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【ぶんぶくちゃいな】繰り返される「記憶」:文革、そして庶民の不審死

中国の社会ニュースはなんともいえない重苦しいものが続いている。今週メディアが取り上げたトップニュースはなんといっても5月16日が、1966年に発動された文化大革命(文革)から50年目にあたる記念日だったことだろう。

だが、毛沢東による権力闘争として知られるこの歴史的事件も、まだすべてを掘り起こして語り尽くすことができるムードにないことは、中国メディアが「さらり」とそれに触れていることでも明らかだ。

5月初めには習近平が突然、「知識分子(知識人)たちの批判を寛容に捉えるべきだ」と発言したことがニュースになった。今年2月にはその習が新華社、人民日報、中央電視台という3大国営(プロパガンダ)メディアの本部を訪れて、「メディアの“姓”は党である」と述べて大きなニュースになったばかりで、決して真意とは受け取れない。

だが、今月初めの習の発言とほぼ同じ頃に「ウォール・ストリート・ジャーナル」が伝えたところによると、一部経済アナリストが政府の金融管理当局筋から「政府の肯定的な経済予測に反するような論評をしてはならない」と口頭で警告を受けたという。

そうして迎えた文革50週年。前述したようにこれを「節目」と呼べるほどの姿勢を政府が打ち出していないために、その取扱いは「要注意」のまま。

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