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「コミュニティ」へと変化するNovelJam

※本稿はいち個人の勝手な寸評です。予めご了承下さい

NovelJam2018秋は今月1日のグランプリで無事に閉幕した。11月末から約2カ月に渡る戦いの中では新しい試みが多く生まれ、外野から眺めている身としても大変刺激的だった。というか、あれこれ勝手に乗り込んですいません。

そんなわけで、大会結果は上記リンクでご確認下さい。

さて、今回の秋大会(以下第3回/第3回大会とする)は前回大会(同第2回/第2回大会)とはまた異なる空気感を醸し出していた。多少の変更はあったが、フォーマットは概ね踏襲されていたし、何よりメンバーは第2回経験者が一定の割合を占めていた。
そのような中で、なぜ「変化」を感じたのだろうか? その謎を本稿では考えてみたい。

「本」が場をつくる道具になった

第3回大会のグランプリ争いにおける最大の変化、それは販促活動が空中戦から地上戦に変わったことである。
もちろん、第2回大会でも読書会やノベジムといったイベントはあった。でも、各々の活動は各種SNSでの宣伝合戦だった。
しかし、今回は空中戦の熱量は抑えられていた。代わりに発生したのが、本をチケットにしたイベントの開催である。
固定客の割合が一定以上あるので、部数よりも本の単価を上げた方が売上金額争いでも強みになる。そういう思惑もあっただろう。そして、この試みは様々な化学反応をNovelJamにもたらした。特に、参加者のコミュニケーションを深めたNovelJam Reading Friday、作品の世界観を拡張した「あなボロ展」、NovelJamにおけるデザイナーの役割を再定義した「Designer's Jam 2019」の3つは非常に興味深いものがあった。

第3回大会の販売実績は【部数減】ながら【売上金額は前回と同じ】という発表があった。ようするに、NovelJam自体の経済圏は維持されている。そして、グランプリ後も続くチームBのイベントとセンコロの舞台化を経た時に、どのような変化が起きるのかは非常に興味深いところである。

NovelJamで広がる「帯域幅」

グランプリ争いで起きたもう一つの事象は、コラボレーションの幅が広がったことだ。「みん釘」の漫画化は藤沢チヒロ氏、そして「センコロ」の舞台化は森山智仁氏と、NovelJamのOB・OGが関わっている。

このように、NovelJam内のコミュニケーションは広がるだけでなく、深まっているという傾向がでてきている。それはグランプリ争いという次元にとどまらない。第2回後も大会後に仕事を得た(!)、参加者の会社に入社した(!!)といのがあったが、第3回ではカップルができた(!?)という話が出ている。これらの傾向を踏まえると、より確信を抱くようになる。
このことは決して偶然では無く、ネットワーク研究でいうところの「帯域幅の広がり」、ようするに「結束が強まれば、行きかう情報は有益になっていく」という概念と合致している。NovelJamのスタートは突然見ず知らずの人々が出逢うという「弱い繋がり」だが、そこから辿り着くゴールは思いもよらないとこなのだ。

※「帯域幅」の詳しいことはこれらの論文を全部読んでね

NovelJamは刹那的なイベントではなく、徐々に継続するコミュニティへと変化している。それが第3回大会における最大の発見ではないだろうか。

NovelJamの今後を、改めて考える

もちろん、「強いつながり」にも相応のデメリットはあり、特に「閉鎖的になる」という弱みは今後考えていかなければならないだろう。何だかんだ言って、まだ3回しか大会はやっていないのだ。大会に出ていない/出られない/そもそも知らない参加者は沢山いる。

グランプリのトークセッションで仲俣氏がおっしゃられていた通り、「三角ベースのようなNovelJam」を普及させるのも一つの手だろう。フォーマットを輸出し、あとは受け取った参加者たちの考えに委ねる。もっとも、僕がやっている「電子雑誌をつくろう!」も、全く姿かたちは違うとはいえ、NovelJamへのインスパイアをガンガン受けておりましてごにょごにょ…。

そんなことを考えれば考えるほど、NovelJamはまだまだ続きそうな気がするし、続いていって欲しいな、と思うのである。各々が各々なりに、NovelJamを楽しく続けていきましょう。そんな感じで、今日はここまで。ではまた

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1988年3月生まれ、神奈川県横浜市出身。しがないサラリーマンを続ける傍ら、2014年11月よりセルフパブリッシングをスタート。「インディ・スポーツライター」を(勝手に)自称し、人々がスポットライトを当てないスポーツの面白さや驚きを伝え、暖かく見守り続けて参ります
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