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ボート競技の腰痛対策

ボート選手の多くが腰痛になるのは、腰を丸めた姿勢で漕ぐフォームが関係しています。

腰が最も安定するとき背骨はS字を描いていて、腰の部分はお腹側に凹んで反りができています。

このときは腰椎は、前からは腸腰筋、後ろからは多裂筋が働き、また腹横筋、骨盤底筋群も働き腹圧が高まり安定しています。

ここで重要なのは、反りがあるときは、腰椎を安定させる重要な役目をしている筋肉である多裂筋が働きやすくなっているということです。

ボート競技は背中を丸めて漕ぐので、多裂筋を働かせづらいフォームで漕ぐことになります。重たい水中を漕ぐときに、多裂筋を働かせないまま漕ぐことになります。

そのため、多裂筋がおこなう背中から腰椎がズレないように安定させる役目を、背骨を動かす(動作をおこなう)ための背中や腰の筋肉がおこなうことになります。

ボート選手の腰や背中の筋肉は、オールを強く引く+腰椎を安定させることにも使われています。

また、腰椎を前から支えている腸腰筋は、腿上げをするように股関節を折る筋肉です。ボート競技は座っておこなうスポーツなので、股関節は伸び切ることがなく常に折られていています、そのため腸腰筋は常に縮んでいる状態になっています。乗艇後に腰が伸びないのはこのためです。

筋肉の特性として、よく伸びる筋肉はよく縮むことができるというものがあります。
筋肉は縮むときに力を発揮しますが、一度引き伸ばすと強く縮むことができます。懸垂などで腕が疲労しきっているときは、一度手首を反らしてストレッチしたり手をぶらぶら振るなど、筋肉を引き伸ばすことを自然とおこなうのもそのためです。

腸腰筋は引き伸ばされることなく、常に縮んでいるので筋力が発揮しずらい状態になっています。そのため腰椎の前からの支えが弱くなりがちになります。

ボート選手に腰痛が出やすいのは、腰椎を背中側から支えるための多裂筋が働きづらいフォームで漕ぐこと、おなか側から支える腸腰筋の筋力が発揮しづらい。

そのためボート選手の腰痛予防には、ボートを漕いでいないときの姿勢が重要になります。

トレーニングとしては・・・

1,背骨のS字カーブが作られるように、多裂筋を働かせる
2,腸腰筋の疲労を取る、柔軟性を上げる
3,腹圧で体幹を安定させる

1,2をおこなうためにも、内転筋を使ってお尻の下部を鍛えることが、ボート選手の腰痛予防には重要です。



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