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【前編】八丈島旅行備忘録

【25日】

・折からの台風10号のUターンにより、旅行計画も悩ましいものになってしまった。ただ、日が進むにつれて八丈島上陸は遅くなるという情報も得た。帰りは日曜の朝イチの飛行機。なんとかなるだろうか。

・職場から慌てて家に戻り、竹芝桟橋へ向かう。スーツケース持参で仕事をしようかとも考えたが、やはり落ち着かないので止めた

・午後10時ごろ竹芝桟橋到着。水とインスタントコーヒーのみファミリーマートで購入。ただ、今思えばもう1着Tシャツを買っておけば(あるいは鞄に詰めておけば)良かったかなあ…(後述)

・チケットは一番安い2等船室。番号が【A-1】ということは、この便を一番早く予約したということなのだろうか?

・2等船室は自分の場合、5人一組の共同部屋。ただ、自分しか居なかった。独占できてラッキーである。変なプレッシャーもない。

・23時半に消灯。島に着くまであと9時間弱

【26日】

・午前2時前に起きる。意外と波の鼓動が伝わってきて、なかなか上手く眠れない。固い床と合わない枕も少し辛い

・午前4時半ごろ、突然照明が点灯される。三宅島に到着したみたいだ。5階の外部デッキへと向かう。うっすらと朝陽が島の港を包み込む。良い光景だった。

・午前5時頃、御倉島に到着。再び八丈島を目指して消灯。とはいえ、午前7時頃になると完全に目が覚めてしまい、しばらく読書タイムになってしまった

・午前9時すぎ、八丈島に無事到着。天気は晴れ。思う存分、サイクリングを楽しめそうだ。ホテルの送迎車に乗り、八丈ビューホテルに到着。眼下には海が広がる。プールでは子供たちが早速の水浴びを楽しんでいる。

・午前10時、レンタサイクルを頼む。ところが、お目当てのところは予約で満員御礼との返事が。ホテルの従業員曰く、やはりこの時期はレンタルものを抑えるのも大変らしい。

・午前10時半、ようやく電動自転車をゲット。当初は島中心部の散策に努め、無理な走りはしないつもりだったのだが…

・まずは底土港を再び訪ねる。細かい坂のアップダウンがあり、非常に難しいコースという印象。電動自転車にしたのは正解だった。ストレスを抑えることができる。

・空港道路を走り神湊漁港から底土港へ。広がるブルーオーシャンには、船旅の疲れを吹き飛ばす効力がある。そこからは市内の道路を行ったり来たりと、特に目的の無いサイクリングを繰り返す。

・良い時間になったので、お昼ごはんへ。藍が江水産で鯛の煮付けを食す。亀の手入り味噌汁と小鉢2つもついてこのボリューム。ごちそうさまでした。

・一通り幹線道路を走り抜けたが、特に得るものはなし。距離感もわかってきたし、何もしないのは寂しいので、思い切って八丈富士を目指す。山頂は時間を考えると厳しいが、7合目のふれあい牧場ならばたどり着けるのではないか。空港道路を再び、突き抜け登山口入り口へ。なだらかな坂道がひたすら続く。嫌な予感。バッテリーはまだ満タンなので、何とかなると思うのだが

・登山中の記憶はほとんど無い。一旦自転車を降り、手漕ぎでのろのろと登り続けていた。なだらかではあるが、されど延々と続く坂道。照りつける強い日差し。カラカラに乾いた喉と、ヒリヒリと痛む太もも。午前中の無計画サイクリングの影響か、バッテリーの残りも僅かだと小さな画面は伝えている。もはやこれまでか。ここでバッテリーが切れたら、下山はほぼ不可能だ。

・そんな時、道の真ん中に小さな見晴らし台があった。その景色を見て、僕は言葉を失った。眼下に広がるのは小さな島の、雄大な佇まい。そうか、俺はここまで登ってこれたんだ。でも、これがゴールではないんだ。20キロ近くある自転車を持って行くのは大変だ。丁度良いタイミングだった。見晴らし台に自転車は置き、徒歩でふれあい牧場に向かった。

・約800メートルの坂道を上り、牧場にたどり着いた。思わず小さく握り拳を突き上げた。溢れる達成感。自分へのご褒美として、美味しいジャージーミルクのシャーベットを食した。色々な意味で救われた気がした。

・ちなみに、登山時間が約60分だったのに対し、下山時間は15分だった。自転車登山は不条理なものである。

・八丈ストアで食料品を購入。この日の夕飯は島寿司(8貫で1100円)にすることに。今日は魚ばかり食べている気がする。醤油ダレに漬け込んだタネと、カラシが乗ったシャリ。奇妙な組み合わせだが、これが食べると美味だから不思議なものだ。島内のスーパーには普通の寿司と一緒に、この八丈寿司が売られている。まさにソウルフードだ。

・大浴場で風呂に入り、ふと思い立って外に出てみる。空を見上げてみたかった。都心の空では見えない数々の星たち。この景色を見ることが出来るのは、見知らぬ不便な土地へと冒険しにいった者たちだけではないだろうか。

・さて、初日はとにかく無謀なサイクリングに興じてしまったため、とにかく肩や股の筋肉を痛める結果となってしまった。明日のことは明日考えるか。23時頃寝落ち。どうも布団を固く感じてしまうのは、昨晩の二等船室のせいだろうか…

(後編に続く)

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