【ぶんぶくちゃいな】立場姐姐が語る「香港デモの現場からみた運動の現実」最終回

香港の最高議決機関である立法会のビルにデモ隊が突入した7月1日。史上初めてのことに社会全体が衝撃を受け、平和的なデモ行進で始まった「逃亡犯条例」改訂案への反対活動が、ここにきて大きく様変わりをしてしまったのではないか、と思った人たちは少なくなかった。

だが、そのショックを大きく和らげたのが、「立場新聞」記者何桂藍さんが立法会ビル内で撮った動画だった。過去、「香港独立」の主張をする「本土派」の取材を続けてきた何さん。その彼女が意外なことに、デモ隊から気遣いの言葉をかけられると、なんともむずかゆい思いになるという。それはどうしてなのか。

彼女が「立場姐姐」と現場で呼ばれるようになった動画がもたらした「報道」の矛盾、そして報道者とデモ隊の「線引」について語る最終回。

(前回、「香港デモの現場からみた運動の現実」その3の続きである。文中の脚注のうち、これまでの回で解説済みのものはそれらと同じ番号を使い、同じ説明をコピペした。このため脚注番号が前後しているが、呼応する番号をたどって読んでいただきたい。)

◎立場姐姐が語る「香港デモの現場からみた運動の現実」最終回

●「暴動罪」適用が前提になったデモ隊の思考

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