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普段は冷たい彼女も、とある時間になると…?

ひ:ちょっとこっち来ないで。



ソファで隣に座ろうとすると、冷たい声と視線で動きを止められた。

ほんとに嫌そうな顔。

付き合って二年目だし、同棲もしてるんだし別によくない…?

◯:え、やっぱ隣はだめ…?

ひ:だめ。スペース空けて。

渋々、人1人分を空けて座った。


付き合って1年ちょっと経ってもこの距離感に慣れない。

俺の事好きじゃないのかなあ。

とかちょっと考えてしまう。

多分、そんなことはないんだけど。


ひ:ねぇ。麦茶取ってきて。

〇:はい、今すぐに!

急いで冷蔵庫から麦茶を奪い去り、ひかるに渡す。

でも、ここでも冷たいポイント。

ひ:走らないで。ホコリが舞ってる。うるさい。

〇:えぇ、ひかる様の為に急いだ方が…

ひ:様いらない、急いで私が嫌な気分になってるんだから逆効果。もう二度としないで。


まだ俺は執事にはなれないようです…

でも、貰う時に ありがとう と言ってくれるから

やっぱ、好きだな。と思ってしまう。


ひ:私もう眠いから寝るね。

〇:えっ。一緒に映画見ようと思ってたんだけど…

ひ:無理。また後で。おやすみ。

〇:あぁ、うん、おやすみ…笑

はぁ…眠いならしょうがないか…

まぁ映画ならいつでも見れるしなぁ…

ひかるはそのまま寝室に行ってしまい、今日はそのまま寝たみたいだった。



ひかるはいっつもこんな感じで冷たい。

出会ったとき、席が隣で話しかけても



"〇:俺、渡辺 〇〇。よろしくね、森田さん!"

"ひ:渡辺さん。隣になった程度で絡みに来ないでください"



ありえなくない…!?

隣になったからには仲良くなりたいじゃん…

日直が被って、黒板を消してるときも



"ひ:〇〇さん、上の方汚すぎます。もっと綺麗にしてください。"

"◯:じゃあひかるさんやってみる…?笑 "

"ひ:顔の近くで黒板消しバンバンやりますよ。”



冷たいってよりも怖かった。

このときから既に身長いじりは地雷の地雷。

告白をした時も



"〇:俺、ひかるが好き。よければ付き合ってください!"

"ひ: …これで断って〇〇君との関係が悪化すると、クラスに居づらいからしょうがなく… "


"ひ:しょうがないから…付き合ってあげる…! "



これは冷たさより可愛さが勝ちまくっていた。

顔めっちゃ真っ赤だったし。

付き合ってからも冷たさが変わることはなく、むしろ悪化している。

普段は。

でも嫌いになったことは無い。

好きだからっていうのもあるけど、それと…


って。もう寝る時間だ。

俺も寝室に行って、ひかると同じベッドで空いてる方に横になった。


ひ:すぅーっ…すぅーっ…。


ここでも冷たいポイント。

ひかるは向き合うようにじゃなく、俺に背中を向けて寝ている。

抱きしめても怒られるしなぁ…

俺も静かに眠りにつくことにした。


明日の朝に少し期待を添えて。




〇: …あっ、もうこんな時間か…


太陽に照らされ目を覚ました。

時刻は10:00

ひかるが11:00からバイトのはずだから、もうそろ起こさないといけない。

〇:おーい、ひかるー…?


ひ: …んぅ…まだやだぁ…。


〇:もう10:00だよ?

ひ:やだ…〇〇とまだいっしょにいたい…。

くるっとこっちを向いて、ハグしてきた。

顔を俺の胸にうずめながら。



そうです、これなんです。

ひかるは寝起きだと冷たさの欠片もなくなって

とても、甘えてくるんです。

そして普段言わない心の声も、言ってくれたり…


ひ:きのうはごめんねっ…?

〇:ん?

ひ:えいが、いっしょにみれなくて…ごめんね…

〇:ううん、大丈夫だよ。笑

ひ:でもひかるも、いっしょにえいがみたいっ…〇〇とふたりきりでデートしたいなっ…


ほんとに別人級に甘えてくる…

あの、とても、かわいい、好き。

常に冷たいわけじゃないから、嫌いになんてなれず好きがどんどん増えていっちゃうんだよな…


ひ:あと、様よびもちょっと…うれしかった…笑

〇:え、嫌だって…

ひ:あのときは…はずかしくなっちゃって…//

〇:じゃあ、呼んでほしいの?

ひ:うんっ…すきなひとに、お姫様扱いされたい…



ひ:〇〇は私の王子様だから嬉しいんだよっ…?


ほぼ開いてない目で俺を見つめている。

俺が王子様…やば、きゅんっとしかけてる。

ひ:あっ、ねぇ、なんで寝る時私を抱きしめなかったの…?

〇:えっ?

ひ:寝る時も好きな人に包まれたいじゃん…

〇:あっ、ごめん。次からするよ

ひ:んっ!じゃあ今、頭撫でてっ!

〇:撫でて欲しいの?

ひ:うん、大好きな人に甘やかされたいっ…!


こんな可愛いお願い断れるわけがないので、優しく頭を撫でた。

嬉しそうに、ふふっと声を上げながら

俺を抱きしめる力が強くなっていく。

ひ:ねぇ…いつも冷たくしちゃってごめんね…?

〇:え、いきなりどうした…?

ひ:いつも冷たくしたばっかで、いつか〇〇に嫌われちゃって別れちゃうのかな…とか考えちゃって…

〇:嫌いになんて1mmもなってないよ。笑

ひ:ほんと…?

〇:ほんと。

ひ:じゃあこれからも…



ひ:ひかるのこと大切にして離さないで沢山甘やかすって約束してくれる…?



…そんなん約束しなくてもいいぐらいに離すわけないじゃん…!

〇:もちろん離さないよ。約束する

ひ:やったっ。笑   大好き、愛してるよ、〇〇。

〇:ありがと。俺も大好きだよ

ひ:もう1回言って!

〇:大好き、愛してる。笑

ひ:ふふっ、やった。笑  私も愛してるっ!



はたから見たらとてもバカップルですけど、これでいいんです。

だって幸せすぎるんだもん…!

ベッドの上でハグしながら幸せを感じ合う2人。

お互い数秒の沈黙の間見つめ合い

顔を近づけ、唇を、


〇:って!バイト遅刻するよ!?

ひ:あっ…休んじゃだめかなっ…?

〇:それは迷惑かかるし…

ひ:やだっ……バイトより〇〇ともっとイチャイチャしてたい…!


ひ:〇〇はひかるとイチャイチャしたくないのっ…?



…ひかるのバイト先の店長ごめんなさい…

この可愛さに負けてしまいました…。


〇:バイト休もっか。笑

ひ:ん!やったっ!〇〇大好き〜っ!

〇:はいはい。笑

ひ:ねぇ、今度はハグしながら一緒に寝ない…?

〇:いいよ、寝よっか。笑

ひ:ありがとっ。愛してるよ〇〇。

〇:俺も。おやすみ、ひかる。


唇が優しく触れ合うキスをして、

お互い少し恥ずかしさを含めて笑いあって、

ハグしながら一緒に夢の世界に戻って行った。


お互い夢の中でも会って、イチャイチャし合ってたのはここだけの話です。

 




そして起きても寝起き同士で、また沢山イチャイチャし合ってました。が、

時間が経ち、夜になると…



ひ:様呼びやめて。ハグもしない。キス…?するわけないじゃん!ばかなの…っ……。




また冷たい、ツンなひかるに戻ってしまいました。

そしてまた寝て起きると…?



言わずもがな、とても可愛かったです。


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