【ぶんぶくちゃいな】なるか、中国SNS下剋上

わたしは日々、最低でも20ほどの中国ニュースサイトに目を通しているのだが、今週最大の注目のニュースとなったのは、通信機器メーカー「華為 Huawei」(以下、「ファーウェイ」)の創業者の任正非CEOが西洋メディアの一部を招待してインタビューを受けたことだろう。

昨年12月1日にカナダのバンクーバー空港で拘束された任の長女の孟晩舟・ファーウェイCFOの事件をきっかけに爆発というよりも、ファーウェイにとってはほぼ「暴発」状態といえる、ファーウェイ製品のセキュリティ問題や、ドミノ倒しのように各国から伝わってくる「ファーウェイ機器排除」に対して、説明の必要に迫られた結果だった。

そこで語られたことは、すべての疑惑に対する否定とファーウェイの先進性に対する釈明で、すでにほとんど人の口端には上らなくなっている。しかし、2015年に英BBCの取材を受けて以来、一切外国メディアの前に姿を表さなかった任CEOがインタビューを受けた、あるいは受けざるを得ない事態にファーウェイが追い込まれているということ自体に「ニュース」価値があった。

中国メディアもまたさらりと一通りそれを報道したものの、あまり関心を示していない。海外メディアがわんやわんやとファーウェイ騒ぎを論じているとき、今週の中国メディアは「SNS祭り」に湧いていた。

というのも、任CEOが海外メディアにその企業理念を語ったその日、SNS業界ではなんと立て続けに3社からそれぞれに新しいSNSサービスが発表された。そしてそれらはただ「新しい」だけではなく、それぞれに中国IT業界にとって「見どころ」を持つ、鳴り物入りの製品だったからだ。

●「時代のいけにえ」から戦線復帰した起業家

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