【ぶんぶくちゃいな】ネット用語で読む、2021年の「中国と世界」

12月も中旬に近づくと、日本ではじわじわと「師走感」が漂い始めた。昔(わたしが香港に行く前くらいだから、昭和のお話)は12月に入るとすぐにそういうムードだったのに比べると、昨今はゆとりというか、余裕がある感じだ。

それはたぶん、正月に向けた準備が昔に比べてずっと軽減されたせいではないか。おせちもすっかり「買ってくる」という選択肢が普及して作らなくなった、あるいはイチからすべて作らない家庭も増えたし、お歳暮の習慣も以前ほど濃厚ではない。里帰りするにしても、新型コロナという一風変わった状況下にあるものの、以前ほどあれやこれやを詰め込んでえっさかほいさか帰っていく、という感じもなくなった。日本全国デリバリーやオンラインショッピングが普及した結果、やはり人々の生活はかなり身軽になったのだろう。

だいたい、中国だと「師走」は1月ですからねー、というのはいつも書いてきたけど、最近ニュースチェックをしていて思うのは、少なくともネット上での1年というスケジュールは、プライベートな感情を除けば、ほぼ12月が「1年の締めくくり」でまとまっててきたと感じている。10年一昔、やっぱりネットがすでに社会全体のリズムを生んでるんだなぁ、と感じる。一方で、春節前の1月にメディアに掲載される「昨年1年間を振り返る」みたいな特集なんかは、日本のようにまだ1年が終わらない12月のうちにやるよりもまとまりがよい気がして、好ましかったのだけれども。

ということで、中国でもすでに「年末」。ということで、12月6日には「今年話題になった十大ネット用語」なるものが発表された。「一つの文字、一つの言葉が2021年の中国と世界を描く」という副題がついているので、中国と世界がどんなふうに描写されているのか読んでみたい。

●トップはもちろん中国共産党


ここから先は

6,934字

¥ 300

このアカウントは、完全フリーランスのライターが運営しています。もし記事が少しでも参考になった、あるいは気に入っていただけたら、下の「サポートをする」から少しだけでもサポートをいただけますと励みになります。サポートはできなくてもSNSでシェアしていただけると嬉しいです。