人生ははかない。だから裏声で歌おう。……玉置浩二さんの「行かないで」③
玉置浩二さんの「行かないで」。
カラオケでの歌唱に挑むことにした。
(無謀だよ…こんな難しそうな歌)
とも思ったが、エイやっー……と。
ユーチューブから曲をダウンロードして、車のプレーヤーで、まず何回か聞いた。
次にマネしながら、何十回か声を出した。
(ともかくコピーだよ)
「行かないで」では、ポイントで、玉置さんのファルセット(裏声)が披露される。
例えば…
♫♫いつまでもずっと♫♫の「ずっと」部分、
♫♫行かないで♫♫の繰り返し部分。
裏声は、不思議な世界である。
仕組みを調べてみた。
声帯につながる筋肉は何本かあり、どの筋肉を使って声帯を震わせるかで、実音と裏声の違いが出てくるという。
裏声は、実音にくらべより繊細で、はかなげな感情を表現しやすい、とある音楽専門家が指摘している。
そうか。
(難しいことはともかく)
ひたすらコピーしていたら、ファルセットの産出はそう難題でもないことに気がついた。
ノドの力を抜き、お腹から声を出す。玉置さんにもっぱら頼って、導かれて、進めてゆくと、実声→ファルセット、ファルセット→実声の各〝換声点〟もそう苦労なく乗り切ることができる気がした。
(自分だけで勝手に思っているのだろうけど…)
ふと思ったことがある。
玉置さんは、音程が高過ぎるからだけでファルセットを使っているのではない。
はかなさを演出するための〝特別サービス〟ではないか。
どうでしょう。
「行かないで」を歌ってみると、人生は、惜別の繰り返しであることがあらためて、身に染みる。
きついなあ。
でも生きて行こう。
◇
「行かないで」をカバーしている第1線歌手のうち、私の心にとまったのは、次の3人だ。
島津亜弥さん、MISIAさん、林部智史さん。
ユーチューブのコメントにこんなのがあった。
「本当の歌手なら(玉置さん版を)カバーする勇気はでないだろう」
なるほど。
しかし、なかで歌怪獣といわれる島津亜弥さんの真正面からの取りくみに拍手。
MISIAさんの凄みあふれるアレンジに感動。
私のお薦めのひとつは、林部智史さん版。はかなさがにじみ出て、切ない。
(この項終了)
林部智史 ♪ 行かないで歌:林部智史アルバム:カタリベ1リリース:2018年作詞:松井五郎作曲:玉置浩二
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