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時間の奥行き

 何日ぶりだろうか。
毎日のように投稿をつづけていたのに、サポーター(ヘルパー)さんに入力してもらいながらの口頭での文章づくりは、ほんとうに久しぶりになる。

 書くことをやめていたわけではない。
自分で入力できるようにワンキースイッチを購入して、この年末までサポーターさんと取り組んできた初チャレンジの長編小説がフリーハンドで書き進めているためにどんどん膨れあがって、なんとか今月中には終止符を打つべく、完全にそちらへシフトしてしまったからだ。

 ワンキースイッチのための周辺機器の消費電力が尋常ではないらしく、ふつうのUSBケーブルで並行しての充電では追いつかなくて、結局、一回の使用時間は二時間三十分前後になる。
もうめんどうくさいから詳しくは書かないけれど、ゼロパーセントまでバッテリーを使いきると、再起動させないと単純にケーブルをつないだだけでは運が悪いと、三十分近く待たなくては愛用のタブレットが作動してくれない。
しかも、ぼくはサポーターを選ばずに誰でもカムヒアーしてるのに、主と違ってタブレットは人を選んでゴネまくる。
 だいたい一回のタイムリミットの二時間三十分で、入力する文字数は四百ぐらい。
文字を選択するポインターの速度を上げると、ボタンを押すタイミングが間に合わなくなってしまう。
かといって、上下左右にゆっくり移動するラインを眺めていると、眠たくなることもある。
 ここまでは投稿の間隔があいているワケ。
ただし、予想以上にリラックスして使いこなせていて、執筆中はサポーターさんに買い物へ出てもらったり、うまく時間調整して交代時間をずらしたりしながら、ひとりの時間を味わえるようになった。

 スピードは遅くても、集中してモニターに向かえるから、我ながら内容はまんざらでもない。
 この三カ月ほど、小説を執筆するためにつくっていた音楽のプレイリストをかなり入れ替えた。
 思春期のころから大事にしてきた、かたわらにいつも流れていた友部さんや渡さんやシバさんや良さんや…、に復活していただいた。
肩の力が抜けていくようだ。
後頭部に張りつめていたものが、どこかへ消えていった。

 カレンダーを今年のものに換えるつもりはなかった。
サポーターさん用に、馴染の銀行からもらってくるぐらいに考えていた。
具体的には書かないけれど、去年ほどしんどい毎日がつづいたことは記憶にない。
 去る人の背中ばかりを追いかけて、悲しんでいた。もがいていた。
でも、その一人ひとりも、きっと今までどおり、その人らしくまわりを明るくしたり、相手を思いやったりするに違いない。
この場所で、ぼくも、ぼくらしく、モジモジ、ウジウジしながら、呼吸しつづけようと思う。

 ぼくのそばには唄がある。ぼくには書くことがいっぱい残っている。
RBCラジオのカレンダー、まだ販売しているか、さっそくチェックしてみよう。

 時間は奥行きを持っている。

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