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【もとくら鼎談】一級建築士タナカユウキが「箱庭」で書けると思った自信の源とは?

どうも、くいしんです。新連載【もとくら鼎談】は、もとくら編集部と代表の鳥井がゲストを迎えて、鼎談形式でお送りします。

今回のゲストは、一級建築士でライターのタナカユウキさん。イケダハヤトさんの有料マガジン「今日はどんな実験をしよう。」や、ウェブメディア「箱庭」にてライティングをしている方です。

参照:
いま僕が一番気になるブロガーさん。 - 隠居系男子
http://inkyodanshi21.com/blog/9028/

タナカさんと鳥井は同じ88年生まれ。僕自身は父が一級建築士で、最初はその職業でなんとなく気になったのですが、タナカさんが書く文章を読むうちに、その世界観に惹かれていきました。

前後編の二本立てでお届けしますが、前編では、一級建築士になるまでの道のり、箱庭で書けると思った理由、インスタグラム運用についてなどお聞きしています。

タナカユウキさん

●Twitter
https://twitter.com/y_tanakarchi

●Instagram
https://www.instagram.com/y.tanakarchi/

●ブログ
http://www.archietc.com/

***

くいしん はじめに、一級建築士になるまでの道のりを聞かせてください。

タナカユウキ 学生時代は、スポーツも何もやっていなくて、ひたすらアルバイトに打ち込んでいました。接客業に猛烈な憧れがあって、なんでかって、モテたかったんですね(笑)。

くい なるほど(笑)。

タナカ ミスタードーナツで一年間アルバイトをして、そのあとも喫茶店でバイトしました。中学校を卒業して、高専に入学して、その間、ずっとアルバイトをしていました。高専を卒業して、20歳で就職して働いています。

くい 高専卒から一級建築士になったということですよね?

タナカ そうですね。

くい すごいですね。

タナカ そうですか?

くい そうですよ! 大卒でも一級建築士になるのは大変なのに、高専卒で資格を取得できる人、なかなかいないと思いますよ。大卒のほうが取得できる割合が圧倒的に高いと思います。

※2015年の一級建築士資格取得者のうち、大卒は71.8%。高専卒は「その他(短大、高専 等)」として、3.6%。以下、参照元
http://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-data.html
※追記
箱庭・森さんからもご指摘いただいた通り、「高専から一級建築士になるのは難しい、なりづらい」というわけではないようです。パーセンテージとして大卒よりも数字が少ないのは、高専の数が大学よりも少ないから。(大卒と高専卒の合格比率のデータがあればわかりやすいのですが……みつけた方がいたら教えてください)
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/002/002b/1349641.htm

タナカ 二級建築士は、高専を卒業したらすぐに受験資格を得られるんですね。僕は二級は全然ダメで、受からなくて。そうこうしているうちに、一級建築士って僕の学歴の場合は、5年間の実務経験を積むと受験資格を得られるんですよ。二級に落ちていたら、一級建築士を受けられるタイミングになって、受けたらたまたま受かったんです。たなぼたです。

くい いやいやいや……すさまじく努力しないとできないことだと思います。

タナカ ただ、大卒だからどうとか高専卒だからどうとかというのは、あまり関係ない仕事なんですよ。免許さえもっていれば一級建築士なので、実務経験があるかどうかの世界なんです。

鳥井弘文 そもそも一級と二級の壁の高さがどれくらい差があるのかわかっていないんですけど、どれくらい違うんですか?

タナカ 二級は木造や鉄骨などで建物をつくれますが、面積に制限があります。他には、建築物の高さは13m以下とか、軒の高さが9m以下とか、様々な制限があるんですね。

鳥井 一級より上の資格はないんですよね?

タナカ そうですね。

くい 僕は父が一級建築士で、ずっと自分の設計事務所をやっていた人なんです。その上で、父から聞いたぼんやりした記憶を頼りに質問させてもらうんですけど、毎年受験して30歳を過ぎても受からない人がいる世界ですよね?

タナカ そうですね。

鳥井 何回空振りしてもいいんですか?

タナカ 何回空振りしても大丈夫です。特に何回までしか受けられないという制限はないです。一次試験と二次試験があって、一次試験に受かると、3年間は有効なんです。つまり、一次試験に受かれば、翌年と翌々年は、一次試験をパスできます。

鳥井 それをおいくつのときに受かったんですか?

タナカ 25歳のときですね。

鳥井 それってめっちゃ早いんですか?

くい めちゃくちゃ早いです! 最短です。

タナカ そうですね。

鳥井 今のお仕事は一級建築士でなくてはいけないお仕事なんですか?

タナカ 今の職場は、一級建築士でないとできないですね。僕は一回転職をしていて、20歳で就職してそこから5年間は別の職場で、一級建築士を取得して転職しました。最初は東京で雇ってくれる職を探そうと思って就活していましたね。

ただ僕は現場監督をやりたくなかったので、それ以外で探していました。当時は就職氷河期と言われていたのですが、そんなに氷河期感はなかったです。鳥井さんはどうだったんですか?

鳥井 僕は就活って一度もしたことないんですよ。エントリーシートを書いたことがないです。

タナカ 僕は、就活した人はみんなそうかもしれませんが、吐くほどエントリーシートを書きました。中国の会社はどうやって入ったんですか?

鳥井 現地に入って、現地採用です。

タナカ それは、その働き口が決まっていて中国に行ったんですか?

鳥井 いや、違います。中国に行ってから、なんですよ。

タナカ へえ、それはすごい。

鳥井 周りからは「バカか!」って言われていました(笑)。大学を卒業して、なんの確約もない中で中国に行ったんです。

タナカ フィリピンも行かれていたんですよね。セブ島ですか?

鳥井 はい、セブです。あの頃はただのヒッピーですよ(笑)。

タナカ 現地で仕事を見つけたというのがすごいですよね。

鳥井 現地に行く前からある人の下で働きたくて入りたい会社があったんですけど、日本で募集もなかったので、その方がやっている講演会に足を運んで「働きたいんです」と言ったら、「じゃあインターンから始めてみる?」と言っていただいて、半年くらいで正社員になりました。

タナカ 中国には何年いたんですか?

鳥井 約2年ですね。1年と10ヶ月くらいです。

くい めちゃくちゃトリッキーな経歴ですよね。

タナカ いやぁ、おもしろいです。

くい 一級建築士になろうと思ったのは、何かきっかけがあったんですか?

タナカ 小さな頃からモノづくりは好きで。家庭環境もあったのかもしれないですけど、当時流行っていたものを買ってくれない家庭だったんですね。買ってくれないとなったら、自分でつくるしかないんですよ。ローラーブレードとか流行ったじゃないですか?

鳥井 めちゃくちゃ流行りました。

タナカ でも、買ってもらえないんですよ。それを自作していたのがきっかけと言えばきっかけですかね。体育とかよりも、図画工作が好きでした。あとは、工事現場があったら覗いて見ていましたね。そういう意味では漠然としていますが、家が建っていく姿が好きだったのはありますね。決定打になったのは、あるとき人生ゲームをやっていて。

くい 人生ゲーム? いつ頃ですか?

タナカ 高専に入学する前だったので、中二とか中三くらいだったと思います。人生ゲームをやって、一番大金持ちなのが弁護士。その次が建築家だったんです。弁護士は難しそうだけど、建築家ならモノづくりが好きだし、いけるんじゃないかなぁと思いました。

そこで「よしっ、建築家目指そう!」と思ったのがきっかけですね。不純と言えば不純なんですけどね。で、地元で建築をきちんと学ぼうとしたときに、学べるのが高専しかなかったんです。

鳥井 じゃあ、最初に目指した目標から、一切ブレていないんですね。

タナカ でも……僕はもともと東京に行きたかったのも、独立したかったというのが大きいんですね。建築デザイン事務所をやりたかったんです。あるとき、デザインを自分で生み出したり、提案したりすることが苦手というか、あまり好きではないなぁと自分で気づいてしまって。

いいものを紹介したい、という気持ちのほうが強いことに気づいたんです。そっちの意識が高まっていって、結局はデザイン事務所を諦めたという経緯があるんですね。なので、建築という枠の中でフラフラしている感じは、自分の中ではあるんです。

くい 伝えるほうが得意だと気づいたということ?

タナカ そうですね。こういう建築家がいて、こういう素敵な建物がある、ということを知らない人に伝えることや自分で観に行くことのほうが好きだって思いました。それを自分で生み出したいかというと、ちょっと違うなぁという気持ちに行き着いた感じです。


自分は箱庭で書けるんじゃないかと思った理由

鳥井 箱庭さんで書こうと思ったのはなんでだったんですか?

タナカ もともとインスタグラムで実際に訪れた場所の建築の写真をアップしていて、それについて文章を書いていました。あるとき箱庭さんの募集を見て、「今、インスタグラムでこういうことをやっていて、箱庭さんのテイストに合うかわからないんですけど、建築を紹介したいんです」って応募フォームで送ったんです。

くい タナカさんからアプローチしたんですね。

タナカ はい。そしたらとりあえず原稿を出してみてくださいということで、出したらオッケーだったという流れです。箱庭さんもどちらかというと女性向け……と謳っているわけではないですが、事実としてライターさんは女性が多いじゃないですか。

鳥井 そうですよね。

タナカ そこはなぜか自信があって、イケるんじゃないかなぁと最初から思っていて。……僕、ウォシュレットで、「おしり」よりも「ビデ」のほうが相性いいんですよ。

鳥井・くい ははははは!(笑)。

タナカ ちなみに「ウォシュレット」ってTOTOの商標なんです。INAXの場合は「シャワートイレ」というんです。僕はTOTO派なのでウォシュレットって呼ぶことが多いんですが。

くい そこで一級建築士の知識を披露されても説得力があるんだかないんだかわからないです(笑)。

鳥井 めっちゃおもしろいですね(笑)。

くい でも、トイレも家のひとつのアイテムですもんね。一級建築士はトイレにも詳しいっていう(笑)。一級建築士って、数字に強くないとできない仕事だと思うんですけど、数字は昔から好きだったんですか?

タナカ 数学とか物理は昔から好きでした。性格的にも、白黒つかないといやなんですよ。数学ってはっきりと答えが出るじゃないですか。国語だと、答えがモヤッとしているというか、掴みどころがない場合がありますよね。そういう意味では、正解不正解がはっきりある数学が好きでしたね。

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