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中国のビスマルク戦略

■アジア安全保障会議
 人類の戦争史から類似を紹介したい。人間は変化しているようで変化していない。変化しているのは技術だけで人間の考え方は不変。アジア安全保障会議は国家間の思惑が出ている。そして主張も過去の類似性が有る。何故なら人間は環境の奴隷であり、環境に適合した考え方をする。

 だから人間は何度も同じことを繰り返す。3000年の戦争史を見ると、人間とは変化しない。だから戦争史を見ると、今の状況と今後の推測が可能になる。

■ビスマルク戦略(ビスマルク外交)
 ビスマルク戦略とは、「軍備増強は外国に脅威を与えない」と誤魔化す戦略。

1862年:ビスマルク
「鉄(大砲)と血(兵士)がなければ、ドイツ連邦の融和はない」

 プロイセン(ウイルヘルム一世)の首相兼外相になり軍備を強化した。周辺諸国のデンマーク・オーストリア・フランスは、プロイセンの軍備増強に脅威を感じて反発する。

ビスマルク:「プロイセンの軍備増強はドイツ連邦の安全のため」

 その後のプロイセンは、2年後からデンマーク・オーストリア・フランスと戦争して勝利した。この戦争の勝利から、ドイツ連邦をドイツ帝国(初代皇帝ウイルヘルム一世)に変更する。連邦とは複数の国の集合体。プロイセンは戦争の勝利を道具とし、連邦から一つの国に変えた。

出典 松村 劭 (陸将補 故人)

■中国の自衛たのめ
 中国の急速な軍備拡張は周辺諸国に脅威を与えている。中国の軍事力が急速に拡大したことで、周辺諸国とのパワーバランスが崩れている。しかも中国の覇権は南シナ海・インド洋まで拡大。これが周辺諸国に脅威となった。

 だが中国は、「軍備拡張は中国の安全のため」と主張。これはビスマルク戦略と同じ。中国は反論しても、過去の類似性から戦争が見えている。中国は以前からビスマルク戦略を実行しているから戦争前夜の状態だ。つまり間接的に第三次世界大戦は始まっている。

■遅い対応
 アメリカも中国のビスマルク戦略を知っていた。だが対応が遅れた。トランプ大統領になると中国に対応するようになった程度で、中国との戦争で勝てるとしても容易ではない。中国は急速に軍備拡張したが基地ネットワークは完成していない。これは致命的で、アメリカ軍は中国の弱点を突くだろう。

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