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腰は感覚が鈍い。だから腰痛は治りづらい

整体をおこなっていると、多くの慢性腰痛の患者さんは、「腰痛の芯」や「原因の芯」を的確に捉えられるだけでも、「うーっ、そこそこ(それに触れてほしかった)」と、痛いところを分ってもらえたという小さな満足感を感じられるようです。
それはなぜなのでしょうか?

胴体感覚が鈍い

子供の頃、指先で背中に文字を書いて、なんて書いたかを当てるというゲームをやったことがあると思います。

手のひらに書かれれば、かなり細かい文字も識別できますが、背中の場合は「い」なのか「り」なのか、「ぬ」なのか「め」なのか区別がつきません。

ペンフィールドの脳地図でも、指一本と胴体に分布する神経の面積が同じ大きさであると示されています。

そのためスポーツでも、胴体を細かくコントロールすることは難しく、ゴルフや野球のピッチャーなど胴体のコントロールが必要なスポーツは習得するのが難しいのです。

痛みの感覚についても、指先であれば針がチクリと刺さると「ここに刺さった」とわかりますが、腰の場合は「このあたり」とか「腰の右側が痛い」というように、痛いときに腰を押さえるときの手の平くらいの面積を表現します。湿布を貼るにしても、大きなサイズを全体に貼るようになります。

ぎっくり腰の場合も、痛めたばっかりは、ピンポイントで痛くても時間がたつと、痛みの場所が手の平くらいの大きさにぼやけてしまいます。

また、痛みや違和感を感じていなくても、押されると痛くてビックリするのも腰は感覚が鈍いものだからと考えられます

痛みの原因も分かりづらい

腸腰筋、腹横筋、横隔膜は腹式呼吸の際に多く使われる筋肉です。
腰椎の安定性を作ったり、ハムストリングスや内転筋群と一緒に腰のカーブを作るので、腰痛と深い関係のある筋肉です。

腸腰筋、腹横筋、横隔膜はお腹の深い部分にある筋肉のため、内臓と同じように、目でみることもできませんし、直接触れることもできません。使っている感覚もわかりづらく、また酷使しても疲労していることを感じづらいものです。逆に感覚が鋭ければ呼吸をするたびに、細かい動きまで感じてしまい不都合が生じることになります。

そのため多くの腰痛患者は、腸腰筋、腹横筋、横隔膜がガチガチに固くなっています。しかし、これらの筋肉は使っている感覚が分かりづらいために、ガチガチに固くなっている感覚を、腰が重いなどの違和感や、こわばって硬い感覚として感じてしまうようです。

まとめ

腰痛の芯をとらえてもらう満足感は、自分ではわからない違和感の答えを、ピンポイントで指し示してもらう感覚であり、それは腰の感覚の鈍さが原因であると考えます。

この感覚の鈍さのせいで、腰痛は原因もわかりづらく改善しずらい。そのため慢性化しやすいのだと思います。





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