甘々な姉と、ツンデレ妹との とある一日 後編
ひ:遊園地ついたー!
テーマパークではなく、本当の遊園地。
休みだからか、人は結構いる。
瞳:ラーメン奢り…ラーメン奢り…
え、そんなに食べたいの?
ひ:最初、なに乗る?
〇:まずチケットでしょ
ひ:そっか!じゃあ〇〇よろしく!
〇:はぁ!?ひかるが払うんじゃないの!?
そう言うと、ひかるは僕の手の中に、お金を渡してきた。
ひ: お願い!買ってきて!
〇:まあ、いいけど…
瞳:ラーメン奢り…ラーメン奢り…
渋々、一人で三人分のチケットを買いに行った。
ひ:瞳月!
瞳:はっ!え、あ、〇〇は?
ひ: チケット買いに行ったとこ!
瞳:あ、そうなんだ…
ひ:瞳月さ、
ひ:〇〇の事、恋愛的に好き?
・・・
チケット思いのほか、高かったな…
〇:お待たせ。
ひ:おかえり!じゃあ行こっか!
〇:うん、そうしよっか
歩こうと思った時、右手に手が触れた。
振り返ると、瞳月の手が触れていた。
〇:え、どうした…?
瞳:あ、その、離れたら危ないし…手繋ぎたいな・・・?
いつもに増して積極的…かわいい…
〇:う、うん。いいよ。
瞳:だめって言わせないけどね
〇:なんだよ。笑
瞳:へへっ。笑
ひ:ちゃんとやってるね。私も負けてらんない…!
・・・
ひ:やっぱ最初は、ジェットコースターだよね〜!
瞳:ほんとに嫌なんだけど…
瞳月は、絶叫系苦手だからなぁ…
〇:大丈夫、俺もいるし
瞳:むり、怖いって…
ひ:ふんふーん!楽しみだなー!
瞳:なんであんな元気なん…
たしかに、元気すぎるかもな。笑
瞳:あのさ、〇〇…?
〇:ん?
瞳:怖いから、もっと強く手握ってもいい・・・?///
やっば…上目遣いはチートすぎるって…
〇:うん、いいよ
瞳月の小さな手は、強く掴むだけじゃなくて
指を絡ませて、恋人繋ぎになっていた。
〇:え、これって…
瞳:うるさい・・・///
これ周りから見たらカップルに見えるのかな・・・?
瞳:ほんとに恥ずかしすぎるんだけど・・・///
・・・
瞳:もうむり!こわすぎやって!
ひ:楽しかったー!風が気持ちいいー!
いや、思ったより怖かったわ…
ひ:次なに乗るー?
瞳:ちょっと休憩…
〇:同じく、休憩で…
ひ:だめー!行くのー!
〇:また腕引っ張んなって!
ひかるは、なんで元気なんだよ…!
〇:瞳月も一緒に行こ!
瞳:むり…行ってきていいよ…
そのまま、ひかるに どこかに連れていかれてしまった。
・・・
ひ:次は、コーヒーカップ!
〇:あぁ、これならまぁいっか。
これなら瞳月も、できたかもだったな。
ひ:私たち、周りからどう見えてるんだろうね?
〇:どうって、そりゃあ
ひ:カップルだよね
…ん?え?
ひ:男女二人で、遊園地!デートじゃん!
〇:たしかに…?
ひ:私達、お似合いカップルだね?
お似合いカップル・・・ひかるが彼女・・・
〇:いや、カップルじゃないわ!
ひ:えぇ、いいじゃん!今だけは、カップルだよ?
〇:なわけ・・・姉弟だし・・・!
ひ:恥ずかしがらないのー!
ひ:私は、〇〇とならカップルに勘違いされてもいいよ?
〇:え、それって…
ひ:〇〇の彼女になりたい。って事。
え、それって、まさか告白・・・?
いや、そんなわけ!!
〇:ほら!コーヒーカップ空いたから!いこ!
ひ:照れてる〇〇かわいい・・・///
・・・
ひ:楽しかったー!
〇:いや、回しすぎやろ…視界が揺れとる…
普通の速さじゃなくて、もう、、なんか、、
とんでもなかった…
ひ:やっぱコーヒーカップ楽しいね!
え、なんでそんな元気なん!?
瞳:おつかれ、〇〇
〇:あぁ、瞳月。大丈夫なの?
瞳:うん。落ち着いた。
〇:ならよかった。笑
あのコーヒーカップなら、瞳月乗らなくて正解だったわ…
ひ:よし!次行こー!
まだまだ遊園地を満喫するのは始まったばっかだった。
・・・
次は、ひかると僕でゴーカートした。
ひ:〇〇アクセル踏んで!
〇:踏んでる!これが最大!
ひ:もっといけるよ!頑張って!
〇:無茶言うな!てか、ブレーキは!?
ひ:ブレーキ壊れた!止まらなーい!
〇:はぁ!?壊れた!?終わった…
ひ:うっそー!ブレーキ壊れてないよ!
〇:はぁ!?嘘つくな!
ひ:じゃあ、〇〇大好きー!!
え、今、大好きって…
〇:嘘つくなって⋯
ひ:嘘じゃないよ。ほんとに思ってる。
〇:え、それって… って!ちょブレーキ!
ひ:え!あっぶなっ!
瞳:あの2人、運転下手すぎやろ…
・・・
次は、瞳月とお化け屋敷に入った。
瞳:なぁ、むり…怖いって…
〇:ね、結構怖いわ…
瞳:すそ掴んでもいい・・・?
〇:う、うん。いいよ
瞳月との距離が一気に近くなってしまう。
やば、心がバクバク行ってる…
"ぎゃゃゃああ!"
〇:うわっ。びっくりした…
お化けタイミング考えろよ…心臓止まるって…!
瞳:いやぁぁ…怖すぎやろ…もう嫌や…
〇:リタイアする…?
瞳:ううん、、〇〇がいるなら大丈夫な気がする…
そう言われると、逆に緊張するな・・・
瞳:でも、その…
瞳:もっと近くがいいから、腕組んでもいい・・・?
暗闇で見えないけど、綺麗な瞳で僕を見つめている事は、わかった。
〇:うん、いいよ。
手を組みながら、肩が触れる距離感でゆっくり進んだ。
瞳:ねぇ、〇〇?
〇:ん?
瞳:大好きだよ。
"ぎゃぁぁ!!"
瞳:うわっ…!
〇:びっくりした…
まさか私の言葉、聞こえてない…?
〇:瞳月、なんか言いかけてなかった?
あ、やっぱり…そうだよね…
瞳:ばーか。って言った
〇:なんだそれ。
やっと素直に言えたのにな…
瞳:私は、こんなに好きなのにな・・・
お化けよりも、〇〇にドキドキしてしまい、きっと今顔が赤くなってる。
でも、暗闇だから、バレてないよね…?
・・・
最後は、観覧車に乗った。
〇:今日、楽しかったな。
ひ:ね。楽しかった!
瞳:たまには、いいかもね
瞳月が、珍しく素直だな。笑
ひ:あのさ、〇〇。
〇:ん?
ひ:私と瞳月、どっちが好き?
〇:え?いきなりどうした?笑
瞳:そういうのじゃなくて、本当に教えて?
笑いとかの空気じゃなくて、真剣な2人の目に、まだ空気感が読めなかった。
〇:ごめん、いきなりすぎて、、
ひ:まぁ、そうなるよね…
瞳:むりもないね…
ひ:私、〇〇が好き。家族じゃなくて、1人の男性として、好き。
〇: …冗談…?
ひ:ううん。本当。〇〇に恋してるの。
え、ちょっと待って…どういう…え…?
瞳:私も、〇〇が…す、好き…!ずっと…恋…してた…。
〇:え、珍しいね…瞳月が冗談言うの…笑
瞳:冗談じゃない!本気で…好き…なの…。!
もっと理解が、追いつかなかった。
ひ:実は、私達、〇〇がチケット買いに行ってる時に決めたの。
・・・
ひ:瞳月さ、〇〇の事、好き?
瞳: …えぇ!?え、そんな事…ないし・・・///
わかりやすぅ…笑
ひ:好きなんだね。笑
瞳:だから、違う!・・・事もない・・・けど・・・///
ひ:私は好きだよ。〇〇の事。
瞳:なっ・・・!?ふ、ふーん。そうなん…だ…。
え、どうしよ、まさかのライバルじゃん・・・
ひ:このままだと、私が〇〇奪っちゃうよ?笑
瞳:好き!〇〇の事本気で好き…!
ふふ。笑 やっぱりそうじゃん!
瞳:言っちゃった・・・///
ひ:ずっと知ってたよ。瞳月が〇〇に恋してるって。
瞳:うそ…なんで…?
ひ:それは…姉の勘かな?笑
瞳:なにそれ…笑
ひ:このままさ、お互い好きで関係悪化しても嫌だし
ひ:今日ではっきりさせよ!
瞳:まぁ、そうだね…でも、どうやって、?
ひ:案はある!その名も、
ひ:どっちが〇〇に好きになってもらえるか勝負!
瞳:なにそれ…
ひ:じゃあルールを説明するね!簡単なのしかないけど…
お互い、行動でも言動でもいいから〇〇を好きにさせればいいの!
でも、常識の範囲内でやる事!
最後、観覧車に乗るまでが勝負!
観覧車で、どっちが好きか聞いて、選ばれなかった方は気持ちに蓋をする。
瞳:気持ちに蓋…
ひ:うん、そろそろハッキリさせないとだから。
瞳:そうだよね…
ひ:でも、どうなっても私達は姉妹だから!今まで通り仲良くしようね?
瞳:もちろん。
ひ:じゃあ真剣勝負ね!負けないから!
瞳:私だって…負けるつもりないから...!
ひ:恋してる瞳月かわいい…!
瞳:うるさい…ひかる姉だってそうじゃん!
・・・
ひ:っていうこと。
瞳:だから、その…私達…どっちが好き…?
少し理解が追いついてきた。
でも、まだこれが現実なのか、少し信じれていなかった。
まず、ひかると瞳月、どちらを好きで、どちらかを選ぶなんて僕には…
ひ:もう少しで頂上だね。
見上げると、あと約1分で頂上だった。
ひ:改めて、告白するね。
ひ:ずっと〇〇が好きでした。良ければ私と付き合ってください。
瞳:私も、ず、ずっと…〇〇が好きです…わ、私と!つ、付き合って…ください…!
観覧車の中、夕日に照らされながら、2人に手を出されている。
まるでドラマのようだった。
でも、答えはもう決まっていた。
〇: …2人を恋愛的な目で見てなかったから…ごめん…
ひ:そうだ…よね。!
瞳:うん、ごめん…
〇:あ、でも!
〇:どっちも兄妹として、ずっと好きだから。これから先もずっと好きだよ。
ひ:うん、ありがと。私も好きだよ!
瞳:なんか〇〇らしいかも…
気づけば、もう頂上は過ぎていた。
告白を振ってしまったという 罪悪感が、少し沈んだ空気感で余計に感じてしまう。
ひ:まぁ、ってことは!これから好きになる可能性あるって事だもんね!
〇:え、あぁ、たしかに…?
ひ:じゃあ勝負は延長だ!
瞳:そっか…これから好きにさせればいいのか…
え、なんで納得してんの。?
瞳:じゃあ勝負は、まだ延長って事でいい?
ひ:うん!〇〇がどちらかを好きになるまで延長!
えぇ、そうなるの!?
ひ:覚悟してね?好きにさせるから。
瞳:うん、もう私以外見させないから・・・!
これは…また大変な日々になりそうだな…
ひ:じゃあ記念に写真撮ろ!
〇:なんの記念だよ。笑
ひ:いいから!ほら、〇〇真ん中!瞳月は1番左!
言われた通り、真ん中に入った。
シャッターを切った時、僕の両頬に何かが触れた。
夕日に照らされる今、僕の心は何かに掴まれた。
〇:え、?
ひ:まぁ、これが私の気持ちってこと・・・!
瞳:うん…少しは私の事好きになってくれた・・・?
ひかるのカメラロールには、夕日に照らされながら
スマホを見てる僕と
右頬に、強く甘えたような口付けをした、ひかる
左頬に、優しく顔を赤くして口付けをした、瞳月
僕は、人生で初めての感覚で、恋が始まるような、そんな予感がした。
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