子ども番組とステルスマーケティング

 ステルスマーケティングというと、消費者に広告であることを隠して行う宣伝行為のことで、広告主と無関係を装い芸能人やインフルエンサーという社会的に影響力のある方が、金銭や商品の見返りに商品やサービスを紹介・宣伝する行為で、一般消費者は純粋に有名人が紹介している=良い商品と思い込んで購入する傾向が高く、このような消費者心理を巧みに利用したマーケティング活動に対し、10月1日から消費者庁の規制が入ることになりました。
 消費者に影響力を持つということでは、地上波で放送されている子ども向けアニメ番組のキャラクターも同じなのではないでしょうか?戦隊ヒーローや変身ヒロインは子どもにとって憧れの存在であり、彼らの一挙手一投足は絶大な影響力を持っています。それをよく理解しているテレビ局(制作会社)は、意図的にストーリーの中に必ず特殊なアイテムを潜ませ、物語のハイライトでヒーローがそれを活用して敵を倒すというシナリオをつくります。そうやって無防備な子どもたちの心の中に入り込み、特殊アイテムの所有欲求を高めた上で、番組の合間にそのアイテム(玩具)のCMが流れ、子どもたちはまんまと大人のマーケティング戦略の餌食とされるのです。
 昔から、テレビドラマではストーリーマーケティングといって、物語の中に感情移入させることで、その主役が身につけている物が売れたり、舞台となった場所が人気スポットになたりという戦略はありましたが、分別のつかない子どもに対し、勇敢で感動的なアニメの影に隠れて物を売ろうとするメディアの戦略、企業の姿勢ってどうなんでしょう?知らぬ間にターゲットにされ、利用されている“子どもたちの人権”は守られているのでしょうか?できれば、ステルスマーケティングの規制範囲に、こういった番組の制作も入れて欲しいものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?