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ウォークン’s ジャーニー(6)

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6.足湯樽のインプラントパーツ

気絶したように眠った私は、いつのまにかバスの終点に着いていた。
しまった・・・バイトパークで降りそこねてしまったよ。

折返しのバスは、しばらくないらしい。
私は渋々バスを降り、停留所近くのベンチに腰掛けて一息ついた。

それにしても、なんか色々起こりすぎて頭の中がこんがらかりそうだよ。

(読者の方のためにも)ここまでの情報を整理する必要がありそうだ。


まずウォークンについて。

彼は表向きは長崎バスの運転手。
その裏の顔は足湯樽という組織のエージェント
…らしいが、断片的に記憶を失っている。

そして今私がいる世界線とは別の次元からやってきた。

ウォークンという名前を与えたことでパワーアップはしたが、こじらせ系の性格はあまり変わっていない様子。


で、何故か私はウォークンの記憶を取り戻す手伝いをしている。

やつは馴れ馴れしくて強引で若干ウザい。
一緒にいるとこれからもトラブルに巻き込まれそうで、一寸心配だ。

ーーーーーーーー

次にハプスブルク。
ウォークン(足湯樽)と対立する秘密結社【無料羊損】おかかえの顎が長い呪術師だ。

副作用の強い秘技でウォークンを封印するも、俺に呪い返しされて肉体を失い、霊体として俺の次元に固定化されていた。

彼はアゴガミという悪魔と契約していて、死後アゴガミに食われてしまう予定だったそうな。
でも俺がアゴガミを別次元に飛ばしたので、晴れて自由の身に。

その結果彼は俺に懐いてしまった…。

そして俺の世界線では、ハプスブルクが仕えていた無料羊損は石フェラという対立組織にやられ、存続すら危ぶまれている状態。

なのでハプスブルクはこの先俺に憑いてくる気満々のようだ。

ハプスブルクは博識で色々使えそうなやつではあるが、許可なく様々な領域に干渉するので、それが後々災いの種にならねばよいのだが。

まあバスがしばらく来ないならちょうどよい。
私はウォークンに今後どうしたいのか尋ねた。

「えっ、ボクは早く記憶を取り戻したい一心だよ。」

『よし、なら現在覚えている情報を一旦整理しようか。
石フェラとか傀儡ホテルとか何でそんな謎な情報を知ってるのかも気になるし。』

「ふふん!それはね、ボクがチャネリングしてるからさ。
足湯樽の構成員は脳内に特殊なインプラントパーツを埋め込んでいて、それにアクセスすれば工作活動に必要なデータを引き出せるんだよ。」

それチャネリングっていうのか??
なんか偏ったデータが多そうだが。

それにもうウォークンの物理的な身体は存在しないから、物理的なインプラントパーツも既に残っていないはずだが。

ーーーーーーーー

「う~ん、確かに言われてみたらキミの言うとおりだね。
インプラントパーツは情報空間内にデータとして残っているのかな?」

『じゃあそれ削除しちゃおうか?』


「ええ、キミは何を言っているんだ!
そんな事したら、ボクは何の役にもたてなくなるよ。

それにこのインプラントパーツは足湯樽の構成員の証。
足湯樽の一員でなくなったら、ボクに存在価値なんて・・・」


『何言ってんの?
今までお前の存在とそのくだらん知識が、一度でも俺の役に立ったことがあるか?

今までの図太さはどうした?
自分がこの世界に存在したいと思うなら、存在するのに誰の許可もいらない。

ゴキブリを見ればわかるだろ。
圧倒的多数の日本人に忌み嫌われているのに、実に元気に生きてるじゃないか。
お前も少しはゴキブリを見習ったらどうだ?

呪いなんてよっぽどヤバいもの以外は、意識しなきゃ勝手にスルーできるんだよ。

俺はそもそも丘豚ホテルとか行かんし。
石フェラなんて襲ってこないし。
金のない世界とかまっぴらゴメンだし。

お前の情報なんて無い方が、よほど心穏やかに暮らせるのさ。


そもそも体の感覚さえ整っていれば、ヤバいところに行くと自然と違和感を感じて、危険回避できるようになってるの。

だから必要以上に恐れる事もないんだよ。』

「でも…」

『うるせぇな。俺はネガティブ3D(でも、だって、どうせ)が嫌いなんだよ。
これ以上うじうじしてるなら、俺の次元から消すぞ。

それにお前の目的は何だ?
自分が何者か知ることじゃないのか?

もうお前にはウォークンという名前があるじゃないか。
足湯樽の犬じゃないんだよ。

まあ足湯樽に戻りたいというのなら、止めはしない。
ただ戻るなら俺はもう一切お前と関わらないからな。』

「そんな・・・」

『インプラントパーツを消すのなんて一瞬だ。
そっちの世界に時間の流れはないんだからゆっくり考えな。』

そう言うと、私はウォークンから意識をそらした。
ここから先は本人の問題だ。

さて、次はハプスブルクの番だな・・・

(続)

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