この夏も、私の故郷は美しい
3.11東日本大震災から9年。
震災で亡くなられた方、震災後に亡くなられた方、死を選ばざるを得なかった方、故郷に戻ることが叶わず亡くなられたすべての人々に哀悼の意を捧げます。
私の故郷、天気予報の地図と一緒に放射線量は未だ表示されているだろうか。
就職で他の地で暮らすようになって、初めてそれが重石だったと気がついた。それがないニュースがどんなに気持ちを楽にするのか、初めて知った。
○○○○は人の住めない土地になる、流産や奇形が増えて子供が生まれない・育たなくなる、癌が多発してどんどん人が減る……
たくさんたくさん、好き勝手いっている人たちが本当にたくさんいた。
全部なんて覚えていないけれど、忘れることなどできるわけもない。20年経ってもそうかもしれない。
無責任に正義面して人の故郷に泥を塗り続けてふざけるなと、正直思う。今でも思う。
小さなお子さんのお母さんが、この子は結婚を諦めなきゃいけなくなるのですかねと言ったと開業してる父から聞いた。
他所へ出た人がまるで放射性物質の様に忌避されたことだってめずらしくなかった。
何でだとも今でも思うよ、なんで「京」なんだと、「北」だったらまだ気持ちの収まりどころもあったかもしれない。
9年たって。
私たちの故郷は死の土地ではない。
ざまぁみろ。
病か寿命か事故か、
何かしらで誰もがその生涯を終える土地だ。
どこかしらで新しい命が始まる土地だ。
人が人との社会を営む普通の土地だ。
故郷を片仮名で呼ばれることが随分減った。
それが一番、私は嬉しい。
新幹線と電車に揺られて、本当は赤字路線のディーゼル車なんだけど、まあそれらに揺られてさ、ゴールデンウィークには帰るよ。
車窓から見て、やっぱり思うんだろうな。
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