見出し画像

近況~最近みているものとか

自分が近況と言い出した時は、ネタがない時である。なぜネタがないかというと忙殺されているからであるが、それはいい。大して広がらないからだ。あと、ちょっと別件でかなり執筆パワーを消費してしまって疲れている。

たまには最近のプライムビデオの話でもしてみよう。

・GEN V(ジェンブイ)が始まった

「GEN V(ジェンブイ)」は、社会派スーパーヒーロードラマ「ザ・ボーイズ」のスピンオフ作品である。もちろん血肉は飛び散る。なお、本編はアメリカの脚本家のストかなんかで製作が遅れているらしい。

本作の舞台は、スーパーヒーローのための大学であるゴドルキン大学。もちろん経営は悪辣なおなじみヴォート社だ。ゴドルキン大学の学生は、いずれ才能を認められて、最強のヒーローチームである「セブン」に入ることを目指し、学生生活を過ごしている。

主人公であるマリー・モローは、自分の血を操る能力者で、訳あって(開幕ですぐ明らかになる)施設で育ったが、ゴドルキン大学への進学を認められ、物語が動き出す。

ヒーローは「コンパウンドV」なる謎の薬物を投与されることにより、何かしら超人的な能力を発現させて生み出されるというメカニズムであることは、既に「ザ・ボーイズ」で明らかにされている。本作では、どうやらそれは周知のことらしい。つまり、学生たちは、大体親との関係がこじれたりしているわけである。

そして、本作の学生たちが備える能力は、何かしらメンタルのトラブルから生じると思われる行為のメタファー、というか、わりとそのままになっている。主人公の血の能力は自傷行為。ルームメイトのエマ・マイヤーは摂食障害というわけだ。他にもジェンダーが不安定な奴とかが出てくる。

そうした若者たちも、資本主義の権化であるヴォート社が食い物にしようとする。いや、ヴォート社だけではない、周りの大人はみんな自分の都合で才能ある若者を良いように利用しようとする、といったお話だ。

なんか期待していたより面白いので、これは見ようと思う。

ちなみに、「ザ・ボーイズ」の世界のやつは大体SNSに狂っているが、本作でも同様に、大体のやつはもれなくSNSに狂っていることになっている。アメリカでは、そんなにSNSと若者の問題というのは深刻なんだろうか。


関係ないが、最近ちょっとしたビジネス交流会みたいなものに出てみて、思いがけず古参のインターネットおじさんに出会ってみたのだが、実家のような安心を感じた。最初は、誰が誰だかわからなかったが、たぶんこの辺の連中がネットの濃い奴らだろうと思って接近したら、やっぱそうだった。ネット民の持つ独特の空気の正体について考えさせられた。もしかして、自分もそうした闘気をまとっているのだろうか。

若干ショックだったのは、実年齢でいうと自分が結構上の方だった、ということだ。見た目とかではなく、インターネットおじさんはなんとなく年上と思い込んでただけだったのだが、どうも違ったようだ。自分が間違いなくインターネット老人会の一員であることを深く自覚する出来事だった。


・葬送のフリーレンが始まった

葬送のフリーレンは、2020年より連載されている漫画作品のアニメ化である。主人公の魔法使いフリーレンは長命なエルフで既に1000歳を超えている。寿命がどんぐらいなのかはよくわからないが、基本的に年単位の「短い」時間とかは何とも思っていない。

フリーレンは、勇者ヒンメルの一行として、魔王の討伐を果たした。50年ほど経って勇者ヒンメルと再開を果たすが、ヒンメルはまもなく天寿をまっとうする。フリーレンは、どうやら今まで人族がすぐ死ぬ的なことはあんまり気にしたことがなかったようだが、今回のは結構堪えたようで、人間を理解するための旅を始める、というお話。

フリーレンが新たな仲間たちと心を通わせたり、異質な分かり合えない存在である魔族との戦い(対比)によって、心ある存在であり、はかない存在である人間みたいなものを描く。

しみじみと良いお話が多いが、ヴァイオレット・エヴァーガーデンほど火力は高くないので安心して観れる。アニメ版は、いかに漫画の良さを損なわない、むしろ漫画では出来ない演出を実現できるか、という課題にトライするものだろう、と思う。漫画が面白いので、観てみたがアニメもなかなか良い。たぶん観る。


・本の話

まだまとめてないので、また今度、読書リストの更新をしようと思う。途中だが、東浩紀『訂正可能性の哲学』は、ちょうど少し前(案外前だが)に、鈴木健『なめらかな社会とその敵』を読んだりしたのもあって、ちょうど興味関心にマッチしている感じで良い。今はそのほかに、安部公房『カンガルー・ノート』を持ち歩いている。

『カンガルー・ノート』はある日脚からカイワレ大根が生えてきた男が、病院のベッドに乗って旅するお話なのだが、ちょいちょい登場するトンボ眼鏡の看護婦が、なんかもう気になってしょうがない。

こうやって並べてみると、忙しいとか言いつつ結局遊んでるやん、という気はしてくる。まあでも、最近は本当に書く仕事が多いから、なんか作品を受容し続けるみたいなことも重要かなと。

サポートまでは言いません!だって、スキ!みたいなやつなら、ただで喜ばせることが可能ですもの!