テレビの企画案を考えていて思ったこと

最近、とあるグループで新しいテレビ番組企画案を提出することになり、数打ちゃ当たる方式でどんどん案出しをしているのだが、その案出しでグループ全体で共有しているルールというのが、

① 「案」2行以内で説明できる企画
②  バズるような内容

①に関しては、理解できる。山のように届く企画案を一瞬で理解して会議しないといけないのだから、つらつら長文で書かれるよりも端的に企画案を書かれていた方がいいに決まっているし、説明しないとわからない企画はそもそも企画として成立していないと思うからだ。

しかし、②に関しては、全面的に賛同はできない。

確かに今のネット社会。切り取られて話題になることはとても大事だと思う。だけど、「切り取られて」「バズって」「話題」になることだけを目的にして番組を作るのはどうなのだろう。なぜ、その番組を作っているのかということを抜きにしてテレビ番組としての存在意義はないように思う。

バズることしか考えない=視聴者のことしか考えない、につながるのではないか。

まずは制作者が作りたい番組、伝えたい番組を考えることが最優先ではないのかと考えるのだがどうだろうか。

このバズることはすなわち、テレビ局側にお金がないことを堂々とアピールしているに過ぎない。お金がないからスポンサーをつけるために話題をつくって番組を作ると言う姿勢は、長い目で見てテレビ番組の劣化をますます推し進めることになる。その姿勢は今やネット番組の雄、AbemaTVでも同様のことが見られている。

つまりそのことは、ネット番組自体も終わり(劣化)に近づいている証拠ではないかと思う。

今、Youtube番組も飽和状態にある中地上波もネットも限界に来ているのではないかと案出しをしていてふと考えてしまったわけである。

とは言え、いち末端の構成作家でしかない私にとっては「案出し」と言う仕事が一筋の光であることは間違いないので、これからも細々と企画を考え続けないといけないと言う矛盾を孕んでいる。

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