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PAUPER SUMMIT CUP2に出てきたの話

↑前回のあらすじ

●Prologue

埼玉のスラム街で一人の浮浪者がゴミを漁る。
その目に生気は無く、その腕に力は無く、その心に希望は無かった。
ただ胃袋を虚無以外の何かで満たすことに微かに残った生命力を消費していた。

ルーチンと化したゴミ漁りが済むと浮浪者は暑さを凌ぐように日陰で踞る。そうやって時間が過ぎるのを待つのが日課であった。

浮浪者の前に菓子パンが投げ込まれた。
時折発生するご褒美だ。この世は慈悲と慈愛で満ちている。
浮浪者はエサにたかる甲殻類のようにゆっくりと腕を伸ばし、クリームと書かれたビニールを破いて久しく口にしていない人並みの食べ物の味を噛み締めた。

???「ついてこい。あんたの死に場所はここじゃねえ」

浮浪者は菓子パンが投げ込まれた方向を見上げた。首の骨と筋肉が音を鳴らした。上を眺めるという行動をずっとしていないなかったなと浮浪者は頭の片隅で思った。

???「第一回PauperSummitCuP第9位松籟。出番だ。くたばるならそこでくたばれ」

浮浪者「あ、あんた達はっ・・・PauperMTGの3人・・・!」

地獄より暑く厳しい夏が始まろうとしていた(訳:PauperSummitCuP2に出てきたYO!!あと暑いって言ったけど雨だったYO!!)

というわけで今年最大のイベントが始まる。

会場は渋谷某所のホテルを貸し切って行われた。
屈強なガードマンの入念なボディチェックを受け入場。殺気立つ会場内。いつドンパチが起きてもおかしくない状況である(個人の感想です)。それもそのはず。先日高田馬場某所で貧民の神が決まった。今日は貧民の王が決まる。貧民の王である証が本日の賞品である。

優勝賞品は盾。

優勝者の盾が欲しい。
めちゃくちゃ欲しい。
シールダーになりたい。
いまは遥か理想の城-ロードキャメロット-を使いたい。

いつだってこの星の一等賞になれない僕は、この腐敗した世界に堕とされてからトロフィーとか盾とか貰ったことが無いのでハチャメチャに欲しい。先日もGP旧枠モダンで優勝トロフィーをあと一歩のところで取り逃してしまったので今「トロフィー欲しい欲」が尋常じゃない。

どれくらいトロフィーが欲しいかと言うと、目の前にPPSC優勝の盾と1000万円を置かれてどちらかをくれると言われたとしよう。僕は口元に余裕の笑みを浮かべ、すました顔で迷わずに1000万円を取る。

・・・うん。クソデカ比較はよくないな。あれだ。Nintendo Switch 有機ELモデルとPPSC優勝の盾どちらかくれるって言われたら優勝の盾を選ぶ。選ぶぞ。

使うデッキはもちろん動物園。
ニューカペナの街角、バルダーズゲートの戦い、ダブルマスターズ2となんだかんだ毎回強化されているけど自分しか盛り上がっていない。

『動物園』
4 《舞台座一家の中庭/Cabaretti Courtyard》
4 《高山の草地/Alpine Meadow》
2 《冠雪の山/Snow-Covered Mountain》
3 《冠雪の平地/Snow-Covered Plains》
9 《冠雪の森/Snow-Covered Forest》

4 《野生のナカティル/Wild Nacatl》
4 《実験体/Experiment One》
4 《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》
4 《道の探求者/Seeker of the Way》
2 《宝石泥棒/Jewel Thief》
3 《呑気な豚使い/Carefree Swinemaster》
4 《雪崩し/Skred》
4 《変異原性の成長/Mutagenic Growth》
3 《怨恨/Rancor》
4 《魔力変/Manamorphose》
3 《アルマジロの外套/Armadillo Cloak》

サイドボード15
2 《フェアリーの忌み者/Faerie Macabre》
3 《紅蓮破/Pyroblast》
4 《破壊的一撃/Shattering Blow》
4 《軍旗の旗手/Standard Bearer》
2 《未達への旅/Journey to Nowhere》

アカシックレコード

●デッキ調整箇条書き

地球上で自分しか使ってないデッキの調整の経緯を書いても仕方ないので改善点を軽くひとつまみ。

・《実験体/Experiment One》を得て1マナアタッカー8枚体制。今、動物園は最強に成った。東武動物公園からヨセミテ国立公園くらいにはパワーアップした

・世はバーン環境。《道の探求者/Seeker of the Way》4は確定。イニシアチブデッキは無理なので、イニシアチブデッキを食うバーンデッキを狩る

絶対に1ターン目と2ターン目にクロックを置くことを妹に誓ったコンセプト
→《豊かな成長/Abundant Growth》を含めて実質タップイン12枚体制だったが、《豊かな成長/Abundant Growth》を《魔力変/Manamorphose》にすることで8枚にまで減らし潜在的テンポロスをなくした。《豊かな成長/Abundant Growth》と違って2回目の変換が出来ないリスクはあるが、三色デッキなのに《実験体/Experiment One》→《野生のナカティル/Wild Nacatl》→《怨恨/Rancor》みたいなGGGを捻出する尾田栄一郎が描く女性キャラばりにワガママボディなムーブが取れる。リスクは増すが1度だけのマナフィルターなので受け入れる。これは勝つためのリスク

・テンポを最重視した関係で《未達への旅/Journey to Nowhere》が抜けている。タフ4以上出されてビタ止まりしたくないので《稲妻/Lightning Bolt》を《雪崩し/Skred》に変更。基本土地が氷雪になってしまいテンションがやや下がるデメリットはあるが地上のクリーチャーがダメージを通すには雪には崩れてもらう必要があるのでやむなし

・《ケンクのアーティフィサー/Kenku Artificer》がどうしようもないので《コーの空漁師/Kor Skyfisher》はリストラ。これも《豊かな成長/Abundant Growth》を抜いた理由の一つ

・《塵は塵に/Dust to Dust》は撃てないと気付いたので《破壊的一撃/Shattering Blow》を採用。土壇場で注文してリスト提出締め切り当日の夜に届いたため、一番破壊したのは自分のスケジュールな気がしないでもないが、なんにせよこれで絶対にアーティファクトランドを殺す。なお

・3マナ域の採用枠として、唯一素で3点火力に耐える《呑気な豚使い/Carefree Swinemaster》を採用。こいつに《アルマジロの外套/Armadillo Cloak》を安全にエンチャントすることで赤単を殺すことができる

・とはいえ《宝石泥棒/Jewel Thief》のカードパワーも捨てがたいので2枚だけ採用。代わりにモダホラ2ドラフト1位の《戦旗皮のクルショク/Bannerhide Krushok》が2軍落ち。ごめんよ

うん。求められている情報はこんなもんか(放送見たアピール)。

間違いなく歴代最強。既存の型に囚われない最新型の動物園である。

つまりどういうことか。

コナン「妙だな・・・こいつ優勝した時に使うはずのクソコラを大会結果の前に貼ったぞ・・・?」

●大会内容

今度こそなるぞ。貧者の王に。
ちなみに神決定戦~パウサミの3ヶ月ちょいの間に
・新型コロナウイルス感染 ”2回”
・アレルギー性蕁麻疹
・逆流性食道炎
・ウイルス性胃腸炎
にかかっている。パウサミ当日には全部治したが、五体満足でパウサミに出ている時点でかなり奇跡に近い

1回戦 赤黒拷問生活
初戦でフィーチャーテーブル。世界が注目している。

でもスリップは書くのめんどくて松音って書いてたのはないしょ
カメラ映りに配慮するフィーチャーテーブルとして規範的行動をする2人

ブラッドバーンかと思ってたら拷問生活だったのでビビる。そんなメタ外のデッキいきなり使われるとびっくりしてしまう。マンボウだったら死んでた。
ゲーム内容としてはとにかくアンコウで止まる。序盤のテンポを重視して《戦旗皮のクルショク/Bannerhide Krushok》と《未達への旅/Journey to Nowhere》を抜いたツケを序盤も序盤で払わされるとは思ってなかったんだが?
そんでナカティルも実験体も2/2で止まる。怪物になったんじゃないのか。成長しろ。せめて3/3にはなれ。何で途中で成長止めてんだよエヴァンゲリオンのパイロットかよ。

ゲーム内容としては動画を参照してほしい(薩摩武士の方言で「負けた」という意味)

0-1

2回戦 バーン
今回の仮想敵。メインフル投入の《道の探求者/Seeker of the Way》と《怨恨/Rancor》を減らしてまで採用した3枚の《アルマジロの外套/Armadillo Cloak》がバーンへの殺意を如実に表している。
見せてやるよ東武動物公園からヨセミテ国立公園にパワーアップした動物園の力を・・・

2-1
1回戦とは打って変わって《野生のナカティル/Wild Nacatl》が完全体になれる上に《アルマジロの外套/Armadillo Cloak》の該当をエンチャントして《変異原性の成長/Mutagenic Growth》まで構えられる最強の手札。勝った。流石に5/5魂の絆のナカティルで1回殴れば勝ちである。
慎重に《野生のナカティル/Wild Nacatl》に《アルマジロの外套/Armadillo Cloak》をエンチャントする。フルタップであるが手札には《変異原性の成長/Mutagenic Growth》。実質タフネス7。最強生物である。ターンを返して返ってくれば勝ちと言っても過言ではない。
長い間パウパーシーンを一緒に走り抜けてくれた《野生のナカティル/Wild Nacatl》。愛着は半端ない。1/1から3/3になる様は娘の成長を見るかのようである。
《野生のナカティル/Wild Nacatl》に《稲妻の連鎖/Chain Lightning》が飛んでくる。大丈夫。うちのナカティルは3点じゃ死なない。続いて《稲妻/Lightning Bolt》。ここで《変異原性の成長/Mutagenic Growth》をキャスト。耐えた。タフネス7は無敵である。

7-3-3=1 Q.E.D

対戦相手「ダメージ入っているので《針落とし/Needle Drop》をキャストします。7点でナカティル落ちます
ぼく「なん・・・だと・・・?」
落ちるナカティル。走馬灯が脳裏を過る。
ナカティル1/1「オギャー!オギャー!」
ナカティル2/2「ナカティル大きくなったらパパのお嫁さんになるの!」
ナカティル3/3「パパの下着と一緒に洗濯しないでって言ったでしょ!」
ナカティル5/5「お父ざんっ。いままでありがどうございまじだっ。私はアルマ次郎さんと幸せ-ライフリンク-になります・・・」
ナカティル7/7「この戦いが終わったら水族館に行きたかったな・・・」
ぼく「ナカティーーーーーーーーーーーール!!!」

まさかのナカティル陥落。手札3枚は使われているが、こちらの手札も枯れたのでそのまま《火付け射手/Firebrand Archer》に殴り殺されて負け。

2-2
《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》が殴ってくるも、圧倒的タフネス4が売りの《呑気な豚使い/Carefree Swinemaster》が地上をガッチリキャッチ。まぁ地上止めても火力全部顔面に飛んでくるからバーンって言うんだけど

0-2
バーン絶対殺すとはなんだったのか。東武動物公園からヨセミテ国立公園になったのではないのか。

巨大な動物園って火事にクッソ弱いんだよね。

3回戦 黒緑アグロ
最下位卓である。なんかこのテーブル知った顔しかいないな・・・

3-1
ダブルマスターズ2022でコモン落ちした《屑肉の刻み獣/Dreg Mangler》が走ってくる。個人的にめっちゃ好きなクリーチャーである。
最終的にこちらの方が殴る3/3が多いので勝ち。

3-2
3/3をたくさん展開しようとしたところで突如現れる《湿地帯のグロフ/Bayou Groff》

うわでっか
タフネス4て
なんやこれ
 芭蕉

1回戦の《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》ビタ止まりのトラウマが蘇るも、持っててよかった《雪崩し/Skred》。《稲妻/Lightning Bolt》だったら死んでた。

1-2

4回戦 マッドネスバーン
プーさんだ!

4-1
復活の《野生のナカティル/Wild Nacatl》。7/5魂の絆トランプルでゴリゴリライフゲインした上で、相手の《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》ブロック+火力による相打ちプランをトップから降ってきた《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》で狂わせて勝ち

4-2
《魔力変/Manamorphose》のインチキ色変換で序盤から3体の《実験体/Experiment One》を並べ、《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》→《野生のナカティル/Wild Nacatl》で全員3/3にして轢き殺す。

まごころ込めて3/3にしました。

フェルマーの最終定理、フィボナッチ数、ゲーテルの不完全性定理、数学を極めた自分だから"理解る"んだが、2/2の熊より3/3の猫と実験体の方が強いんだ。

2-2

5回戦 黒単バーン
バーン殺すって意気込んで、バーン踏むのは良いんだけど!違う!ちょっと違う!コロコロコミック買ってきてってお願いしてコミックボンボンが来た時の気持ちってきっとこんな感じ!

5-1
土地が2で止まって吸い尽くされる。まぁこういう日もある。今日の《野生のナカティル/Wild Nacatl》の成長ムラすごいな。

5-2
黒の単体除去に怯えながらおそるおそる《道の探求者/Seeker of the Way》で回復しながら殴っていたら勝った。
半歩先の恐怖に怯えながら生きるのは実生活だけにしてほしい。

5-3
全体を通してそこまで大きくならなかった《実験体/Experiment One》がここにきて7/5魂の絆トランプルに成長する。単体除去が飛んできても再生できる。なんだこの安心感。頑張って不足分のプロモ版を買い揃えて4枚にした甲斐があった。
「男子三日会わざれば刮目して見よ」
いや、男子かはしらんけど、これがコモン落ちクリーチャーの実力。対バーン戦で30近くライフがあることの安心感。なんだこの頼もしさ。味方チームにガオラン・ウォンサワットがいるときくらい安心する。そうだ。7/5魂の絆トランプルの実験体はガオラン・ウォンサワットなのだ。ガオラン・ウォンサワットが負けるわけないので勝ち。

●Epilogue

というわけでサブマリンするも3-2フィニッシュで優勝ならず。
初戦で負けた時点で可能性は潰えていたけど盾欲しかった・・・この星の一等賞にまたなれなかった。
優勝は逃してしまったけど、競技よりはぱうぺあ杯のような理よりも情で選択したプレイヤーが多くとても和気あいあいとした雰囲気でとても良かった。
デッキも(親和が全然いなくてサイドの親和対策が腐りまくったとはいえ)メインデッキは全部のカードが活躍したので構築面では非常に満足している。めちゃくちゃ手に馴染む。
これだよ。これが僕の求めているPauperだよ。次回も絶対に出ます!!!!!

●今回のアピールポイント

《Remove Enchantments》4枚持ってるから正直に争奪ジャンケンに加わらなかったの褒めて欲しい。

次はチームパウパー頑張るぞい!!!



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