場所が判明し

その日のうちに機動隊と公安部が乗り込みテロ組織は壊滅。

天然記念物のトキも保護

その際、トキが生んだ卵も見つかり、工作員の世話が良かったのかその卵から生まれたヒナで、後にトキの繁殖復活に成功する。

国際的な危機と絶命動物を救った北村綾子は

ちょうど候補をさがしていた国民栄誉賞に輝くことになる。

１００万回に１回の偶然を無意識のうちに連チャンで起こす女

それが「わらしべ刑事」！

「偶然のように見えるもの全てに意味があります。あなたのまわりの石ころ一つにあなたの運命がかかっているかもしれません！さぁ皆さん拾いましょう」

 
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