警察の暴力批判が最高潮に デモ隊は「安全な空港」を選んだ:NHK《香港国際空港 朝から運行再開見通しも混乱続く》

以下、NewsPicksのコメント欄を開いたら、まず最初に「逃亡犯条例」改訂案についてもなんにもしらずに述べているコメントが「注目のコメント」に出てきたのに驚いて書きました。なんで知らないのに知ったかぶりしてコメントするんだろう?

逃亡犯条例「改訂」案から起きたデモについてはすでに以下書きました。根本を理解しておられない方はまずぜひご覧ください。

ここ数日の動きを解説すると、元朗事件以降、警察への怒りから警察権力に直接抗う形での活動が突出してきました。一方で、病院や空港、法曹界、金融界、加えて公務員らも「警察暴力への不満表明」「独立調査委員会の設立」を叫んで座り込み集会を行っています。後者は催涙弾が発射される事態は起こっていません。

8月初めから警察は「一般市民」からのデモ申請を却下し、これが元朗事件の警察や司法の不作為に対する怒りと相まって、ゲリラデモを行うようになってきました。その中で警察は一晩で数百発の催涙弾を、そこが住宅地であろうが地下鉄駅そばであろうが撃ち込むようになっています。

11日には10ヶ所近くでデモが頻発した結果、デモ隊に扮した警官が抗議者や通行人、そばで撮影していた人らを暴力的に拘束。繁華街では、警察のビーンバック弾がデモ参加者の女性の顔を直撃、右目失明という報道もあります。

この事件はかなり大きな衝撃を市民に与えており、警察暴力批判が高調。その結果、中国メディアは「彼女は仲間にやられた。警察にその罪をなすりつけている」と報道していますが、現場に残された彼女のアイマスクにはビーンバック弾がしっかりと挟まっていて、これが警察によるものであることを否定する証拠はありません。

12日にデモ隊が空港に集まったのは、こうした暴力的な取り締まりの結果、「空港ならば抗議活動をしても、警察は無茶な暴力を振るわないだろう」という判断があったようです。空港で取材していたある海外メディア記者の話では、「7時に警察が排除にやってくるという情報が流れて、9割方デモ隊が減った。その後、排除がなかったので皆が戻ってきた」ということでした。

彼の話によると、デモ隊は当初固まって座ってシュプレヒコールを上げるだけで、全便がキャンセルになってから「動き回る形での抗議」が行われたそうです。その間チェックインカウンター周囲にはデモ隊は近づいていなかったとのこと。こうした状況を兼ね合わせて考えると、この空港デモが、非暴力な抗議を続けたいと思う人たちの集まりだったことは明らかです。


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