アメリカは強国ではなくなった

■決断できないトランプ大統領
 6月17日になった。この段階でトランプ大統領イラン空爆を決断していない。つまりトランプ大統領は世界のリーダーでは無いことを意味している。強国は決断で世界を導く。だから世界のリーダー。

 トランプ大統領は世界の同意を求めることを撰んだ。これは多数決を選ぶ議長。トランプ大統領はアメリカを世界のリーダーから議長に落とした。地位低下である。

■覇権を失うアメリカ
 強国は軍隊を投入して覇権の拡大・維持を行う。弱国が強国を恐れる理由は、強国が軍隊を投入して関与するから。軍隊を投入されたら敗北する。だから強国の言葉に従う。これは覇権。

 だが軍隊を投入しないアメリカは怖くない。騒ぐだけの国に成り下がり、外交交渉など軽視される。国際社会では軍事を背景にした外交が基本。だから軍事を背景にしないアメリカの外交は無価値になる。

国家戦略=外交×軍事

インド、米国の一部製品に対する関税引き上げへ 報道
https://www.afpbb.com/articles/-/3230214?cx_part=latest

 インドはアメリカを恐れなくなった。アメリカの要求を拒みアメリカへ関税引き上げで対抗している。つまりインドとアメリカは対等になった。これはアメリカの覇権が低下した証。トランプ大統領はアメリカを強国から普通の国に格下げした。この罪は重い。

 次の大統領はトランプ大統領の尻ぬぐいをする立場。次の大統領がアメリカの覇権を取り戻すのは容易ではない。何度も軍隊を投入して国民の生命を捧げて地位を回復するしか無い。

■サウジアラビアの忍耐
 国際社会には抜け穴が有り、テロ・ゲリラを用いた間接的な戦争が使われている。さらに義勇兵を用いた間接的な戦争も多い。戦前のアメリカは中国に義勇兵フライング・タイガースを派遣して日本と戦争した。

 軍隊を用いた戦争は直接的な戦争。これは今の平和を否定するので国際社会は否定する。だが義勇兵を用いた間接的な戦争ならば国際社会は黙認する。これが国際社会の現実。

 イランの革命防衛隊は宗教組織の私兵。だから国際社会では義勇兵扱い。イランは革命防衛隊を用いてアメリカ・サウジアラビアなどと間接的な戦争をしている。イランは革命防衛隊を用いてイエメンのフーシ派を支援。フーシ派は何度もサウジアラビアを攻撃している。

サウジアラビア、空港狙ったイエメン武装組織の無人機を迎撃
https://www.afpbb.com/articles/-/3230222?cx_part=top_latest

 サウジアラビアはイランと間接的な戦争をしている。だがサウジアラビアにも選択肢が有る。それはイラン本土の革命防衛隊を空爆すること。正規軍の越境攻撃でも、ミサイル・砲撃は間接的な戦争として区分される。だからサウジアラビア空軍がイランの革命防衛隊を攻撃しても間接的な戦争になる。

 イスラエル空軍がシリアの革命防衛隊を攻撃しているので、サウジアラビアも同じ手段でイランに挑む可能性が高まった。何故ならトランプ大統領が決断しないからだ。

サウジ皇太子、オマーン湾タンカー攻撃で初めて公に発言 イランを非難
https://www.afpbb.com/articles/-/3230202?cx_part=top_category&cx_position=3

■サウジアラビアの選択
 サウジアラビア周辺でイランの関与を疑う間接的な戦争が継続している。サウジアラビアはイエメンを中心に対応してきた。これでは解決しないので、テロの源であるイランを攻撃したいのだ。

 タンカー2隻がオマーン湾で攻撃された。犯人は不明だが、サウジアラビアを攻撃しているのはフーシ派なのは明らか。これはフーシ派が自ら宣伝しているので、イランを空爆する口実になる。

 フーシ派とイランの関係は直接的な証拠は無い。だが状況証拠は有る世界。これまでは我慢しているのは、アメリカがサウジアラビアによるイラン空爆を認めないからだ。これまではアメリカに制限されたが、トランプ大統領が決断しないので我慢の忍耐を超えると思われる。

 トランプ大統領が決断しないならアメリカは強国ではない。ならばサウジアラビアは単独でイラン空爆を実行しても不思議ではないのだ。

■サウジアラビアがイラン空爆を実行したら
 サウジアラビアがイラン空爆を実行すれば、中国の一帯一路は霧散。何故ならイランは一帯一路の陸路と海路が合流する中継地点。サウジアラビアがイラン空爆を行うことで、中国の一帯一路を潰すことになる。

 そうなれば習近平主席の立場は悪くなり、ライバル派閥から地位を奪われるだろう。さらに米中貿易戦争の責任を問われて失脚。その結果、トランプ大統領は米中貿易戦争の勝利者になる。

 トランプ大統領は漁夫の利を得て大喜び。だがこのシナリオが現実化すれば、アメリカは強国ではない。サウジアラビアはトランプ大統領の発言など無視するはずだ。これは他の国も同じ。

■日本の選択
 サウジアラビアが単独でイラン空爆を実行すれば、日米安全保障条約など無価値。アメリカが強国ではないし軍隊も投入しない。そうなれば日本には無価値になる。日本はアメリカ抜きでもホルムズ海峡の防衛に自衛隊を派遣しなければならない。

 何故ならホルムズ海峡は日本の石油輸入を90%依存するホルムズ海峡は日本の生命線。だからアメリカが動かないなら、日本単独でホルムズ海峡防衛に動かなければならない。

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