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日記のような(インスタ用草稿)


02/07/2022 日記のような
昔のいぬの絵、いぬの話。

たまたま出かけた先で母とばったり会った。母は今日はなんとなく「桐子に会ったりしないかな〜」と思っていたらしい。生活している地域は同じなのに不思議とあまり出くわさないものだけど、今日のなんとなくのそれは虫の知らせみたいなものだったんだろうか。

7月2日は前に飼っていた犬の命日だ。7年前の今日、半夏生のときに犬は死んだ。いちど明けた梅雨がまたもどってきたような、サーサーと雨の降る日だった。私はその犬に何も良い思いをさせてやれなかったので、せめてもの罪滅ぼしというか、手向けというか、彼女を描いた絵を壁に掛けた。そしていつの間にか絵の横にキャプションのように母が句をつけていた。

『半夏生に濡れ毛の匂ひ残し逝く唯の黒犬唯一の犬』

半夏生という言葉はこのとき初めて知った。

母は今朝、犬の絵の額縁が曲がっているのを見つけて直そうとし、「そうか今日はバウの忌だ」とはっとしたらしい。

#日記のような  #昔の犬 #犬の肖像 #kirikoabe

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