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SOL講演:ダイアナ・ウォルシュ・パスルカ「UAP研究における科学、人文学、情報機関の統合について」

最近ジョー・ローガンのポッドキャストに出演したり、多くのメディアでのインタビューに答えてUAPコミュニティで著名な存在になっているダイアナ・ウォルシュ・パスルカDiana Walsh Pasulka教授が、専門の宗教学の見地から、自らの実体験を踏まえてUAP研究に関する提言を行った。

こちらの過去記事も参照してもらえたらと思う。

発言要旨:

20世紀半ばからのUAP/UFO研究にはおよそ3つのアプローチがありましたが、ここに関わっている人の多くは、他の人たちが行っている仕事に気づいていないかもしれません。

アカデミックな世界の特徴は細分化です。学者どうしが専門分野を超えて話し合うことはあまりなく、例えば私は宗教学を教えていますが、隣にいる学者が何をしているのかは皆目知りません。そして特にUAPの話題に関しては、研究自体が汚名を着せられていることに加え、国家安全保障上の要因から区分化が極端なものになっています。例えば宇宙生物学の研究者はUAP 研究の公的資金プロジェクトに参加している人々が何をしているのか何も知りません。その逆も同様です。

私は 公的資金によるUAP 研究を「ユーフォロジー(UFO学)」と呼んでいます。MIT で対外生物学の研究をしている人たちは普通私の本を手に取りません。2019 年までは宗教研究者が 1940 年代から今日まで UAPを研究してきたことを誰も知らなかったと思います。

私たちはこれらのアプローチが融合する重要な瞬間にいます。私はギャリー(ノーラン)に感謝の意を表し、彼がこのような研究を行うことで受けた反発を知っているので、彼のやっていることは本当に正しいと感じていると言いました。

最初にプロメテウスの神話について話します。これは約 2,700 年前の神話ですが、おそらくもっと古いものであり、今日でも映画やメディアで何度も語られています。プロメテウスは人間と人間以外の知性の相互作用についての物語であり、その相互作用の主題はテクノロジーです。非人間知性と人間の間にはテクノロジーの移転があり、それがこの神話のテーマです。

プロメテウスは粘土から人間を創造し、神々から火を盗んで人間に与えたと言われています。人間はそれを完成させ、技術的に熟練するようになります。人間は最終的にテクノロジーを使用して悲しいことにお互いを破壊し、プロメテウスは人間に知識とテクノロジーが提供する能力を提供したという間違いのために神から永遠の罰を宣告されます。

この神話は実際ギリシャ文化だけでなく、さまざまな文化で何度も繰り返し語られているので、そのいずれかをご存知だろうと思います。神が人間に贈り物を与え、人間がそれをめちゃくちゃにし、さまざまな方法で罰せられるという物語です。

プロメテウスの神話は歴史の中で何度も書き直されていますが、特にメアリー・シェリーによるこの神話の再構築に注目したいと思います。それは「フランケンシュタイン」という作品で、彼女は 1818 年にこれを「現代のプロメテウス」と名付けました。ちなみにこれを書いたとき彼女は 18 歳でした。

彼女は人間の一部から操作されたレプリカントを製作する科学者の物語を語っています。稲妻が生命を与えます。このレプリカントは自己を認識しています。フランケンシュタインとはモンスターの名前ではなく科学者の名前です。このバージョンでは彼は人間です。フランケンシュタインと彼のモンスターテクノロジーとの関係は最終的に彼の死につながります。

ここで神話を引き合いに出すのは、神話や物語は文字通りに伝えることでは理解できない情報を与えてくれるものだからです。そこでは知識の伝達に関する出来事が象徴的に表現されています。

20世紀にもこのような話が実際にインドで発生しました。シュリニヴァーサ・ラマヌジャンは世界で最も優秀な数学者であり、数学的解析、整数論、無限級数、連分数などのほか、当時解決不可能とされていた数学的問題の解決にも貢献しました。彼は、自分の数学の計算と理論の知識は女神ラクシュミのおかげであると言いました。女神がこれらの定理を完全な形で耳元でささやいてくれたというのです。彼は独学でケンブリッジ大学に進学しましたが、正式な教育を受けていなかったので、同僚は当惑していました。

彼がここで主張しているのは人間ではない知性、女神ラクシュミが彼に知識を提供したということです。つまり神話は彼にとって現実です。 私たちは彼の女神の客観性に疑問を抱くことはできますが、彼が生み出した結果は疑問の余地のないものでした。

Srinivasa Ramanujan 1887-1920

私が 2012 年に UAP 現象の研究を始めたとき、米国とロシアの宇宙計画に携わった科学者の多くが、彼らの得た知識に関してプロメテウス神話のような説明をしていることを知りました。一部の科学者は自分たちの計算式をエロヒムやコンスタンティンと呼ぶ非人間存在に帰していましたし、あるロシア宇宙計画の創設者の一人は、天使のような存在と接触していると信じていました。ジャック・パーソンズも他の存在(彼は天使とは呼んでいませんが)と接触していると信じていました。そこで語られる知識伝達のプロセスはラマヌジャンの場合と同じでした。

私はこの研究を発表するとき、私が話した人々の身元を保護するために仮名を使いました。彼らがアカデミズムの世界でそのようなことを公にすれば、変人扱いされて当惑させられたでしょう。しかしこれが彼らが自分たちのテクノロジーを生み出した方法についての実際の説明だったのです。

私がこれから話そうとしているUAP研究は、宗教と神話の研究の過程で偶然発見したものです。それは70~75年前からずっと続いていたプロジェクトで、「見えないプログラム」と呼ばれていました。ここ数年、その実態を明らかにする証言が毎週のように私たちの前に出てきています。

私がその信じられない、神話的ですらある方法でもたらされたテクノロジーの証拠を見たのは2016年のことでした。ギャリー・ノーランがそれについて話したので知っている人もいるかもしれません。私は当時ギャリーをジェームスという仮名で呼んでいたのですが、彼と私たちの友人は一緒にニューメキシコに旅行しました。

私はこれらのプログラムで働いていた人たちを「インビジブル」と呼んでいました。この研究が存続していたのを知ったことには本当にショックを受けました。私たちはニューメキシコの現場に連れていかれました。そこはUFOの墜落現場で、1940年代に起きた一連の墜落事故の一つの現場であると知らされました。その現場はロズウェルではなく、極秘にされていました。現場に行くにはギャリーと私は目隠しをしなければなりませんでした。

私とギャリーを連れて行った科学者たちは、この出来事が起こったこと、そして衝突破片が発見されたことを疑っておらず、非人間知性が人類の利益のために意図的にそうしたのだと示唆しました。もちろん私には信じられませんでしたが、これはプロメテウスの神話の現代バージョンであるように思われ、ある意味書かざるを得なくなって本にこのことを書いたのです。

この破片回収の出来事からインスピレーションを得たもの、またリバースエンジニアリングされたものは、ラマヌジャンの数学のように、客観的には本物でした。私はこれらのコミュニティの外部の人間として、その具体的な産物のいくつかを目撃しました。

私が現地調査で出会った科学者たちは地球外生命体や人間以外の知性から技術や技術製品を入手していることを信じていたので、その場所を「ドネーション(寄進)地区」と呼んでいたのですが、それはある意味でそれらの存在に対する敬意の現われでした。このようなUFO研究は相対的に目に見えにくいところで、ある種の宗教的といっていいような方法で行われてきたのです。

そして次の研究に進みます。「見えないプログラム」に関する情報が一般に漏洩し、それが公的なUFO研究に影響を与えました。 第二の研究はUAPの公的な調査であり「ユーフォロジー(UFO学)」と呼ばれ、歴史的にしばしば中傷される分野ですが、最初はジェームズ・マクドナルド博士のような学者が行っていたものです。マクドナルド博士は海軍省から資金提供を受けて物理学者として訓練を受けた人物で、彼が研究をしていた頃は、ユーフォロジーという言葉は嘲笑の言葉ではなく、尊敬すべき言葉でした。

私はUFOに関する初期の記録を熟読し、軍人や科学者を含む一般の聴衆に学術講演を行いました。私が調べたところでは、ダグラス博士のような人々は、何の不名誉な示唆もなく物理学者、動物行動学者として言及されていることがわかりました。アラン・ハイネックによる接近遭遇基準のような定義を作ったのはユーフォロジーであり、UFO目撃者からデータを採取する際の証言の真偽を識別するためのフィールドワーカーを訓練したMUFONのような機関と協働していました。

この公的資金によるUFO研究は、当時の諜報機関コミュニティ、または私が「見えないプログラム」と呼んでいるものに触発され、影響を受けたものであることに注目すべきです。これら2つのアプローチの相互影響については非常に調査困難であるため、いくつかの注目点のみを紹介します。

「ユーフォロジー(UFO学)」と呼ばれる一般向けの学問のハイライトの一つは、ジャック・ヴァレ『マゴニアへのパスポート』です。

ジャック・ヴァレはマクドナルド博士と同じように訓練を受けた学者でした。この本は民間伝承や妖精信仰のようなヨーロッパの伝統の歴史的記録と現代の UFO に関する報告との共鳴を深く掘り下げたもので、飛行物体の歴史的な目撃記録です。

ヴァレの本は多くの点で私の分野である宗教研究の本のように読めます。煉獄とカトリックの教義に関する私自身の研究でも、多くのヨーロッパのカトリック教徒が、球体や空中の物体に直面したとき、それを煉獄から来た魂、天使、悪魔であると解釈しており、元の場所に戻るように祈る必要があったとされています。だから私はこの本を読んだ時には共感しました。

これまで私は、最初のアプローチをUAPの「目に見えない研究」、2つ目を
「ユーフォロジー」と呼んできましたが、3番目のアプローチはUAPの学術的な研究であり、その代表的な学者がハーバード大学の精神科医 ジョン・マックであることはよく知られています。

このテーマを研究している多くの学者は UFO 事件を体験した人々だけでなくユーフォロジーからもインスピレーションを受けています。ジョン・E・マック 博士はこのトピックを研究した学者の典型的な例です。彼はバド・ホプキンスの影響を受けていますが、バド・ホプキンスは空中現象だけでなく、第三種および第四種の接近遭遇を経験したであろう存在を見た人々の主観的経験に焦点を当てました。

マック博士の二冊目の著書『パスポート・トゥ・ザ・コスモス』(邦訳『エイリアン・アブダクションの深層』ナチュラル・スピリット社、大野龍一 翻訳)というタイトルはおそらく ジャック・ヴァレの著書『マゴニアへのパスポート』に言及していると思われます。

おそらくここにいる誰もが、マック博士がその研究方法について大学から内部調査の対象となったことを知っているでしょう。彼は終身教授で、すでにピューリッツァー賞を受賞した学者でしたが、それでも調査を受けたのです。調査の結果、彼の研究方法は健全で倫理的であることが明らかになり、より重要なことに彼自身の研究の正当性も認められました。非人間知性による存在を観察し、彼らと交流し、第三種および第四種の接近遭遇の体験をしていると主張する人々が精神的な病状を示しておらず、通常の人々と同様に心理的に正常であることが判明したことが認められました。

天文学者および歴史家として訓練を受けたもう一人の学者はスティーブン・ディックです。 彼は現在ガリレオ計画の研究チームに所属しており、私は彼の研究をフォローしていて、2012年から彼と交流しています。地球外生命体の学術的および実証的研究におけるスティーブンの仕事は歴史的かつ先見的であり、彼の著作には複数の世界として知られる西洋の伝統における生命の探索というテーマが含まれています。

宇宙生物学は生命の起源と進化、そして生命の未来の研究でもあります。宇宙生物学の目標の1つは地球外生命体の探索です。彼はいくつかの予測をしました。その1つは、非人間知性はポスト生物学的になるだろうというものでした。それはAI(人工知能)になるだろうと彼は約 20 年前に言いました。バイオテクノロジー遺伝子工学や AI を通じて知能を向上させる機会が与えられた場合、人間社会は危険を冒してまでそうすべきかどうかという問題に直面することになります。

2019年に私の研究が出版されたとき、非人間知性についてのスティーブンの予測は私にとって宗教的なものと思われました。宗教の基礎は非人間知性との接触にあるからです。そして私は私のグループに彼の論文を見せました。
彼らは、スティーブンの予測と量子生物学や量子コンピューターとの関わりや、シモーネという人の知識拡大の原理との関連性を指摘してくれました。

今日ここで第4の研究アプローチが生まれつつあります。それを「UAP 学際的研究」と呼ぶこともできますが、どうもしっくりきません。

私自身を例として挙げれば、私がUAPについて研究するようになったのは偶然の出来事でした。私は何年も宗教学者として活動してきたのですが、その研究生活のほとんどは文化的事象の記録に関するものでした。そしてその中には回転する円盤などへの言及が含まれていました。そんな中で「見えないプログラム」の人々と出会ったのです。

ニューメキシコに私と一緒に行ったタイラーはこのプログラムの人物で、彼は米国の宇宙計画で働くミッション管制官であり、今も私たちは一緒に仕事をしています。私たちはバチカンに行って、歴史的な奇跡現象があった場所を特定し、これをUFOホットスポットと関連付け、データを生成しました。これは興味深いコラボレーションだと思います。これは私と他の研究者が行っている多くのユニークでありそうにない研究共同作業の一例にすぎません。

当初の予定では、私たちは現代のプロメテウスの神話の作者になれると言うつもりだったのですが、実際にはそうはならないかもしれません。それでも第4の研究アプローチは新たな現象であり、それはうまくいくかもしれません。いずれにせよ今の時点ではそれを続けて行こうと思います[拍手]

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