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介護とBTSなんです 改めてJIMINちゃんを考える

初めて聞いたとき思わず笑った韓国のジョーク。

韓国人女子が韓国人男子と話すとき、絶対にやめてほしい話題。それは、
①サッカーの話
②兵役の話
③兵役でサッカーをした話

いや何となく分かります。完全にマウントを取られるんでしょうね。

BTSの皆さん、全員が入隊しました。いわゆる軍白期というやつ。
それでも人気グループだけに入隊後の話題や画像がアップされています。アップされるとどうしても見てしまう。見てしまうんですけど、軍服姿で凛々しく敬礼している姿を見ると、何か胸が痛くなります。健気で。

Microkosmosで
 ひとりひとつの歴史
 ひとりひとつの星
 70億個の光できらめく
 70億種類の世界 (翻訳者さま、ありがとうございます)
と歌ってくれた彼らが今、軍人という職務についています。
韓国の事情があって、他国の人間がとやかく言う権利はありません。
でも、徴兵制は残酷です。愛を歌う彼らが今、武器を手にしている。
そして、ひとりの青年に戻っているにも関わらずBTSゆえに注目され、軍人として称賛されている記事を読むと、どこにいても彼らは気を休めることができないんだなあと、いや真摯に職務を遂行している彼らには失礼ですね。ただ、過酷な人生を彼らは選んだんだなあと今さらながら思います。

軍白期のタイミングで「BEYOND THE STORY」が刊行され、DISNEY+では「BEYOND THE STAR」が配信されるという何かうまいこと乗せられてる流れがあって。
結局DISNEY+に課金。最も敬愛するJIMINちゃんのことが知りたかったので。 

JIMINちゃんと言えば、K-POPの多くの後輩たちがロールモデルにするという人気者。そのパフォーマンスを見ればそりゃそうだろうと思います。
ただ、彼が多くの後輩たちに注目されるのは、それだけではないと思うんです。大変語弊のある言い方ですが、彼がロールモデルになるのは、彼が「普通の人」だから。普通の人である彼が、なぜあそこまで昇りつめることが出来たのか、そのプロセスがロールモデルになったのではないかと思うのです。

DISNEY+で、なぜあの7人がBTSになったのかという理由についてパン氏が語っていました。
RM氏については言うまでもなく。(有名な話なので)
SUGA氏には「どことなく闇を抱えている姿に心を惹かれた」
J-HOPE氏は「誠実で真面目」
JIN氏は「イケメンでアイドルグループに必要な存在」
V氏とJK氏には「大きなポテンシャル」を感じた。
そしてJIMINちゃんについては、
「才能もあるし魅力的なキャラだったけど、まだまだだと思ったので選ばないつもりだった」と。

今となってはパン氏の慧眼に誰もが納得ですが、JIMINちゃんについてのコメントも「あぁ、そうなんですね」と、どことなく納得。
パン氏が何をもって「まだまだ」と感じたかは分かりませんが、JIMINちゃんの性格に依るところも大きかったのでは、と想像しています。あくまで想像ですけど。

JIMINちゃんは本人も言ってる通り、大変な人見知りだそうです。
繊細で、常識的と言う意味で賢く、用心深い。ある意味V氏やJK氏のような鈍感力?(悪口じゃないですよ)を持ち合わせていないというか、芸能界では必須条件のキラキラ感が薄いというか、ダンスという武器は持っていたけど、他の部分では物怖じして自分をさらけだすことが苦手だったのではないか。パン氏はそこに表現者としての足りなさを感じたのではないでしょうか。
言い方を変えれば、JIMINちゃんの魅力はパン氏の慧眼をもってしても見抜けないほどに、人見知りと言う性格の中に覆い隠されていた。
幸いにも彼の魅力を見抜いたスタッフがパン氏に強く進言したことで今のJIMINちゃんがいるのですが、おそらく10年以上たった今でも、彼の性格は大きく変わってないように思えるんです。何だろう、誰にも侵されたくない、知られたくない、という心の領域が人より強いというか。
勿論、他のメンバーにもそれぞれにそういった領域はあるでしょう。でも他のメンバーは様々な経験を経て、それなりの折り合いをつけて大人になっていっているのに、JIMINちゃんは頑なにその領域を守っているような気がするのです。守っているというより、崩せなくてまだまだ葛藤がある、と言った方がいいのかな。どっちだろう、分からない。

ただ、私はこういう人って世の中に意外と多いんではないかと思うのです。
一般論になりますが、人見知りの人は対人関係に不安を持っています。しかし決して人嫌いではなく、むしろ人とつながりたいという気持ちは大いにあります。なのに相手にどう思われるかが気になって本来の自分を出すことができない。警戒心のかたまりです。だから余計に緊張して「本来の自分」すら自分で分からなくなったりして、下手すると「私は私」という自己肯定感を持つことも難しくなる。結構しんどいんです。
そしてそれは、まさに「LOVE MYSELF」が心に刺さる人。
「こんな私でもええやん」て自分を許せない人。
JIMINちゃんが「普通の人」だと思うのは、そういう意味なんです。
今でこそキューティ・セクシー・ラブリーの代名詞となっているJIMINちゃんですが、時折見せる人見知り感にグッとくる人は多いのではないでしょうか。とりあえず私はグッとくるんです。
JIMINちゃんのキューティ・セクシー・ラブリーが本来的に彼が持っている才能だとすれば、その才能を引き出したのは他のメンバーたち。JIMINちゃんの心を解きほぐし「何があっても受け入れるし、どんな君でも君なんだよ」と言い続けてくれたメンバーあってこそではないかと思います。

当初「選ぶつもりはなかった」と言ったパン氏の見立てを見事にくつがえし「(もし選んでなかったら)ぞっとする」とまで言わしめたJIMINちゃん。押しも押されもせぬ愛されキャラになりました。
にも関わらず、どうしても拭えない違和感。愛されキャラは才能かもしれないけど、どこか彼の本質ではないような。先ほど言った心の領域の部分。なぜそう感じるんだろう。

例えば誕生日のコメント。「祝って貰えて嬉しい」と言いつつ「自分にとって誕生日は特別な日ではない」と語っています。
韓国では数え年と聞いたことがあるので、その慣習から誕生日を特別視しないのかなとも想像できますが、他のメンバーからはそういったコメントは聞いたことがないし、実際に誕生日を祝う動画もたくさんありますよね。誕生日って1年の中でも自分自身をいちばん意識する特別な日だと思うんですが、彼にはそういった意識があまりないらしい。日本との慣習の違いなのかは分かりませんが、何か自分を突き放しているような感じ。

あるいは昨年のRM氏&V氏入隊の日の動画。JIMINちゃんはJK氏に「早く坊主にしなよ」と言われています。だって翌日に入隊を控えているんですよ。入隊するぎりぎりまでBTSでいたい、という気持ちがありありと感じられます。

で、それに関連して、ちょっと衝撃的だったのがDISNEY+で見せてくれたJIMINちゃんの自宅です。当然、広くて豪華なんです。だけど殆ど何もない感じ。無機質で必要最低限の物しかないような。

介護業界には「帰宅願望」と言う用語があって、施設で暮らす認知症の人は本当にしばしば「家に帰りたい」と訴えるんです。それほどに自分の家というのは安心できる場所。自分にとってかけがえのない場所なんですよね。
DISNEY+でもRM氏やV氏がちょこっと自宅を見せてくれるんですが、どちらもそれぞれの個性や美意識で彩られていました。JIMINちゃんにはそういった趣味がないのかも、と言ってしまえばそれまでなんですけど、本当にガランとしている。

そして感じたのは、彼が思う本当の居場所はここではないんじゃないか、彼が本当に安心できる居場所はBTSの中にしかないんじゃないか、ということでした。
勿論、居場所があるのは幸せなことなんです。ただ、これってちょっと厄介な気がします。なぜなら、もし、もしもですよ、もし万が一BTSが無くなってしまったら彼はどうするのか。
共同生活を終えるということは、ある意味それぞれが自立するということです。自宅を彩るということは自立がうまく行っている証だと思うんです。そして自立できている人は孤独との付き合い方も多分、うまい。

私が感じる違和感は、絶大なる愛されキャラでありながらも、まとわりついて離れない彼の孤独なイメージです。人見知りであるがゆえに併せ持ってしまう孤独感。メンバーに愛され、多くのファンに愛され、その愛を実感しているはずなのに、最後の最後にはその愛を疑ってしまう自分。本当に愛される価値があるんだろうかと常に疑い続けている自分。そうしている間は答えなど出るはずもないのに。

JIMINちゃんがJK氏と同伴入隊するとの記事を見たとき「そんな制度があるんだ」と知りました。同伴入隊の理由は知りません。だけど彼の持つ孤独感を周りの人は心配したのではないでしょうか。1年半の間BTSでなくなるということで、すなわち彼の居場所がなくなるということで、彼の心が壊れるのではないかと。いや想像ですよ、違ってたらごめんなさい。

DISNEY+で、JK氏がJIMINちゃんの自宅で料理を作っている場面があるんです。それを眺めるJIMINちゃんの表情が本当に幸せそうで。その数秒を見るだけでも月額990円以上の価値があるというぐらい。で、ついでにJK氏に説教までされて。どっちが年上?

JIMINちゃんの才能と実力なら、もしBTSでなかったとしても絶対に成功していたでしょう。
だけどやっぱりBTSで良かったねって。
「LOVE MYSELF」という普遍的なメッセージを伝えてくれるBTSの中で生きてきて、多分、彼自身もそれを学んでいる。
私が彼に持つ違和感はいつの日か拭い去られるのかな。
もしその時がきたとしたら彼を心から祝福したいし、世界平和も夢じゃないって思えるかも知れません。


最後までお読み下さった方は本当にありがとうございます。
JIMINちゃんの「人見知り」から想像が逞しくなってしまいました。
きっと彼は私などが思うより遥かにタフですよね。
早く帰ってきてほしいです。










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