国が戦争をする理由

■戦争は悪なのか
戦争は悪だと断定する人がいる。全ての戦争を否定する人がいる。この様な人たちは戦争の原因や戦争目的を理解しない。これでは感情論と善悪論だけだから、全ての戦争を否定することで外国にケンカを売りつけている。

■国家の戦争目的
国家の戦争目的は複数有る。

国家の戦争目的
A:主権を護る
B:覇権を争う
C:利権を争う
D:主義・宗教を争う
E:国内権力を争う
F:植民地争奪
G:略奪

人類の戦争では植民地争奪目的と略奪目的の戦争は消えた。だが他の戦争目的は現在も進行中。革命戦争や独立戦争は主義や国内権力を争う戦争。全ての戦争を否定すれば、革命戦争や独立戦争をした国を否定する。

フランス革命・ロシア革命・アメリカ独立戦争などを否定すれば、これらの国にケンカを売る行為。これ以外も独立戦争をした国もある。その様な国の独立戦争を否定すれば、彼らの人権を否定することに気付くべきだ。

■国家は人権の源
国民は生まれながらに人権を持っていない。人間は一人では生きてはいけないから、集団になって生活する。集団は共同体を作り、共同体に所属する者を保護する。共同体に所属する者は共同体を守り次の世代に伝える義務を持つ。これが義務と権利の関係。

国家が国民に人権を与えるから、国家が消滅すれば国民は無人権になる。国家は国民を無人権にしないために戦争する。これが国家の戦争目的。

国内戦争は人権の源である国家主権を奪い合う戦争。もしくは国内に新たな人権の源を認めさせる戦争になる。独立戦争は新たに人権の源を認めさせる戦争だから、戦争を否定すれば人権を否定することになる。だから全ての戦争を否定しては駄目なのです。

■戦争を善悪論で見るな
戦争は悪だからしてはならないと言う者がいる。ですが戦争を善悪で見るのは大間違い。何故なら善悪論は国内用であり国外は強弱論の世界。

国内:秩序の中の無秩序を警察が担当する。 →治安維持(善悪論)→ハッピーバランス
国外:無秩序の世界に軍隊が秩序をもたらす。→勝利(強弱論)  →パワーバランス

善悪論は治安を乱す犯罪者と治安を維持する警察の関係です。国外では勝ち負けの強弱論だから戦争も政治。戦争は外交の延長として行われるから、戦争も外交の一つなのです。

国家間の戦争には加害者と被害者は存在しません。日本国内では戦争に負けた日本は加害国とする者が多い。ですがこれは間違った認識です。

■犯罪と戦争の殺人の違い
軍人・警察官・犯罪者の殺人は物理的には同じ。ですが目的論と機能論で殺人の意味が異なります。

目的による区分
犯罪者  :私的な殺人
軍人・警官:公的な殺人

機能による区分
犯罪者:共同体を破壊する
警官 :共同体を破壊する内部の敵から共同体を守る
軍人 :共同体を破壊する外部の敵から共同体を守る

結論
犯罪者による私的殺人行為
 社会を破壊して人間と人権を奪う行為(利己的)だから不当。
軍人・警官による公的殺人行為
 共同体で生きる人間の生命と人権を救う行為(利他的)だから正当。

社会とは制限の範囲内の自由を選んだ人間同士の共同体。この社会を破壊する犯罪者は悪。社会を破壊する犯罪者を警官が殺しても正当。

軍人も警官も社会を守る役目を持ち、社会に危害が加えられなければ殺人行為は行わない。だから軍人と警官は最初から目的が限定され行動も限定されている。戦争を犯罪と見なし、軍人を犯罪者と見なすことは間違い。

■自衛権とは生存権
自衛権とは国家の生存権。国家の独立を守るために自衛権を発動します。自衛権は国民の自然権を総和とした生存権です。国家は国民を無人権にしないために軍隊を用いて戦争をするのです。

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