見出し画像

和樂webの教科書〜え、そこから?な物語〜

相変わらず慣れないウェブメディアの立ち上げで毎日涙に暮れているセバスチャン高木です。どうも物事をつきつめて考えないと前に進めない性格なので、なぜ出版社の雑誌がウェブメディアを命がけでやらなければならないのか考えてみました。インターネット業界でナチュラルに生きていらっしゃる方には、ものすごーく今さらな話ですので、役に立たなかったらごめんなさい(あくまでも私個人の考え方ですのでお許しください)。手書きパワポ風資料だし。

プラットフォーマーからコンテンツプロバイダーへ

まず、私たちは今、大きな岐路に立たされています。それは、プラットフォーマーから本当の意味でのコンテンツプロバイダーへと脱却しなければならないということです。

パンに例えると、パン屋になるかパン職人になるかという選択を迫られているのです。すごーく当たり前のことですが、パン屋になるには大きな投資が必要ですし、すでに多くのパン屋さんがウェブ上にできあがっています。ですので私たちに許された選択はパン職人=コンテンツプロバイダーになってすごくおいしいパンをつくるしかありません。パンをつくることにリソースをすべて集中しなければならないのです。

では、出版ビジネスは何なの?と言いますと、ケーキのオーナーパティシエです。おいしいケーキをつくって、販売するところまでをワンストップで行ってきたのです。私たちが思い違いをしていたのがこの部分で、自分たちはコンテンツプロバイダーだと思っていたのですが、実はプロバイダー兼プラットフォーマーだったのです。え?そこから?って感じですよね。

なぜウェブメディアをつくるのか?

ではなぜウェブメディアをつくるのか?それはコンテンツプロバイダーとして、コンテンツの供給領域を広げるためです。

コンテンツをつくったら、それを出版物だけではなくて、ウェブ、商品、イベントなどに供給をして、すべてのメディアを編集の現場としなければならなりません。その手始めとしてウェブに本格的に参入するのですが、ここで問題となってくるのが、ウェブの特性です。

紙の編集者がウェブを立ち上げるにあたって一番最初にぶち当たる壁がウェブは参入障壁が低い、もしくは、ないということです。

ウェブが登場する以前は何か世の中に問いかけようとしたり、メッセージを伝えようとすることは非常にハードルが高いことでした。逆に出版社やテレビ局はそのことを利用し、コンテンツの囲い込みをすることによってビジネスを展開してきました。

ですが、ウェブはある意味平等です。メッセージや創作物を表現しようと思えば、それこそnoteを使えば誰でも参加することができます。

では、コンテンツプロバイダーがコンテンツプロバイダーたる所以はどこにあるか?と言うと、もう質の高さしかないのです。私たちは質の高いコンテンツを生成するしか生き残る道はありません。

ですが私たちにとって、この質の高さを表現するのがウェブ上ではすごく難しいのです。

雑誌とウェブメディア、編集ベクトルの違い

それはなぜかと考えると、雑誌とウェブでは編集作業のベクトルがちがうからなのです。以前もnoteに投稿させていただきましたので割愛しますが、雑誌をはじめとする出版物の編集は水平ベクトル、それに対してウェブの編集ベクトルは垂直なんです。

ウェブに参入するにあたって私たちは水平ベクトルに集中していた編集スキルを垂直ベクトルに展開する必要があります。ですが、ずっと2次元で編集を展開してきたので、もうひとつの次元を見ることがなかなか難しい。その結果、ウェブの編集は自由度が少ないし、質の高さの表現が難しいと思ってしまうのです。

ですが、見方を変えて編集ベクトルの高次元化を進めれば、培ってきた編集スキルで戦えるのではないかとも思っているところです。ちょっと意識を変えないといけないのですが。

マルチユースからマルチコンテンツへ

そこで鍵となるのがマルチコンテンツという考え方です。

コンテンツの供給先が増えれば当然供給するコンテンツの量も増やさなければなりません。紙媒体だけであれば、ひとつのことを取材してそれを露出すればよかった。ああ!なんとすばらしい時代でしょう。私もできればそこに戻りたいのですが、生き残るためにはそうは言ってはいられません。

そこで今取り組もうとしていることが、ひとつの取材先、あるいはひとつのプロジェクトでマルチにコンテンツを生成するという、これまた今さらなことなのです。

現状多くの紙媒体を中心としたメディアでは、ひとつの媒体でつくったコンテンツや画像を他媒体でも使用すると言う「マルチユース」が盛んに行われています。ですが、それは掲載メディアを増やしているだけで、コンテンツ自体の数は増えていないですよね。

私たちがコンテンツプロバイダーとして生きていくためには、マルチユースではなくてマルチコンテンツを志向しなければならないんじゃないかなぁと思っています。それにはシームレスな編集現場の確立が急務で、なかなか言うは易し行うは難しなのですが。

ウェブメディアの本質とは?

ウェブメディアを立ち上げるにあたって、もうひとつ考えたのがウェブメディアの本質とは何か?ということです。

よく言われることですが、かつては電車で移動する際のひまつぶし(なんだか平仮名で書くとひつまぶしみたいですね)は紙の漫画や雑誌でした。私は今でもそうなのですが、もうほぼ恐竜状態です。ほとんどの方は、スマホを眺めていますよね。

そう考えると、ウェブメディアの本質は暇つぶしであり、空いた時間ビジネスなのかもしれません。

暇つぶしで軽い読み物を読む、空いた時間でレシピを調べる、買い物をさくっとする。もうそこには紙メディアの入り込む隙はありません。逆に考えると雑誌の進むべき道は、ウェブではできないことを突き詰めれば、はっきりするのではないかなどとも思ったりもしています。

ウェブではつけられない付録なんかは真っ先に浮かびますが、それ以外にも水平編集やデザインの徹底化、ページをめくるという行為を最大限に利用した台割り作成などなど、まだまだやれることはたくさんありそうです。

あるいは先に書いた質の高さがウェブでは表現しにくい、参入障壁が低いと言うこともヒントになりそうです。雑誌や出版物は参入障壁が高い、質の高さが表現しやすい。であれば、格付けやブランディングなどが非常にしやすいメディアとも言えるからです。

和樂のウェブメディアの目標

兎にも角にもウェブに本腰を入れるにあたって、当面の目標を規模の拡大と位置付けました。

なぜ規模を拡大するのか?なぜならそこには、私たちににとっての社会的使命である「日本文化の魅力を少しでも多くの方とシェアする」という目的があるからです。

少しでも多くの方とシェアをするためにはウェブだろうが、雑誌だろうが、少しでも多くの方にふれていただかなければなりません。そのためには規模を拡大する必要があるのです。

ちょっと前になりますが「もしドラ」で一世を風靡したドラッカーさんがこんなようなことを言っているのを目にしました(あくまでもこんなようなことですよ!)。それは「すべてのビジネスには社会的使命がなければならない。収益は社会的使命を実現するための手段である」ということです。

私のように会社人人生が長くなるとついついそのことを忘れて、収益ガァとか売上ガァとかしか言わなくなるのですが、私たちは社会的使命があってはじめてビジネスができるんですよね。そうでないと人ってなかなか動けないじゃないですか!

そう考えてみると、アマゾンとかグーグルとか、あるいは、歌舞伎とか、成功を収めているものやずっと続いているものには確固とした社会的使命があるのがわかります。社会的使命から企業を見ていくとすごく面白いのですが、それはまた別の機会に。

そして、ここにきてさらなる問題が私たちに出現してきます。その問題とは、紙の編集者はウェブでの規模の拡大がすごーく苦手だということ。そう、それはSEO(検索エンジン最適化)という恐ろしい、もう悪魔のような存在のこと。私たちはSEOと聞くともう耳を塞いで、どっかにいってくれ〜と願うしかなくなってしまうのですが、話が長くなってきましたので今回はここまで!で許して!!!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

和樂を応援してくださる方の投げ銭お待ちしております。

嬉しいです!
24

和樂web編集部

小学館『和樂(わらく)』https://intojapanwaraku.com/ キャッチフレーズは「日本文化の入り口マガジン」ライターさん募集中。企業・自治体様からのPR企画のご相談承ります!

セバスチャン高木の編集後記

雑誌を卒業し、50前にしてウェブメディアと商品開発担当となった編集長のセバスチャン高木が暑苦しく編集後記やつぶやきを更新します。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。