チリの作家エンリケ・バリオス(Enrique Barrios)が1986年に出版した「アミ 小さな宇宙人」という本は、10歳の少年がアミという宇宙人の手引きでUFOに乗り、地球人が自滅せず宇宙文明に加わるために必要な愛と平和のメッセージの手引きを受けるという内容で、たちまち世界各国でベストセラーとなった。日本でも、さくらももこが挿画を担当したことなども相まって、続編「もどってきたアミ―小さな宇宙人」、「アミ 3度めの約束―愛はすべてをこえて」を含めて「アミ 三部作」として大人気シリーズとなり、数多くの愛読者を獲得した。現在でも熱心な読者が多い。
ところが、数年前に「アミ 三部作」が絶版となり、再販の目途も立っていないことが明らかになって、入手困難な本として古本市場では高値(数千円~1万円以上)で取引される事態となっている。
この辺の事情について、どうなっているのか? と疑問の声が多く上がっているようだが、エンリケ・バリオスの公式HPにおける言明を読むと、作者のバリオス自身の強い意思で旧版を絶版にしていたことが分かる。
日本でこの点について触れたブログなどが見当たらなかったので、作者公式HPからメッセージを翻訳して載せておく。
1995年の日本語版は当初『アミ 小さな宇宙人―アダムスキー マイヤーをしのぐUFO体験』というタイトルで、徳間書店の「超知ライブラリー」というオカルトやニューエイジを扱うシリーズの1冊として刊行され、作者はアダムスキーのような「UFOコンタクティー」として扱われていた。
しかし上の言明から、「アミ」は純粋なフィクションであり、作者の世界観を伝えるために宇宙人という設定を使ったことが分かる。作者がアダムスキーなどの「コンタクティー本」に精通していることは「アミ」の内容から明らかだが、彼自身は「コンタクティー」などではなく、従来の書物からメッセージの部分をすくいとって彼なりの物語を書いたのである。
作者の公式HPには、今年の7月に書かれた「地球外生命(エイリアン)について」と題する二つの文章も掲載されているので、ついでにそちらも翻訳して載せておく。
(追記:この二つの文章はその後HPから削除された)