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都市対抗野球へ、ようこそ!【2019.7.14編】

岡山県代表のシティライト岡山と宮崎県代表の宮崎梅田学園が合間見える大会2日目の第2試合は、1回戦で最も注目されるカードである。両者初出場という点はもちろん、「中古自動車販売店」と「自動車教習所」という、自動車を商材としたサービス業どうしであるという点も、社会人野球ファンとしては興味がそそられるポイントである。なにより、この試合で起こる全ての出来事が、両者にとっては「史上初」という枕詞がつきというのも、いとめでたきことである。

さて、肝心の試合は序盤から動く。2回表にシティライト岡山・妹尾が犠牲フライで先制すると、3回表にも田村のソロホームランなどで2点追加。宮崎梅田先発の古市をノックアウトさせることに成功し、幸先の良いスタートを見せる。
だが、宮崎梅田も次へと繋げるべく、必死の抵抗を見せる。4回裏に国師・上地が連続タイムリーヒットで2点を返す。また、古市に代わってマウンドに登った村田(西部ガスからの補強選手)も、5回表に小竹にソロホームランを浴びたことを除けば、文句無しのピッチング。どこか浮き足立っていたゲームに、ようやく落ち着きが取り戻された。

この試合における最後の「意地」は6回裏に訪れた。ランナー無しの場面で、宮崎梅田のバッターは堤。コーチ兼任のプレーヤーを除けば、最年長の33歳。強打が売りのチームにおける頼れる4番。そんな風格が漂うバッターは、綺麗にバットを振り抜いた。打球は弧を描きながらライトスタントへ消えていく。美しいホームランを、最も長くチームに貢献し続けたプレーヤーが放つ。素晴らしいプレゼントではないだろうか。

結局、試合は4ー3でシティライト岡山が勝利した。2回戦は最も都市対抗野球の経験がある大阪市・日本生命とのカードである。そして、敗れた宮崎梅田学園もまた、再び東京ドームを目指し、新たな歴史を築き始めるのである。

   ◆

ところで話は変わるが、今日のシティライト岡山応援席にはタレントのルー大柴氏が来場していた。社のCMに出演しているご縁があってのことであり、オーロラビジョンにも何度も流されていた。
そのルー大柴氏がなんと、応援団席に上がって応援を始めたのである! 声をあげ、チアスティックを叩き続けたのはもちろん、(応援歌のリズムを無視した)独特の踊りで選手を鼓舞し続けた。1塁側応援席からもはっきりわかった。赤色のボーダーシャツを着た人間が放つ、独特のオーラが…。

ここまでなら「目立ちたがりのタレントの暴走では?」と思われがちだが、そうではないことも試合後にわかった。ルー大柴氏は試合後のエール交換の最中も、しっかりと直立不動で1塁側応援席を見つめていたのだ。ちょっとだけ試合を見ておいとまする有名人も少なくない中、氏の応援が本物であり、この試合に敬意を払ってトゥギャザーして下さったことを、非常に嬉しく思う

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