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【IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ 2019】に関する個人的雑感

視覚障害者によるサッカーこと「ブラインドサッカー」。今年も品川区の天王洲公園にて、「IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ 2019」が5日間にわたり開催された。昨年に続き2回目の開催となる。東京パラリンピックの競技会場になることもあり、会場の賑わいや観客数も前年以上の感があった。

さて、3月24日の大会最終日には順位決定トーナメントが開催されている。日本代表はグループリーグを2勝1敗で勝ち抜いたものの、前日の準決勝はイングランド代表に苦杯を舐めた。
3位決定戦の相手はスペイン代表。世界ランク4位(※日本は9位)の強豪である。グループリーグ戦は日本が勝利しただけに、ここはリベンジの機会としたい。

前半から両者は一歩も譲らない展開。スペインでサッカーと言えば華麗なパスワークを想像しがちだが、ブラインドサッカーにおいては「パス」ほど難しいものはない(視覚に基づいて相手に向かってボールを蹴り、受け止めるのがパスワークである)。スペインの持ち味は身長が高いプレーヤーたち(日本代表よりも10~20は上!)によるフィジカルの強さ、そしてボールキープ力である。特に背番号7・セルヒオの強さは際だっていた。
だが、日本代表も果敢に立ち向かう。ロベルト泉を中心とした堅いディフェンス、そして激しいチャージでボールを果敢に奪う。GK佐藤のセービングも安定していた。前半はお互いにチャンスがつくれず、0ー0で折り返す。

後半もその流れは続いた。日本代表は残り12分の段階で4つファールを与えてしまったが、その後は落ち着いて守り続ける。しかし、シュートチャンスをなかなか作ることができない。川村・黒田の新旧エースをピッチに立たせ、何とか彼らにボールを預けようとするも、ゴール前にそびえるスペインの高い壁を崩すには到らない。
そして、後半終了残り4分。いったんピッチから退いていたセルヒオが再び投入された直後だった。カウンターを仕掛け、すぐさまセルヒオにボールが渡る。日本も2人マークをつけていたが、それをものともしない見事なドリブルでペナルティエリアに進入し、そのままシュート。待望の先制点をスペイン代表に与えてしまった。
その後はスペイン代表がしっかり試合をクローズさせ、タイムアップ。強豪相手に大いに健闘したものの、攻撃面ではまだまだ工夫が必要であることを感じさせた。

近くの喫茶店で休んだ後、僕は後半だけ決勝戦を観ることにした。対戦カードはアルゼンチン対イングランド。アルゼンチンは世界ランキング2位であり、この試合に勝てば大会連覇となる。
そんなアルゼンチンの強さが、ただただ際だつ試合だった。素早くテンポの良いドリブルでボールを確実にキープし、着実にゴールへと近づく。そして、放たれるシュートは力強い。

呆気にとられているうちに、日本代表が世界との距離を近づけるために大切な要素が浮かび上がった。一つはシュートの威力を増させることだ。GKとは数メートルの距離でシュートを放つだけに、正確性よりも強さの方が相手に驚異を与えやすい。
もう一つは思い切りの良さだ。先のスペイン戦では打つか、キープするかを迷っている内に、相手ディフェンスに詰め寄られてチャンスを逃すシーンが散見された。一方、アルゼンチンの場合はチャンスと思えばミドルシュートも放っていた。フリーのシーンはもちろん、目の前にディフェンスがいても躊躇無いのが特徴的だと感じた。

東京パラリンピックまであと1年半。パラスポーツの中では特に人気もあり、今大会も多くの観客と丁寧なホスピタリティが溢れていた。それだけに、残るは「実力」の面のみだ。来年も同じ時期に同じ会場で行われる前哨戦で、それなりの結果を出すことが求められるだろう

どうもです。このサポートの力を僕の馬券術でウン倍にしてやるぜ(してやるとは言っていない)