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清宮克幸さんのこと

それはもう、9年前のことになる。秋晴れの秩父宮ラグビー場にて、僕はサントリー対ヤマハ発動機の試合を観ていた。
当時、ヤマハ発動機はチーム縮小の憂き目に合い、低迷していた。この日も一方的にサントリーにやられていた。退屈な試合だった。

そんな試合途中で、強烈なオーラを放つ男が僕の前に座った。周囲もざわついている。サングラスをかけているとは言え、その方が誰かということは、オーラですぐにわかる。半年以上前にチームを去ったとは言え、まだ古巣が気になっているのだろうか?

そんな試合もそろそろ終わりかける頃。事件は起こった。僕の隣にいた子供がクスクス笑い始めた。その子供の隣にいる父親もニヤニヤしている。どうしたのだろうか。
子供と目があった。そして、前方を指差した。

トンボが1匹いた。そのトンボが、前方で異様なオーラを放つ、あの大男の肩に止まっている。
僕も静かに、クスクスと笑った。

年が明けた2011年2月、ヤマハ発動機の監督に清宮克幸氏が就任することが発表された。
以降の約8年間、氏はヤマハの再建を見事に成し遂げた。神格化されすぎた早大時代と比べると、苦労の多い指導者生活だったと思う。でも、その苦労がより氏を「等身大」にさせたのかもしれない。その前兆が、あの肩に止まっていたトンボだった…というのは、少々話を盛りすぎだろうか。

清宮監督、お疲れ様でした!

どうもです。このサポートの力を僕の馬券術でウン倍にしてやるぜ(してやるとは言っていない)