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J1第16節 vs横浜FM マッチレビュー 「目指すべき道とは」

こんにちは。わらびです。

約1ヶ月振りのマッチレビューとなりました。2試合ほどお休みしてしまった事をお詫びします。また頑張ります。

さて、折り返しを目前に控えた第16節。松本山雅はアウェイで横浜Fマリノスと対戦しました。結果以上に面白い、レビューの書き甲斐のある内容でしたね。いつのまにか16位まで沈んでしまった順位表からは目を背けて、楽しくポジティブに振り返りましょう。

基本システム

今季初めてシステムを変更した松本。藤田息吹を3ボランチの真ん中に据えた3-5-2。システム変更の意図については後ほどじっくり。

2トップの一角には山本大貴が今季初先発。昨季終了後の負傷で長期離脱。想定より早く復帰してきた印象だ。最後の仕事に難ありでサポーターからの評価も厳しいものが多いが、まだまだやれるはず。個人的には好きな選手。4年振りのJ1で爪痕を残したい。


今季ホーム無敗のマリノス。コパで三好を、前節の退場によるサスペンションでマルコスジュニオールを欠く中で、こんな並びになった。中盤が逆三角形の4-3-3。喜田拓也の前に天野純と山田康太が入る。

マリノスのここまでのリーグ戦での得点数はリーグトップの26。攻撃のキーマン・マルコスを欠くこの試合、誰がその役割を担うのかは注目ポイントであった。

対マリノス秘密兵器「3ボランチで蓋を」

いきなり本題に。反町康治流マリノス対策とは。

まずはマリノスのスタイルを確認したい。シティグループの一員となって早5年。昨季就任したアンジェ・ポステコグルーの下、攻撃的なスタイルで今季躍進している。

特筆すべきはSBの振る舞い。ペップ・グアルディオラがバイエルン時代に作り出した、『偽SB』として機能する。この試合では和田拓也とティーラトンだ。彼らが流動的に組み立てに参加し、時にボランチ・IHのように振る舞うことで、相手の守備基準をズラす。

さてこんなマリノス。この日は喜田拓也をアンカーとして置くシステムということもあり、アンカー脇を使うSBは抑えるべきポイントとなる。誰が抑えるのか。ここをはっきりさせるべく、3ボランチというシステムが採られたと筆者は考察した。

マリノスのボール保持

ここまでを踏まえて、マリノスのボール保持の形を見ていく。まぁ見ていくと言っても、明確な形が無いのが彼らの強みではあるが。

基本的な形はこちら。中に絞る、いわゆる「偽SB」的な振る舞いは、ティーラトンより和田拓也の方が多かった。気がする。

ここでキーになるのは松本の3ボランチ。「天野・山田・喜田に対してガッツリ」ではない。左右のボランチ・バズとパウロに課せられた仕事は、『ボールサイドのSB封じ』だ。

ボールサイドのボランチがSBに蓋をして、残りの2枚が中央にスライドする。喜田に関しては放置、もしくは2トップのタスクに含まれていたのかもしれない。ここのプレスバックで頑張れるのが山本大貴という男。まぁもっとやって欲しいが。


続いて後方での駆け引きに注目したい。この日の最終ラインは5枚でキッチリ引いている時間が長かった。

ある程度押し込めるとIHが高い位置を取るマリノス。IHのマークはボランチの役割だったが、押し込まれれば話は変わる。ボランチから左右CBへとマークが受け渡される。

こうなると『松本5バックvsマリノス3トップ+2IH』のマンマーク。前線の個で局面を打開出来るのもマリノスの強みだと思っているが、この日はそこまで自由に出来なかったはずだ。これには松本バックラインの頑張りもあるし、マルコスジュニオール不在の影響も否めない。IHが2人とも高い位置を取るシーンが少なかったのも有り難かった。

ちなみに、この守り方で困るのはマリノスSBが大外に張り出すこと。ボランチが全部着いて行く訳にもいかないので、捨てる以外の選択肢が無かった。前半35分、和田拓也のシュートが僅かに枠の左に外れたシーンはまさにそれ。あれでやられたらお手上げ。と言うより和田拓也さん厄介過ぎません? 彼ほんとに途中加入ですか?

必然的に増えるカウンター

2トップである。ということは、前に2人居るということ。守→攻に切り替わった瞬間、カウンターに掛けられる人数がいつもより多いということになる。

押し込まれる時間の多い今季の松本。狙うべきはカウンターということになる。が、自陣からのロングカウンターがハマるシーンは少ない。パッと思い付くのはアウェイ名古屋での杉本太郎のゴールシーンぐらい。シャドーが守備に回る時間が長くなり、立ち位置が低くなることで、前にはCF1枚ということになる。カウンターが発動しないので更に押し込まれるという悪循環。

2トップなら話は変わってくる。まして、この日の2トップは永井龍と山本大貴。マリノス最終ラインの背後に広がる広大なスペースを生かすにはもってこいの2人である。

実際、良いカウンターになりかけたシーンもいくつかあった。なりかけではあったが。決め切る力の無さは相変わらずの課題だが、攻撃は水物。気長に待つべきである。そろそろ爆発してもらわないと困るが。

何故いつもの形ではダメだったのか

異常なまでの分析と対策を経て、相手に合わせたサッカーを展開することで知られる反町康治。だが、システムを変えてまで相手に合わせる試合は少ない。ように感じる。何故この試合では露骨なマリノス対策をとったのか。

監督コメントにヒントがあったので引用する。

反町監督「7対3もしくは8対2くらいで向こうがボールを持つなかで、我々としてはそれを引き込んでハーフコートでやるというようにはしたくなかった。」

いつも通りの5-2-3で守った状況をイメージしよう。SB封じのタスクはシャドーに課せられ、ズルズルとボランチ脇まで落ちてしまう。5-4-1の形になってしまう、今季何度も見せられた光景だ。監督の言葉を借りると、「ハーフコートでやる」ということになる。

それを嫌がってのシステム変更だったのではと筆者は考察する。だとすれば、このシステム変更は大成功だったといえるのではないか。前からある程度の圧力を掛けることで、マリノスに自由を与えず、カウンターの隙を伺い続ける事にも成功した。

だからこそあの失点が悔やまれる。何としても勝ち点を持ち帰りたいゲームだった。悔しい。

雑感

負けました。良い試合をしたからこそ、悔しさも大きいですね。

リーグ戦連敗。中々厳しい日々が続いています。前半戦も残り1試合です。最後こそ勝って折り返したいところ。

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以上です。今回は『反町康治流マリノス対策』に絞って書きました。ボリューム少なめ、内容も薄めで申し訳ないです。最後までお読みいただきありがとうございました。それでは。

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