見出し画像

【昭和村特集番外編】はじめての昭和村で受けた衝撃と感じた無力感

今年の秋、もとくらでは【福島県大沼郡昭和村】の特集記事を公開しました。

・参照:土からうまれた糸を継ぐ【福島県大沼郡昭和村】特集、はじめます。

昭和村の伝統工芸である「からむし」「織姫さん」に焦点を当てた記事を制作したのですが、執筆を担当してくださったのはすべて中條美咲さんという女性です。

美咲さんが「なぜもとくらで執筆することになったのか」「昭和村とどんなふうに関わってきたのか」を、特集を担当した私・小山内との対談形式でお届けします。

・過去記事は「#昭和村特集番外編」から

初めての昭和村で感じたこと

小山内 前回までは、美咲さんが鞍田先生に出会われたのは「民芸」が入り口にあったというお話でした。そして鞍田先生と出会ったことがきっかけで昭和村と関わるようになられたとも。

美咲 鞍田先生と出会ってから、ぐーっと昭和村に引っ張られていきましたね。イベント後、お会いしたときに昭和村のからむしや焼畑についてお話をされたことが印象的でした。

小山内 どんなお話だったんですか?

美咲 先生はもともと京都の研究所にいて焼畑の研究チームに所属されていた。そこで、衣食住すべての観点から「焼畑」といういとなみを捉えたいということで、日本中の焼畑地を回っていたときに「衣」に関する焼畑地に出会った、とおっしゃっていて。

小山内 それが昭和村だった。

美咲 そうです。「福島県の奥会津、昭和村という場所で植物から糸をつくる女性たちがいるんだよ」という話をノンストップでされました。私は初めて耳にすることばかりで、もう、ちんぷんかんぷん(笑)

小山内 そこからどうやって昭和村に関心を持っていくようになるのですか?

美咲 先生には「手仕事や地域、ことばでなにかを伝えていくことに興味があるんだったら、とにかく現場を見ないとダメだ!」と背中を押してもらいました。

当時、私は駆け出しでライターをはじめたばかり。もとくらとは別のメディアで記事を書いていたのですが、そのときに編集を担当してくれたのが立花さんでした。だから立花さんに、「昭和村のからむしとからむしに関わる女性を取り上げた記事を作りたい」とお願いをしたんです。それで、取材を兼ねて2015年の夏、先生や生徒さんたちと一緒に昭和村のフィールドワークに同行させてもらいました。

小山内 それが初めての昭和村なんですよね。第一印象はどうでしたか?

ここから先は

826字

¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?