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アメリカを衰退させるトランプ大統領

■革命防衛隊が撃墜
 イランの革命防衛隊がアメリカ軍の無人偵察機グローバルホークを撃墜した。革命防衛隊はグローバルホークの撃墜を宣言したが、トランプ大統領は革命防衛隊による誤射だと公言。これでトランプ大統領は、世界にアメリカの衰退を宣伝したことになる。

■誤射ではない
 トランプ大統領は革命防衛隊による誤射だと公言した。だが革命防衛隊は意図的に攻撃している。革命防衛隊は目標を探知し、捕捉して攻撃した。革命防衛隊は目標の位置・方向・速度を把握し、地対空ミサイルでグローバルホークを撃墜している。

 革命防衛隊から見れば所属不明の機体。敵味方識別装置にも反応しないなら敵だと認識する。敵と判断された機体の位置を把握し、撃墜する明確な意思を持ち、地対空ミサイルを発射した。だから誤射ではない。

 実際に革命防衛隊は無人偵察機グローバルホークの撃墜を宣言している。これが革命防衛隊による誤射ならば公で宣伝などしない。アメリカとの対立を回避し、「誤射」だと宣言する。そうでなければ無用な緊張を高めてしまう。

 だが革命防衛隊は自らグローバルホークの撃墜を宣言。これは誤射ではなく意図的な撃墜だと示している。だがトランプ大統領は革命防衛隊による誤射だと公言。これでアメリカの地位は低下した。何故なら強いアメリカではなく弱いアメリカをトランプ大統領が宣言したからだ。

■衰退
 国際社会では軍事を背景にした外交が基本。だが軍事を背景に強気になるのが指導者の使命(ミッション)。これは任務(タスク)ではない。使命は命令されなくても実行するが、任務は命令されて実行する。この違いが有る。

国家戦略=外交×軍事

 大統領の地位はアメリカの最高権力。だから命令できる者はいない。トランプ大統領は軍事を背景にイランに対して外交を行うのが使命。次に経済制裁・増援・攻撃などの決断は任務になる。

 だがトランプ大統領はイランの立場を優先する。これは明らかにアメリカの地位を低下させた。トランプ大統領は使命を放棄してアメリカの地位を低下させたのだ。これでイラン・ロシア・中国・北朝鮮などは強気外交でトランプ大統領に挑むはずだ。軍事投入しないアメリカは怖くない。

■使命と任務
 使命と任務を知っておくことは有益。何故なら全体像から見ることが出来て、指導者が正しい方向性を持っているか判断できる。軍隊の使命(Mission)は国家・国民の防衛。しかし、特定の任務(Task)を与えられた時には任務の達成を優先する。

軍人の使命と任務
使命:国家・国民の防衛
任務:敵軍の撃破

 トランプ大統領は大統領の使命を理解していない。もしくは知らないのだ。だからイラン空爆10分前で攻撃撤回する。これではアメリカ大統領は務まらない。これはアメリカを衰退させる方向に導いている。

■トランプ大統領は放棄
 トランプ大統領は政治家の目的を知らない様で、国際社会の平和の維持・構築を放棄している。これは明らかに国際社会のパワーバランスが崩れる証。

政治家の目的:新たな平和の構築
軍人の目的 :敵軍撃破の追求

 国際社会では軍事を背景に外交を行うのが基本。継続的に軍事投入するから覇権を維持・拡大できる。だが軍事投入しないことは覇権の放棄・縮小を意味する。トランプ大統領はグローバルホーク撃墜を革命防衛隊による誤射だと発言。これでアメリカの覇権は縮小した。

 中東におけるアメリカの外交としての覇権は縮小した。今はアメリカ軍が駐留しているから辛うじて覇権は存在。だが中東に駐留するアメリカ軍は、これから小さな攻撃を継続的に受けることになる。

 現地の国と武装組織はトランプ大統領の性格を見抜いたはず。だから大規模場攻撃には反応するが、小さな攻撃ならば黙認する。だから武装組織は、これから中東に駐留するアメリカ軍に対して小さな攻撃を繰り返す。

■イランの今後
 革命防衛隊がアメリカ軍の無人偵察機を撃墜してもトランプ大統領は誤射だと公言。これでトランプ大統領は、イラン攻撃を決断出来ないことは明らか。ならばイランは、今後安心してアメリカ軍の無人偵察機を撃墜可能。端的に言えば、アメリカ兵が死なないならトランプ大統領は黙認する。

 アメリカ軍基地への攻撃は小規模ならばトランプ大統領は黙認する。しかもアメリカ兵が死ななければ黙認する。そうなると戦力に劣るイランでも楽に戦えるのだ。施設だけを攻撃すれば良いのだから、精密誘導弾を用いて施設だけを攻撃すれば良いことになる。

もしくは大口径対物ライフルを用いた遠距離射撃による施設攻撃。12.7ミリから25ミリの大口径対物ライフルを用いれば、2000m先から施設だけを攻撃できる。この様な小さな攻撃を施設限定で行えば、イラン攻撃を阻止しながらアメリカ軍を攻撃できる。アメリカ兵が死ななければ良いのだから。

■サウジアラビア次第
 サウジアラビアはダークホースになった。サウジアラビア単独でイラン攻撃を行えば、中東のパワーバランスは一気に変化する。同時にアメリカの覇権は中東から消され、アメリカの地位低下は明確になる。

 そうなると海上交通路を護るのはアメリカではない。アメリカが海上交通路を護らないのだから、日本はイギリスと共同して海上交通路の防衛に行うことになる。問題は日本の政治家が国際社会を理解し対応できるかだ。

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