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エール

「エール」 藁科 侑希(2006年入学) 2021. 7. 20

東京2020オンピック・パラリンピック競技大会が、いよいよ開幕します。
この記念すべき晴れ舞台に出場する、筑波大学バドミントン部卒のOBがいます。

藤原 大輔(ふじはら だいすけ)選手【ダイハツ工業所属】です。

今回はそんな藤原選手の紹介とともに、私から彼への個人的な感謝と尊敬の想い、そして今後のパラバドミントン界を背負っていくことへのエールをここに記したいと思います。

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藤原選手は現在、パラバドミントン競技選手として活動しており、現在の世界ランキングは5位(シングルス)に位置しています。

現時点で彼が出場内定している種目は、以下の2つです。

【出場内定種目】
 ●Men’s Singles Standing Lower3(MS SL3)|2021年6月16日付発表
 ●Mixed Doubles Standing Lower3-Standing Upper5(XD SL3-SU5)|2021年6月29日付発表|[ペア] 杉野 明子 選手(SU5)

そうだったのか、と思った方は多いのではないでしょうか。
パラリンピックに出るとは聞いていたけれど、実際にどの種目で出るのか、そもそもパラっていつからやるのだろう。
あれ、場所もどこでやるのだろうか、と疑問に思った方もいるのだと思います。

最近の報道でも、オリンピックの話題が中心になっておりますので、パラリンピック競技に関してはあまりその詳細が知られていないのかな、とも思っています。
そこで、少しだけその概略を記載します。

東京2020パラリンピック競技大会としては、2021年8月24日に開会式が催されます。
なかでも、パラバドミントン競技は、9月1日から5日間の日程で、国立代々木競技場にておこなわれます。

藤原選手が出場する、MS SL3 とXD SL3-SU5 は、はじめの3日間の中で予選ラウンド、9月4日以降で準決勝・決勝というスケジュールとなっています。

パラバドミントンの国際大会方式は少し特殊で、各予選ラウンドで勝ち上がった上位2名ないし2ペアが、決勝トーナメントにて対決して順位を競うことになっています。
この方式は、パラリンピックでも踏襲されています。

「1日にハードな試合を何試合もおこないながら、それを連日おこなう」と言い換えた方がいいでしょうか。
ともすると、オリンピック競技の方々からすると考えられないかもしれませんが、パラバドミントンでは種目も多く、このような形式がスタンダードとなっています。

そのために普段の国際大会でも、予選ラウンドをいかに疲労を残さないように乗り切るか。
そして、連戦を重ねてきた心身の状態で、決勝トーナメントの拮抗した戦いに臨み、そこでパフォーマンスを最大限発揮できるようにするにはどうするか、というコンディション調整が必要となるのです。

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そもそも、なぜ藁科が藤原選手のことやパラバドミントン競技の紹介・解説をしているかといえば。

2015年4月に筑波大学体育系の特任助教として赴任した際に、藤原選手のパーソナルコーチ兼トレーナーとして関わり始め、以降日本障がい者バドミントン連盟のスタッフとして、2020年3月まで国際大会への帯同をしたり、強化合宿等にて一緒に汗を流したりしていたためです。

諸々の事情があって、昨年度末をもって本番大会に向けてのサポートができないようになってしまいましたが、スタッフとして帯同していた時も一番に気がかりにしていましたし、頑張ってほしいと想っておりました。

5年ほど世界を舞台に藤原選手とともに居させていただいたおかげで、彼の心底勝ちたいという想いをどう受け止めるのか、それに見合ったことを自分が提供し共有できているのかをずっと自問自答しながら、過ごしてきました。
自分が何をどうしたところで、影響はとても少ないのだとはわかっていても、ギリギリを競う国際大会の舞台でその少しの影響が勝敗を左右する場合もあります。

だからこそ、自分が選手たちに負けないくらい努力すること、学び続けること、「これでいっか」となあなあにすることを極力少なくすること、をモットーに活動を続けてこれました。

そんな意識と学びの姿勢を教えてくれたのが、藤原選手であり、ともに戦っていきたい、サポートしていきたいという想いを持たせてくれました。
ここにその感謝の念を伝えるとともに、この全てを賭けてきた舞台で、積み上げてきたものを存分にぶつけてほしい、と心より願っております。

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パラバドミントンの世界は、まだまだ発展途上です。
国際大会のディレクターや渉外・広報などをはじめとして、大会帯同の経験を通じてわかったこととしては、「これからのアプローチによっていかようにも変化しうる」段階だと思っています。

だからこそ、藤原選手にはパラバドミントン選手皆の模範となるロールモデルを作り上げていって欲しいですし、パラスポーツの世界を牽引するような大きな存在になって欲しいと感じています。

そのためにも、結果がとても重要となります。
パラバドミントン競技自体は、この2020大会が正式競技として初の開催です。
その第1回の大会でどのような成績を残し、後世につなげるのか。
ここが大きなターニングポイントとなることは間違いありません。

ただ我々にできることとしては、あとは声援を送るくらいなのだと思います。

ぜひとも、本番の日はみなさまご自宅より、
 「フ・ジ・ハ・ラ!ファイト!」
 「大輔!がんばれ!」
 「ダイちゃん!ねばれ!」
と声援を送っていただきたいと思っております。


桐の葉の信念を胸に、今後も突き進んでいって欲しいです。
ずっと、応援しております。

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