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NovelJam2018回顧録 第1話

プロローグ

平静を保とうと、僕は必死だった。

久々に家へと戻った。この住処がこれほど落ち着ける場所だったということを、改めて実感した。
まず、買ってきた菓子パンとヨーグルトを、冷蔵庫に入れる。朝は眠すぎて、ご飯をつくる元気もないだろう。次に、スーツケースを開けて、洗濯機に服を突っ込む。パソコンや本や資料は…明日会社から戻ったら整理しよう。後回しだ。
明日着るスーツとシャツも、今のうちに整理しとく。ああ、何で会議の予定が入るんだ。有給取りたかったのに。取らなきゃマズいイベントだと、去年学んだはずなのに。
浴室に向かい、蛇口をひねる。早く眠りたいという気持ちと、熱いもので目を覚ましたいという気持ちが半分ずつあった。お湯が貯まるまでの数分間、録画していた競馬中継を見ることにした。日曜の昼に買っていたオウケンムーンの単複馬券。父であるオウケンブルースリが好きだから、一応買っておいた子供の馬券。当たっていることに気がついたのは、月曜の朝6時だった。これもまた、僕を驚かせた信じられない出来事の一つである。

早回しで録画を進め、共同通信杯のレース結果を見終えた。

勝ったんだ。
でも、なんで勝ったんだろう?
というか、本当に、勝ったということなのだろうか?

オウケンムーンの話ではない。
これは僕が、ついさっきまて身を粉にして取り組んでいた、NovelJamというイベントに関するお話である

<続く>

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本連載を読み進めるのと同時に、下記2冊もお楽しみください。

◆平成最後の1日を、逃げる二人の行く末は? アラサー女子が織り成す優しいロードノベル/新城カズマ賞受賞
藤崎いちか著「平成最後の逃避行」
https://bccks.jp/bcck/153415/

◇怪獣が現実に現れるようになった平成を舞台にした、生きる意味と恋を巡る青春ビルドゥングスロマン!!/海猫沢めろん賞受賞
腐ってもみかん著「怪獣アドレッセント」
https://bccks.jp/bcck/153416

【次回予告】なぜ、僕はNovelJamに「編集」で参加したのか? 応募までの葛藤と決断の理由を振り返ります。お楽しみに!?

第2話はコチラ

どうもです。このサポートの力を僕の馬券術でウン倍にしてやるぜ(してやるとは言っていない)