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中国からの詐欺メールで考えた

中国がネットなりすまし詐欺に対する法的取り締まりを強化したという報道が、ネットメディア「財新網」に流れたのとほぼ同時に、わたしのもとにも「なんぞこれ?」と思うメールが届いた。これ。

見るからに怪しい。文面読んでも意味不明(笑)

実のところ、真剣に読まなくても「あなた」という言葉を使っている時点でアウトですね。これは外国人で「かなり日本語ができる」人も苦労しているらしい点なんですが、日本語って主語にはとても気を使わなければならない言葉なんです。中国語や英語の翻訳を読んでいて一番ダメなのが、主語を必ずきちんと訳す文章。日本語では必要以上に主語を強調しない。

なぜそうなったのかはわたしも言語学者じゃないのでわからないのですが、日本人として一番それに気が付きやすいのが日本語を外国語に翻訳するときです。日本語って主語がかなりあやふやなんです。

さらに加えて、「お客様各位」で始まるような営業レターで、「あなた」という言葉は絶対使われない。「お客様」と書いたからには、徹頭徹尾相手を「お客様」とおだてあげなければならない。このニュアンスは多分、外国人にはピンとこないんだと思います。中国語で「顧客」、英語で「Customers」と始めても、「您」(「你」の丁寧語)や「You」を使っても問題ないけれど、日本語では「あなた」は×。

なので、こういう商業用レターに「あなた」という言葉があれば、すぐに疑ってかかる必要があるんだなぁ……ということを、今朝シャワー浴びながら思ったので書いときました。最後までお付き合い、感謝。



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