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J1第11節 vs札幌 『バズ・ライトイヤーの輝き』

こんにちは。わらびです

リーグ2連敗、公式戦3連敗で第11節を迎えた松本山雅。今節はホームにコンサドーレ札幌を迎えました。

久し振りのミラーゲーム。かなり見応えのある試合だったかなと思います。それではどうぞ。

基本システム

ホームの松本。守田達弥、レアンドロペレイラがスタメン復帰。杉本太郎がリーグ戦初先発となった。

今季加入した杉本太郎。ここまでのリーグ戦では、攻撃に変化を加える交代カードとして起用されてきた。今節は遂にファン待望の先発起用。存在感を示せるか。


アウェイの札幌。前節からの変更は一点。ミッドウィークのルヴァン杯でもも裏に違和感を感じたチャナティップが遠征に帯同せず。シャドーには早坂良太が入った。

鈴木武蔵がアルウィン凱旋。たった半年の在籍ではあったが、ファン感でサポの心を鷲掴みにしたのは記憶に新しい。その他の記憶が薄いのは残念であるが、札幌での更なる飛躍を心の底から応援している。目指せ代表定着。

札幌のボール保持

第7節で湘南とやって以来のミラーゲーム。まずは札幌のボール保持から。

定番のボランチ落とし。落ちるのは深井のが多かったような気がする。松本3トップのプレスを回避したい狙いもあるだろうし、福森と進藤の「上がりたがりCB」を両脇に置いているだけにここは既定路線か。

特筆すべきはWBの位置取り。高い。とにかく高い。

まるでビハインドで迎えた後半40分かのようなWBの高い位置。これでいて2シャドーもさほど落ちてこない。まさに5トップ。


札幌のこのボール保持の形。実は松本にとってやりやすかったのではないか。

前述のようにWBが高い位置を取り、CB両脇(福森と進藤)がサイドに開いて受ける札幌。当然のようにボランチが落ちるので、中盤はスッカスカである。本来ならばここにチャナティップ辺りが落ちてきてゲームを作り始めるのだが、彼は不在。中盤を全く使えなくなってしまった。

対する松本としては非常にシンプル。自分のマーカーだけを警戒する『スーパーマンマーク』。その極め付けはこちら。

中盤でボールを刈り取る仕事を失ったパウリーニョ。「自分のマーカーは後ろに落ちてるんだから、自分も上がってしまえ」と言わんばかりのポジショニング。

こうなると困るのは札幌。どこからも崩せないので、武蔵の高さもしくは裏のスペースを狙う単調な攻撃が増えてしまった。

松本のボール保持

いつも通り。本当にいつも通り。

札幌3トップのプレス強度があまり高くなかった事もあり、後ろは3枚で回すシーン多め。プレスを掛けてくれば、ボランチがそれなりにケアする。宮阪政樹のゲームメイクが印象的だったのは後ほど。

困ったら質で殴れ

この日の札幌はまさにこれだった。特に前半。システムの中で数的優位を作れないのならば、質的優位で殴り勝てばいい。


まず1つは、左サイドの『高橋諒vsルーカス・フェルナンデス』のマッチアップ。この対面は正直ルーカスに分があった。

ルーカス・フェルナンデスは今季加入の24歳ブラジリアン。本職は前のポジションらしく、ドリブル突破を武器としている。『Football-LAB』の「ドリブルCBP(ドリブルでいかにチャンスメイク出来たかどうかの数値)」はリーグ3位。松本の高橋諒が22位でチームトップなので、かなり高い数値である事が判ると思う。

そんなルーカスのマッチアップするのは高橋諒。ここまでフルタイム出場を続ける彼は、どちらかと言えば攻撃に特徴のある選手。守備が苦手、とは言わないが得意ではない。

そんなわけでルーカスに分があったこのマッチアップ。後半に入るとより一層ここからチャンスメイクされていたので、後半途中にルーカスが中にポジションチェンジしたのは正直ありがたかった。


もう1つは簡単。福森晃斗によってもたらされる異次元のキック。これはセットプレーでも流れの中でも。

相変わらず意味のわからないキック精度である。近距離の直接FKを沈める能力は今のJリーグでナンバーワンだと個人的に思うし、合わせるボールの上手さもトップクラス。エグい。ただただエグい。


質的優位で殴りかかってきた札幌。ただ、ここでも痛かったのはチャナ、A・ロペスの不在だろうか。結果として中々上手くいかなかったのは、シンプルな質的優位不足が要因だったのかもしれない。

『バズ・ライトイヤー』の輝き

バズ。バズ。バズ。

今の松本の中心は「バズ」こと宮阪政樹である。そう断言出来る。

16年に加入し、2年間プレー。一定の存在感は示したものの、絶対的な存在にはなれず。昨季は大分への期限付き移籍となった。

今季はレンタルバック。期待値は決して高くなかった。いや、正直に言えば低かった。『補強評価シリーズ《ボランチ編》』ではほぼ扱われず。記事アップ時点ではインアウトの一覧表にすら入れそびれていたのはここだけの話。バズごめん。

そんなバズが魅せている。その右足で。

今季変わったのが機動力。とにかく動けるようになった。しかも圧倒的に。

最終ライン近くでも、オフェンシブサードでも、攻撃にリズムを作るプレーが出来る。それも継続して。正確性も流石。前より動き球のキック精度も上がったような。チームの『心臓』として機能している。

パウロとの2ボランチは絶対的なものになりつつあると感じる。ここ数シーズン続いたシーズン途中での失速もせず、最後まで走り切れるか。松本の心臓・宮阪政樹に期待したい。

杉本太郎がカシマへ

リーグ戦初スタメンとなった杉本太郎。かなり良かったのではないか。

彼の特徴は狭いエリアで輝きを放つボールタッチと、溢れ出すサッカーセンス。大然と中美の2人には見られない持ち味である。その持ち味は遺憾無く発揮してくれた気がする。

22分のシュートシーンなんか彼らしさの塊。パウロとのワンツーで簡単にバイタルに侵入すると、絶妙なボディフェイントでキムミンテを外してシュート。シュートはソンユンに阻まれたが、彼の良さ溢れるプレーだった。

そんな杉本。次節は古巣戦となる。カシマに乗り込んでのアウェイゲーム。懸ける思いは大きいに違いない。「連れて行くかどうかはわかりませんが」なんて反町節全開のコメントも見られたが、あのパフォーマンスを見るに2戦連続の先発となる可能性も高そうだ。カシマでの恩返し弾、リーグ戦加入後初ゴールに期待せずにはいられない。

前田大然さんにも期待したい話

いやぁ。大然さん。頼みますよ。

スコアレスで迎えた79分。中盤の小競り合いに勝った中美から出てきた完璧なボール。後は決めるだけ。彼の右足から放たれたシュートはソンユンの手の中に。

なんというか。ここを外すのも含めて『前田大然』みたいな。いや決めて欲しいですが。余裕があればあるほど苦手なタイプ。多分。

1番悔しいのは彼自身。これは間違いない。彼は必ず取り返してくれる。それが次なのかもっと先なのかは誰にもわからないが、彼なら必ずやってくれる。サポに出来るのは信じるのみ。

雑感

勝ちたかったですね。これでリーグ3戦勝ち無しです。この3試合得点が無いのも気になります。

内容はミッドウィークのルヴァン辺りから良い変化を見せています。もう少しです。結果に繋がるとまた雰囲気も良くなると思いますけどね。

次節はカシマに乗り込んでのアウェイゲームです。アウェイだろうと勝ち点3を狙う戦いに期待しましょう。太郎でも中美でも大然でも誰でもいいから点獲って...。

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今回は以上です。いかがでしたでしょうか。

ここで一つお知らせ。次節、鹿島戦のレビューはお休みさせていただきます。来週は定期考査なんですよね....。申し訳ないです。

その分、ルヴァン第6節なんかレビュー出来たら良いなと。公式戦デビューになる選手、久し振りに見れる選手もいそうですし。まぁまだ「書きたいなぁ」ぐらいですが。

それでは今回はこの辺で。最後までお読みいただきありがとうございました。


《データ参照元》

「soccerD.B.」( https://soccer-db.net )

「Football-LAB」( http://www.football-lab.jp )


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