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介護とBTSなんです RM氏の「炎上」に思うこと

RM氏のインスタが「炎上」している、と知ったのは8月30日のこと。
何で?何が?と気になって検索してみました。
「炎上」の内容とは彼が8月16日に上げたFrank Ocean氏の「Bad  Religion」と言う楽曲についてです。
この楽曲にはイスラム教徒を侮辱する内容が含まれており、それを共有したRM氏はイスラム教徒に謝罪すべきだ、というものでした。
申し訳ないことですが、私はFrank Ocean氏も「Bad  Religion」と言う曲もこの時に初めて知りました。
2012年にリリースされた曲だそうです。
早速聴いてみました。
幸い和訳して下さっている方がおられたので、それを拝見しました。
そして感じたのは、
これはイスラム教を侮辱している曲なのか?
ということでした。
タイトルこそ「Bad  Religion」と名づけられていますが、
これは彼が自らのセクシュアリティをテーマにした楽曲です。
セクシュアリティを語ることは自分のアイデンティティを語ることと同じですから、聴いててしんどかった。でも素晴らしい楽曲だと感じました。
RM氏もそれで共有したんだと思います。

ですがこの楽曲はイスラム教徒の人々の怒りをかいました。
イスラム教は悪い宗教なのかと。
私のように信仰を持たない人間が首を突っ込んではいけないテーマなのかもしれません。

ただひとつ、この騒動に関連して思い出したことがありました。それは先日公開されたアメリカ映画「バービー」の炎上についてです。何か話が飛んでない?と思った方はすみませんが、少しご辛抱を。

これはご存知の方も多いと思いますが、
アメリカではこの「バービー」と、原爆の父とされる人物の伝記映画「オッペンハイマー」が同時公開されたということで、バービーと原爆を掛け合わせる画像が多数Twitterに上がったこと、それをアメリカの公式アカウントが「いいね」したことに始まる騒動です。

私もその無神経さに嫌悪感を持ったひとりです。
広島の原爆資料館に行った時の衝撃は何十年たっても忘れられません。
絶対に冗談にはしてほしくない。これは理屈ではない。
友人知人に広島長崎の人がいる訳ではないけれども、被爆国に生まれた自分としてはもう感覚的に許せないんだ、という嫌悪感です。
それで思ったんです。
イスラム教徒の人たちの怒りはこの感じに近いのだろうか、と。
違うのかな、浅はかな考え方でしたら本当に申し訳ありません。

8月30日のWラでRM氏は「宗教を侮辱する考えは全くない」と語っていました。
本当にそうだと思います。ただただ良い楽曲だと思ったから、好きだと思ったから共有したんだと。つまり「歌なんです」と。それ以上でも以下でもないんだと。

分かります。
RMさん、言いたいこと何となくですが分かるつもりです。
RM氏自身デビューしてから本当に大変な日々を送ってきたと思います。
面と向かっての侮辱、匿名での侮辱、彼は侮辱されることの悔しさを知っている人だから、同じことを誰かにするはずがない。
本当にそう思います。

ただ、もうひとつ思い出したことがありました。
少し脱線するようで申し訳ないのですが、私が若い頃に先輩から聞いた話です。

よく知らない人と雑談するときに、絶対に避けるべき話題が3つある。
それは、政治と、宗教と、野球。

野球? 何で野球?
冗談みたいな話ですみません。でも多分こういうことだと思うんです。
関心がない人にはどうでもいいことでも、関心がある人にとってはすごくセンシティブになる話題であるということ。
そのことで今でも忘れられないのは、ある男性と食事に行ったときの会話です。
その方は結婚されていたので、本当に何気なく「お子さんは?」と尋ねたんです。そしたら「いや、子供はいないんや」と。
そのご夫婦は子供がとても欲しかったそうなんです。で、色々やってみたんだけど、どうしても授からない。それで思い切って病院に検査に行ったそうなんです。そしたら理由が分かったと。
「僕、無精子症なんや」
自分としては場を和やかにするつもりで出した話題が、相手のセンシティブな部分に触れることになってしまった出来事でした。ものすごい教訓でした。

何か脱線してしまいました。すみません。

何が言いたいかというと、
RM氏はWラの中で「これは歌なんです」と語っていました。
どういうことか。
それは「この歌をよく聴いてほしい。彼が何を思い、どう表現しているのかを感じてほしい。歌を歌として味わってほしい」ということではないかと、私は理解しました。
歌とは本来そういうものだと思います。精魂を込めて作られたものなら尚更です。
そうなんです。そうなんですけど、一方では、Frank Ocean氏はなぜ、イスラム教徒の人たちにとって最も神聖な言葉を歌詞の中に入れたんだろう、と思うのです。
先ほどの例で言えば「原爆」という言葉。どんな文脈であれ(文脈は大事ですけど)何かを表現するための形容語として「原爆」という言葉が使われていたとしたら「え?」と感じるであろう自分がいます。いい楽曲だから仕方ないね、とは多分ならないでしょう。本当にその表現しかないの? 簡単に使える言葉じゃないと思うけど、「原爆」についてどういう認識を持ってるのかをまず教えて。ってなると思います。
そういったことをRM氏だったらどう考えるのかな、と思ったんです。

それともうひとつ。
RM氏は「どんな宗教も侮辱するつもりは全くありません。僕は嘘はつきません。僕の言葉を信じて下さい」と語っていました。
はいはい、勿論信じてますよ。とRM氏のファンである私は思っています。
と同時に、本当にこの人は嘘のつけない男というか、正直というか、正直の上にバカがつく?というか、よくそんな性格で、おどろおどろしい芸能界を10年以上も生きて来られたなあと思うのです。
いや、そんな性格だからこそ、BTSの信頼されるリーダーとしてやって来れたのでしょうけど。
あるネット記事によると、Frank Ocean氏「Bad  Religion」の中のイスラム教に関する部分は別の歌詞に差し替えたそうなんです。リリースされた当時もやはり騒動になったそうで、多分、気持ちを害する人がいるんだったら、ということで差し替えたのかもしれません。
にも関わらず差し替えた音源がなかったのか、原曲に敬意を表してなのかは知りませんが、そのままのを上げてしまっている。
これはRM氏にヘイトをかます人たちに対して餌をまいたようなものではありませんか。隙あらば引きずり落してやろうという輩が周りにうじゃうじゃいることは知っているだろうに。
「僕は嘘はつきません」て、ストレート過ぎる。何か他に言い方ないの?
RM氏は「いや、この性格は変えられません」て言うだろうな、とは思うのですが、イスラム教徒の人たちの心情に乗っかったヘイトたちの「炎上」にファンとしては何とも言えない気持ちになるのです。


最後までお読み下さった方は、本当にありがとうございました。
BTSのリーダーとして絶大なる発信力を持つRM氏。その一言が注目されてしまうプレッシャーは大変なものだろうと思います。
だけど私が言いたいことはただひとつ。
正しくても、正しくなくてもいい。
人間やねんもん。これからも人間らしく生きていってほしい。


















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