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【クレイジーJAPAN】「占いは、エンターテイメントだと思うんですよね」|占い師・mikataさんに聞く(中編)

旅と文学と映画と美術について書くブロガー・ライターのチェコ好きさんの連載クレイジーJAPAN。今回は占い師・mikataさんに「占い」についてお話を伺っています。

 前編では、占いは理論なのか?それともスピリチュアルなものか?ということについてお伺いしました。私たちの日常に馴染みのある星占いや手相占いも、同じ占いとしてひとくくりにまとめることのできない奥深さが面白かったです。

中編では、mikataさん自身が、星占いや占い全般についてどのように考えているのかをお聞きしたいと思います。

占い師mikata
(URL :http://www.mikatablog.com)


文/チェコ好き
構成/小山内


占いと作家性

チェコ 太陽星座だけを見る星占いをやっている方で、「しいたけ」さんという占い師さんがいますよね。私の周りでもけっこう人気でみんな当たる当たると言っている占い師さんです。mikataさんは、しいたけさんについてはどう思われますか?

mikata 仕組みとしては、しいたけ占いは12星座占いに「しいたけ」というキャラクターを被せていて、12星座占いと性質は一緒だと思います。ただ、占いの結果から「あなたこういう性格で、こういう運勢ですね」と言った後のアフターフォローがしいたけさんはすごいのかな、と思います。

チェコ アフターフォロー。しいたけさんは占いで特殊な何かをやっているわけではなくて、アフターフォローがすごいという見解なのですね。

mikata アフターフォローの文体が素晴らしいなと思いました。ライターの石井ゆかりさんにも作家性の素晴らしさを感じます。個人的には、小説家の吉本ばななさんのような、優しくて繊細で、それでいて力強い文体だなあと感じました。

チェコ 文体、ですか。私からすると、占い師さんが当たるか当たらないかという見方をしているので、その人の作家性みたいなところを見ないから新鮮です。

mikata そうですね。星占いって一対不特定多数に発信をしていて、それはあまり厳密に「当たる/当たらない」という観点では見ないほうがいいではないかと個人的には思います。人間の運勢を12分割にして未来を予測が出来るかと言ったら、それは難しいと思います。ですので、マスメディアで発信されているようなことはわりと日常の気分を上げてくれるものやコミュニケーションツールとして留めておくほうがいいのではないかと思います。

でも単純に、たとえば「昨日失敗しちゃって、だけど占いを見てちょっと気持ちが回復した」というくらいならそれはそれでとてもよいことなのではないかな、と思います。それは割とエンターテイメントの範疇だと考えているんです。

小山内 私たちの占いに対するスタンスというか、心持ちも大切なわけですね。

mikata はい。ですので、あまり占いを実生活の行動一つ一つに紐付け過ぎてしまうのは、たとえ一対一の占いだとしても、よくないと思います。むしろ僕が思う占いの使い方は、自分の可能性を広げていく、人生を成長させる道具として使った方が良いのではないかという見解です。たとえば僕が、「デザイナーさんに向いているね」と言ったら「ちょっとデザインの勉強をやってみようかな?」というように、新たな可能性が広がると嬉しいです。

占いの結果に対して「こういう行動をしてみると、人生がきっと楽しくなります。」と言うと、人は行動しやすくなるんですよ。それと同時に占いには選択肢を狭める可能性もあるんです。そのふたつが同居していることが、占いの面白いところなんじゃないかと思います。

小山内 なるほど、だからエンターテイメントなんですね。


コールドリーディングは使っているのか

チェコ mikataさんは占いをやっていく中で、人のどういうところを見ているんでしょうか? 今回私が占い師さんを取材したいと思ったのは、自分がライターとして観察能力が欠けているように思ったことがきっかけだったからです。

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