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いつか、「本」を売りたい日がやってくる

まずはここに、嘘や偽りの無い正直な数字を掲載する。

これは何かというと、当方がNovelJam2017に参加し、無事に出版した「30年後に『逃げ残り』」という作品の月間販売部数及び売上高である。


この数字を見て「少ないなあ」とか「売れてないなあ」と思われる方もいるだろう。その点は重々承知している(ブックパスの読み放題サービス様々です)。
ただ、この数値において、僕が一番嬉しく、そして励みになっている点がある。

売り上げが0冊の月がほとんど無い。
(というか、意外と販売翌月だけ0冊…)

率直な話をすれば、この2017大会で僕が書いた作品は、自分自身で承服できるものではなかった。この経緯は下記の投稿を読んでもらうことにしよう。

納得できない。この本を自分の本だと認めたくない。
そう思った僕はひとつのことを心に決めた。

「この本を自分から、宣伝するのは止めよう」

なので、大会当日とか翌日を除けば、僕はこの本に関してSNSや外部で言及することはほとんどなかった。むしろ、日の目を浴びずに売れないままでいてくれる方が、非常に都合が良かった。嫌な記憶が呼び起こされることが無いからだ。

それを見直すきっかけとなったのが、NovelJam2018への参加だった。著者から編集へとロールが変化したとは言え、ノベルジャムはノベルジャムである。過去の記憶を引きずり続けるならば、思いきって書き直し、発表してしまえば良い。そうすれば、少しはスッキリした状態で挑める。
そうして産み出されたのが「逃げ残り」という改稿版である。

さて、波瀾万丈のNovelJam2018が終わり、ボーッとしているうちにNovelJam2018秋が始まり、僕も運営のサポートをしたり、参加者が主催するイベントにお邪魔したりしていた。
それらに参加しているうちに「羨ましいなあ」と思うことがあった。お互いに作品を語り合ったり、書き直したり、イベントを開いたり…そう、2017大会には無かった「ブラッシュアップする機会」がどんと増えたのだ。もちろん、これには「グランプリ」という長期戦になった要素があるからこそなのだが。

そんな参加者諸氏の姿勢に感化されつつも、たらればを再び引きずってしまった。もしも、NovelJam2017にも「グランプリ」があって、その期間中に自分自身の中でもう一度作品を消化する機会があれば…。

そんなことを考えていた年の瀬に、僕は気がついたのだ。毎月BCCKSからくる印税金額報告。僕の作品に、小さいながらもお金が振り込まれている。そういえば先月も、いや、もっと前も…。
延々と調べ直して、ようやくわかった。僕の作品に、売り上げがコツコツと発生している。
それは僕の「30年後に『逃げ残り』」を、誰かが手にとって読んでくれている人が、必ずいるということだ。
だから、その火を決して、自らの手で絶やしてはいけない!

なので今、僕はこの作品の販促活動をコツコツと進めている。電子書籍は引き続きNovelJam版を、そして紙などのそれ以外の媒体では改稿版を広めている。お陰様で、人生で初めて「薄い本」なるものをつくってみました(※1部100円。明日も持ってきます。なお、Made in SEVEN ELEVEN)。
これらの挑戦を僕は「たった一人のNovelJam2017グランプリへの道」と称すことにした。本当にうっかり賞が貰えるか、あるいは誰かにビンタされるまで、地道に続けていく次第である。

さて、2月1日はNovelJam2018秋のグランプリである。
ここまでの戦いに満足している者もいれば、何もできずに呆然としている方もいるだろう。明日の結果次第では、より失望が深まるかもしれない。

でも、NovelJamで生み出した作品は、他の作品とは違うパワーを有している。このことに気がつく日が、仮に今では無いとしても、いつかやってくる。
そのことに気がついたとき、自分のための「NovelJamのグランプリ」を目指せば良い…というのが、ここ最近個人的に思っていることである。

明日のNovelJamグランプリ、皆様と再会できることを心からお待ちしております。打ち上げでチャーハン食べようぜ! ではまた!

どうもです。このサポートの力を僕の馬券術でウン倍にしてやるぜ(してやるとは言っていない)