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君との約束をずっと想い続けて。

「僕、理佐さんが好き!」

『私も〇〇君のこと好きだよ』

「じゃあ僕と付き合って!」

『んー、今は無理かな』

「じゃあ、いつならいいの?」

『〇〇君が大人になって、まだ好きだったらもう1回告白して欲しいな』

「わかった!大人になったらもう1回告白する!」

『ほんと? 私の未来の旦那さんは〇〇君だね笑』


______


あの約束から12年経った。

あの時の僕は小学2年生で、理佐さんは小学6年生。

今の僕は、近くの大学に通う19歳。

理佐さんは中学に入る時に転校してしまって
それ以降は連絡を取っていない。

この歳になっても、あの約束を信じて好きでいる僕はまだ子供なのかもしれない。




こんなことをバイトの休憩時間に考えてしまう。

店長:〇〇さ戻ってこれる?人が多くなってきてさ

〇:わかりました。今行きます。

居酒屋でバイトしているのだが理由はある。

理佐さんは年齢的に働いているはず。

ここは近くにビルが多く仕事終わりに寄る人が多い

もしかしたら理佐さんも、、



本当はこんな淡い期待も持っている。

まあ今のとこ期待は期待のままなんだが。

僕は基本的にホールに入っている。

理由は簡単。料理ができないから。



??:あの、1人なんですけど大丈夫ですか?

〇:いらっしゃいませ。カウンターでよろしいですか?

??:え、、あ、はい。大丈夫です。

〇:では、こちらへどうぞ

深く帽子を被っていて顔が見えない。

お酒頼んだら、年齢確認しないとな。

??:いきなりですけど注文いいですか?

〇:はい。大丈夫ですよ

??:生ビールと、んー、おすすめありますか?

〇:そうですね、タコの唐揚げとかどうですか?

??:じゃあそれ1つください

〇:ありがとうございます


〇:年齢確認できるものはお持ちですか?

??:えーっと、免許証で大丈夫ですか?

〇:はい。ありがとうございます。  え、?

??:あれ、ダメでしたか?じゃあ保険証なら、、



「理佐さん、?」



免許証の名前 顔写真、全部が僕の初恋の相手と同じだった。



『やっぱり〇〇君だよね、?』



帽子をとって、僕を見ながら言った。

僕を呼ぶ声と綺麗な顔立ちは

大人になってたけど、あの時の面影もある。

瞬きを合図に、12年振りに僕の記憶の中でカメラのシャッターを切った。

写真のようにずっと記憶に残していたくて。


〇:お久しぶりです。理佐さん

理:覚えててくれたんだ、笑

〇:忘れるわけないですよ

僕の淡い期待は、現実になった。

涙が出そうになって視界を外して瞬きの回数を増やした。


理:〇〇君、かっこよくなったね

〇:からかわないでください笑

お世辞でも嬉しい。

好きな人に褒められる嬉しさを久しぶりに感じた。

理:もしかして照れた?笑

〇:そうだとしても、教えません笑

理:それは照れてるって言ってるようなもんだよ?

〇:じゃあ、照れてないですと断言します

理:ふーん。照れてるんだ笑


理:〇〇君はあの時と変わってないね



店長:〇〇!これ持ってって!

〇:あ、今行きます!

理:ごめんね。〇〇君まだ仕事中なのに

〇:いえ、注文があれば気軽に呼んでください

理:うん。ありがとう




店長:〇〇あの人知り合い?

〇:知り合いというか、、僕の大切な人です。

店長:まさか恋してる、?

〇:まあ、そうですね

店長:〇〇も恋してたんだな、、

僕はどんなやつだと思われてたんだ?

店長:よし!あの人が帰る時、〇〇も一緒に上がっていいよ!

〇:え、いや、それはさすがに、、

店長:いいよ!いつも助かってるし、たまにはね?

〇:ほんとにいいんですか、?

店長:もちろん。応援してるからね

〇:じゃあお言葉に甘えさせていただきます

店長:うん!じゃあ俺ホール入ろうかなー!

いい店長で良かった。と心の底から思った

あとは理佐さんに伝えに行かないと。 



〇:お待たせしました。タコの唐揚げです

理:お。ありがとう

〇:熱いので気をつけてください

理:〇〇君も1口たべる?

〇:僕は大丈夫です笑

理:えぇ、美味しそうなのに、笑

少し酔っているのだろうか

先程よりテンションが上がっている気がする。


理:さっき店長に私のこと話してたでしょ

え、なぜバレたんだ、、

聞こえるほど大きな声じゃなかったはずだけど、、

理:なに話したの?

〇:理佐さんが帰る時に僕も上がっていいよ。と、

理:一緒に帰れるってこと?

〇:理佐さんが良ければ、一緒に帰りたいです

理:もちろん!やった笑

目をまん丸にして、喜んでいる姿は

まるで子供のようだった。


〇:理佐さんも、あの時と変わってませんね笑


理:それ言ってくれるの〇〇君だけだよ笑

〇:じゃあ僕が何回も言います

理:ふふ笑 〇〇君モテるでしょ?

〇:それはないです笑


理:じゃあ一緒に帰ろっか

〇:、今からですか?

理:うん。〇〇君と1秒でも長く話していたいし。

平然とした顔でとんでもないことを言った。

嬉しいと恥ずかしさが混じりあって、初めての感情に襲われている。

理:また照れちゃった?笑

〇:、早くタコの唐揚げ食べきってください

理:はい、〇〇君も1口食べな?

〇:いや僕は大丈夫です笑

理:早く口開けて!

〇:それはさすがに、! 

話していたら口に入れられてしまった。

理:どう?美味しい?

〇:、、人生で1番美味しいです、、

理:よかった笑 じゃあ外で待ってるね

はぁ、、恥ずかしすぎて今なら鳥になれそう。

僕も私服に着替え、店長にお礼を言って店を出た。


・・・


〇:お待たせしました

理:じゃあ行こっか

〇:どこにですか?

理:私の家だよ

、、理佐さんの家に行くの、?

〇:いきなり家はハードル高くないですか、?

理:だって家じゃないと2人になれないし

〇:まあ、そうですけど、、

理:私と2人きりは嫌だった、?

〇:そんなことないです!早く行きましょう!


理:やっぱ〇〇君かわいい、笑


______


コンビニで適当にお酒とツマミを買って理佐さんの家に行った。

〇:お邪魔します、、

理:買ったのテーブルの上に置いといて

〇:わかりました


一人暮らしには充分な広さで部屋も綺麗。

理佐さんは相当な綺麗好きだったからな。

理:どう?私の部屋

〇:綺麗です。理佐さんみたいです

理:それ褒めてる?笑

〇:この世にある1番の褒め言葉です

理:じゃあ許す!


手際よくテーブルにツマミとかお酒を並べていく。

理:〇〇君は、オレンジジュースね

〇:ありがとうございます

理:お酒飲めるようになったら一緒に飲もうね?

〇:1番最初は理佐さんにします

理:ほんと?嬉しいなぁ笑

僕は今決めた。20歳になった初日に理佐さんと一緒にお酒を飲む。

嬉しすぎる誕生日プレゼントだな。


・・・


〇・理:かんぱーい!

理:はぁ、、うまっ、、

理佐さんが飲むビールは、僕が知ってるビールじゃないように見えた。同じはずなのに。


理:あ、そうだ。お互いに知らない12年間の話しない?

〇:僕も聞きたいです。理佐さんの話。

理:ほんと?じゃあまずは中学生から!




理:でさ、私悪いことしてないのに「渡邉!お前も職員室こい」っていわれたの!

〇:それは理不尽ですね

理:ほんとあの先生、今でも許してない、、!



理:あの居酒屋の近くにあるビルわかる?

〇:わかります

理:あそこで働いてるよ

〇:そうだったんですね



思い出話に花を咲かせてたら、理佐さんは結構お酒を飲んでいたみたいだ。

かなり酔っている。

〇:理佐さん飲み過ぎですよ

理:大丈夫!まだいけるもーん!

〇:だめです。酔いすぎです

理:私は、お酒がないと素直になれないの!


〇:今の理佐さんは素直ってことですか?

理:そういうこと

〇:あ、お水いりますか?

理:ありがと。〇〇君やっぱモテるでしょ!

〇:モテません。理佐さんこそモテるんじゃないですか?

理:まあ告白はされるけど、全部断ったかなぁ

やっぱモテるんだな、、

〇:なんで断ったんですか?

理:他に好きな人がいたからね


理佐さん好きな人いるんだ、、

理:〇〇君こそ好きな人いないの?

〇:いますよ

理:アタックしちゃえばいいのに。私なら〇〇君に告白されたら付き合っちゃうなぁ笑



〇:、、好きです。理佐さんがずっと好きです。



理:〇〇君も冗談言うんだね笑

〇:冗談じゃなくて本当です。だから、その、、


〇:僕と付き合ってくれませんか?


理:大学に私よりいい人いるでしょ

〇:わかりません。ずっと理佐さんだけを好きなので、他の女性に興味がなかったというか、、


理:ほんとに私でいいの?

〇:理佐さんがいいです


理:私酔ったらめんどくさいよ?

〇:めんどくさいなんて思いません

理:結構嫉妬深いよ?

〇:嫉妬させません

理:ハグだって毎日したいよ?

〇:僕もです。何時間でもしたいです

理:私付き合う時は、結婚まで考えるけどいいの?

〇:もちろんです。もういっそ結婚しますか?

理:早くない?笑

〇:早いですね笑 でも、理佐さんと結婚したいです

理:告白からプロポーズになったなぁ笑

〇:あ、いや、その!結婚もしたいですけど、今はまずカップルになりたいです、、



理:〇〇君12年前の約束覚えてる?

〇:覚えてます

理:その約束果たそうとしてるのかぁ、、

〇:そうなりますね

理:まさか本当になるとはね笑



理:私も好きだよ。ずっと〇〇君のことが好き。

〇:ほんとですか!良かった、笑

理:でも、もう1回ちゃんと告白して欲しいな
私好きな人からされるの夢だからさ

〇:わかりました。じゃあ行きますよ

理:うん。いいよ



「僕、理佐さんが好きです」

『私も〇〇君のこと好きだよ』

「良ければ、僕と付き合ってください」

『私でいいならお願いします』

「良かった、笑」

『〇〇君、私と結婚してくれるんだよね?』

「はい。今は無理ですけど数年後もう一度プロポーズします」

『その約束叶うの待ってるね。楽しみにしてる笑』



理:あ、もうこんな時間。寝よっか

〇:そうですね

時計は0:30分を指していた。

理:あのさ、〇〇君。一緒に寝ない?

〇:え、?いや、その、それはさすがに、、

理:はぁ、、大好きな彼氏と一緒に寝てみたいなぁ

〇:え、?

理:どこかに一緒に寝てくれる優しい彼氏いないかなぁー!!

〇:わかりました!一緒に寝ます、、!

理:分かれば良し! じゃあベッド行こっか


理佐さんの家にあるベットはシングルだった。

隣に入ってみたがどうにも落ち着かない。

隣に理佐がいて、理佐さんが使ってるベッドに寝てて、体が少し触れ合っている。

理:〇〇君こっち向いて

ゆっくり向かい合うように体を反転させたら


理:んっ、、


人生で初めてのキスをした。

理:〇〇君初めてだった?

〇:初めてです、、

理:私も初めてだよ。お互い初めてもらっちゃったね

〇:、、恥ずかしいんですけど、、

理:ふふ笑 おやすみ。〇〇君

〇:おやすみなさい、、


理佐さんはすぐ寝れていたようだったが僕はなかなか寝れなかった。

僕の初めてのキスは少しお酒のような匂いがした。



理:キスなんてしたら寝れるわけないじゃん、、!

______


理:あ、もうこんな時間。〇〇君起きて、、

理:(寝顔かわいい、、写真とっとこ!)

僕の寝顔は、スマホのカメラロールと

理佐さんの記憶の中に保存された。

〇:、、おはようございます、、

理:ごめん。起きちゃった?

〇:いえ、、大丈夫です、、

理:〇〇君、2度寝しよっか

〇:いいですよ。おやすみなさい、、


理:寝るの早すぎでしょ、笑

理:おやすみ。〇〇君。

こうして大学と仕事をサボってしまった。


12年前から自分の気持ちは変わってない。

心の中だけど改めて言うよ。

『約束を叶えてくれてありがとう」

「ずっと大好きだよ』

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