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中国共産党が台湾を占領したらどうなるのか?

■狙われる台湾
 中国共産党が太平洋に進出するには台湾と沖縄が障害になっている。だが容易には台湾軍と沖縄を占領できないでいる。台湾と沖縄を軍事的に占領したいが沖縄には在日米軍が駐留しているので不可能。台湾占領の前哨戦として1949年に金門戦役が発生したが敗北。

 これ以後の中国共産党は軍事的圧力を加えるが、実際に上陸作戦を行うことはなかった。だが中国共産党は台湾と沖縄占領を諦めておらず、政治・経済の分野で親中派を増やす工作活動を行っている。これは選挙を悪用した占領を狙っていると思われる。

■台湾の価値と中国共産党の悩み
 中国共産党が台湾を狙うには理由が有る。台湾は東シナ海と南シナ海を繋ぐ位置に存在するので、人民解放軍海軍が南シナ海に進出するには必ず必要。だから台湾が武力を用いれば、人民解放軍海軍の南シナ海への海路を遮断できる。これは中国共産党には悪夢。

 人民解放軍が太平洋に進出する場合は、台湾と沖縄の軍事力が壁となる。人民解放軍空軍が爆撃機と戦闘攻撃機を用いてグアム攻撃を行うとしても、必ず台湾と沖縄の戦闘機隊が往復時に迎撃する。

 致命的な問題は燃料。これは42.195kmを走りながら、途中でワンラウンド3分のボクシングを3回行う様なもの。走るだけでも体力を消耗するのに、ボクシングを3回行うなら体力は途中で尽きる。中国共産党はこの悩みが有るから、台湾と沖縄を執拗に狙っている。

■台湾占領は容易ではない
 海を渡り島に上陸して占領することは難しい。第一の問題は、敵軍の戦闘機隊から制空権を奪う戦闘と、敵の海軍から制海権を奪う戦闘で勝利しなければ成功しない。過去の戦争史では制空権の獲得に半年から一年必要で、次に制海権の獲得に半年から一年必要になる。

このため第二の問題は食料・医薬品・武器・燃料・弾薬などの補給。補給を最大二年間維持できるから海を渡り上陸作戦を行える。

 さらに中国共産党が台湾で上陸作戦を実行するなら、2万人規模(師団)の陸戦隊は一日で2000トン物資を消費、さらに空軍機が陸戦隊を対地攻撃で支援すると、一日で4000トン消費する。台湾上陸作戦で10万人投入すると仮定すれば、一日の消費は30000トンを超える。

中国本土から台湾に上陸する戦例に近いのは、方向が異なるだけのノルマンディー上陸作戦(1944)。連合軍は15万人以上の将兵を3000隻の船団で上陸させ、上陸前に連合軍は爆撃機を用いて約1万トンの爆弾を投下した。だが上陸作戦は作戦失敗の寸前まで追い詰められている。理由は大半のドイツ軍は無傷だったこと。

砲撃・爆撃の見た目は派手だが敵軍を撃破することは難しい。何故なら地下陣地に避難すると爆発の衝撃が土に吸収されてしまう。砲兵隊が3日間で40万発の砲弾を撃ち込んでも敵軍の死者は4人程。

ノルマンディー上陸作戦時のドイツ軍も同じだった。地下陣地に守られたドイツ軍守備隊は連合軍爆撃機の爆撃を受けても無傷だった。だがヒットラーが軍事作戦に介入したのでドイツ軍の増援が遅れ勝機を失った。それに対して連合軍は、作戦開始8時間後から海岸から内陸に向けて強引に前進開始。これで作戦成功に繋がった。

中国共産党が台湾に上陸するならば、地下陣地に籠もる台湾陸軍10万人を相手にすることになる。つまり中国共産党は、10万人以上の将兵を同時に上陸させなければならない。何故なら分散して上陸させると台湾軍に各個撃破されてしまう。実現させるには3000隻前後の船団が必要で、これを実現させることはアメリカ軍以外には難しい。

仮に中国共産党が台湾を占領するなら、二年近くの前哨戦を台湾軍・アメリカ軍と行う必要が有る。さらに上陸作戦を行うから、軍事力で台湾を占領することは不可能に近い。

だから中国共産党は、政治・経済で台湾の親中派を増やす工作活動を行っている。台湾の親中派が増えた場合は、選挙を悪用した一国二制度が採用される。その結果台湾に人民解放軍が駐留し、中国共産党の悩みが半分消えることを意味する。残りの半分は沖縄を占領することで消える。

■台湾を失った時の日本とアメリカの苦しみ
 仮に中国共産党が台湾を占領すると、沖縄を占領する挑戦権を得ることを意味する。何故なら戦争史では海戦は島伝いに行うのが基本であり、95%の確率で島の付近で海戦が発生している。理由は補給の維持。このため中国→台湾→沖縄→九州の順番に占領する流れになる。

 日本とアメリカは台湾を失うと経済面で苦しむことになる。理由は台湾が東シナ海と南シナ海を繋ぐ位置に在る。中国共産党が台湾から軍事力を用いて海上交通路を遮断すると、日本とアメリカはフィリピン南部の海を迂回路としてインド洋・ペルシャ湾に向かうことになる。だが迂回路を使えば3日間加算され、輸送費が増加して経済的負担を強いられる。

 これは交差点で事故が発生したようなもの。迂回することはできるが、毎月の交通費が1万円だった。だが迂回路を使うことで毎月の交通費が1万5千円に増加するようなもの。交通費が余分に必要になると家計の負担になる。

■策略に備えよ
 中国共産党が軍事力で台湾を占領することは難しい。だが親中派を増やすことは可能。親中派が多数派になり選挙を行えば、台湾の一国二制度が実現する。このため日本とアメリカが嫌中派を支援することは、中国共産党による台湾占領を阻止することになる。

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