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都市生活者が無力感に負けないで生きるために【小山内のインターン記#18】

こんばんは、インターンの小山内です。

私が今、現在進行形で携わっている地域が福島県大沼郡昭和村。昭和村は奥会津にある山々に囲まれた美しい村で、日本の原風景を残しています。灯台もと暮らしではつい先月、村の産業である「からむし」をテーマに7本の特集記事が公開されました。

・福島県大沼郡昭和村特集はこちら

そんな昭和村の特集が先月で一旦終わったところ。特集の執筆担当をしてくださった中條美咲さんと、お茶の水カフェで昭和村のことを振り返りました。

生きる術をたくさん持つ昭和村

私が昭和村を訪れて印象に残っているものに、振興室で働く民子さんのこんなふうな言葉があります。

「昭和村の暮らしって、都市で暮らしている人からすればとても素朴だし不便かもしれない。だけど、私はこの暮らしが最先端だと思っているんです」

実際、昭和村に訪れて村のひとたちの「暮らし方」に驚きました。生活のインフラをほとんど自らまかない、つくるものはどこまでも手仕事。村に入った初日に民子さん自家製のトマトジュースを飲んだときは「こんなに甘いトマトジュースを飲んだのははじめて」と驚いたのですが、「砂糖は使っていないんですよ」とおっしゃるので天然の甘さにもっと驚いたのを覚えています。

地域のおじいちゃんおばあちゃんと助け合って暮らす風景も新鮮そのもので、人間関係が希薄な都市生活者からはちょっと想像しがたい日常を目の当たりにした気がします。

特集を通して、昭和村は民子さんのおっしゃる通り「持続可能」という意味で最先端だなぁ、と私は思いました。若い世代が昔からの生き延びる知恵を尊敬して継承しているから、明日地震が来ても槍が降ってもきっと、昭和村のひとたちは強く生きていくのだろうと思います。

生活の形じゃなくて水準を見直す

東日本大震災をきっかけに「無力感」を感じた都市生活者が多いことを、もとくらでインターンを始めてから知りました。それまでは都市に住んでいても、震災があった頃は東北出身の私は中学生で、都市がどうなっているのかなんて考えたこともなかったんです。

今、自分が都市で生き昭和村も見た上でたしかに「無力感」のようなものを感じます。明日電車が止まったら?明日いきなり蛇口から水が出なくなったら?スーパーやコンビニから食料が消えたら?私はどうやって、生きていく?

今まで当たり前だったことが当たり前じゃなくなる日が来たとき、多くの都市生活者はどうするのだろう。私はこれまで考えてこなかったからきっとそのときが来ても対処できません。もしも明日のラッシュ時に電車が止まれば、帰宅難民になるのだと思います。

だけど、昭和村と関わって得たのはそんな無力感だけではありませんでした。昭和村は私に、「ここで」どうやって生きていくか考えるきっかけをくれたのだと思います。

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